日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
15 巻, 4 号
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論文
  • 他谷 周一, 翠川 三郎
    2015 年 15 巻 4 号 p. 4_1-4_15
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/08/24
    ジャーナル フリー
    1995年兵庫県南部地震と2011年東北地方太平洋沖地震の2地震を対象として、鉄道高架橋区間での地震被害データを整理し、その結果をもとに鉄道高架橋区間の地震被害関数を作成した。鉄道高架橋区間では、震度5弱より軽度被害が発生しうること、及び震度6弱より重度被害が発生しうることを示した。また、2地震の間で鉄道高架橋区間の震度階ごとの被害率を比較した結果、2011年東北地方太平洋沖地震の重度被害率は1995年兵庫県南部地震よりも低くなっていた一方、軽度被害率は増加し、軽度被害と重度被害を合計した被害率は2地震の間で同程度であったことを示した。
  • 小林 源裕, 儘田 豊
    2015 年 15 巻 4 号 p. 4_16-4_39
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/08/24
    ジャーナル フリー
    地表観測記録による水平動の強震/弱震スペクトル比(S/Wスペクトル)を用いて,強震時における地中地盤の水平地震動を評価する方法を検討した.水平動S/Wスペクトルの逆解析により対象層の地盤材料の動的変形特性,即ちせん断ひずみに応じたせん断定数(S波速度)と減衰定数を同定し,得られた非線形地盤モデルから線形解析により強震時における地震動を評価する.検討手法の適用性を確認するため,模擬地盤モデルを用いた数値実験を行うとともに,地質・地盤情報並びに地震動記録が豊富な第四紀地盤テストフィールドにおいて,強震時の地表観測記録から工学的基盤(深度300m,S波速度500m/s相当の硬質地盤)における地震動評価を行った.実データへの適用性検討を通じて,水平動S/Wスペクトルの逆解析から強震時における地中地盤の水平地震動を概ね精度良く推定できることを示した.
  • 杉野 英治, 岩渕 洋子, 阿部 雄太, 今村 文彦
    2015 年 15 巻 4 号 p. 4_40-4_61
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/08/24
    ジャーナル フリー
    2011年東北地方太平洋沖地震津波の発生及び東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、原子力発電所の津波リスク評価のためには、将来発生する津波の規模は既往最大を上回る可能性があることを前提とした、確率論的津波ハザード評価手法の高度化が必要である。同地震津波の発生以後、このような概念に基づく津波想定が提案されている。そこで、千島海溝から日本海溝沿いのプレート間地震に想定される津波波源を対象に具体的な適用方法と事例を示し、既往最大を基本とする従来の津波想定と比較することにより、津波想定に係る不確実さの取扱いが確率論的津波ハザード評価結果に及ぼす影響・効果を示す。
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