ポリエンマクロライド系抗真菌剤であるアムホテリシンB (AmB) は, 深在性真菌症の治療に用いられているが, 腎障害などの重篤な副作用を示すため, その使用に制限がある. したがって, DDSによる副作用の軽減が望まれている. AmBは水やほとんどの有機溶媒に不溶なため, そのリポソーム化は困難であったが, ポリエチレングリコールのリン脂質誘導体 (DSPE-PEG) と9% sucroseを用いることで, AmBを容易かつ多量にリポソームに封入できることを見いだした. AmB-PEGリポソームは, アスペルギルス感染マウスにおいて高い血中滞留性を示し, 肺内皮細胞に対する抗体 (34A) の付与で, AmBisomeにくらべて高い治療効果を示した.
抄録全体を表示