日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
7 巻 , 5 号
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  • 三浦 弘之, 翠川 三郎
    2007 年 7 巻 5 号 p. 1-14
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    高分解能衛星IKONOS 画像および数値標高モデル (DEM) を用いて2004 年新潟県中越地震での斜面崩壊地を検出する方法について検討した.多くの斜面崩壊地では, 地震によって樹木などの植生が斜面下方に流出し, 土壌が露出していることを利用して, 画像から計算される植生指標NDVI が地震後に顕著に減少する地域を斜面崩壊地として検出した.解析では, 航空機レーザスキャナによるDEM を利用し, 画像間の重ね合わせ誤差を小さくし, 傾斜度を算出して平地を除去することにより誤検出を軽減させることを試みた.検出結果を航空写真の目視判読結果と比較したところ, 全体の85%程度の斜面崩壊地を検出できること, 検出結果の正解率は約90%となることを示した.
  • 鈴木 隆志, 倉形 雅之, 伊津野 和行, 土岐 憲三
    2007 年 7 巻 5 号 p. 15-30
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    一般的に伝統木造建築物の水平構面は剛床仮定が成り立ちにくいとされている。しかし、懸造形式を有する寺社において、舞台床の水平剛性の考慮の有無は、建物全体の耐震性能評価に与える影響は少なくないことが予想される。
    本論文は、床などの水平構面が、懸造形式を有する伝統木造建築物の耐震性能評価に与える影響を時刻歴地震応答解析によって検討したものである。研究対象は、京都市にある国宝清水寺本堂とした。
    舞台床や小屋組などの水平構面の剛性、耐力を無視した解析結果では、舞台部分の局所的な応答を過大評価する結果となった。しかし、本堂部分を主とする建物全体の地震時挙動に屋根による水平構面が与える影響は小さいことがわかった。
    懸造形式の伝統木造建築物の耐震性能評価においては、小屋組や天井の水平構面の評価よりも、舞台床による水平構面の適切な剛性評価が重要になる。
  • 横山 功一, 原田 隆郎, 黒田 聡, A.K.M. Rafiquzzaman
    2007 年 7 巻 5 号 p. 31-44
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    1995 年の阪神淡路大震災のように、人口が密集した都市で大地震が発生した場合、道路橋を含む交通システムが被災することにより、交通機能や復旧作業に大きな支障をきたすことが予想される。それゆえ橋梁構造物に関しては、地震発生直後の交通網の被災情報を提供し、被災度の軽減、被害の拡大防止、及び復旧作業の補助を行うための地震時リアルタイム損傷検知システムが必要であると考えられる。本研究では、ニューラルネットワーク (Neural Networks: NN) を用いた地震時リアルタイム損傷検知システムにおける橋脚の損傷判定法を提案した。損傷判定法では、まずNN を用いて健全時の構造システムの同定を行う。次に橋脚構造の同定が行われたNN を用いて、地震を受けた場合の出力値 (NN予測値) と橋脚の応答計測値 (実測値) の間に生じる誤差 (NN予測誤差) から損傷判定を行う。ここで、NN予測誤差の評価指標としては、実測値とNN予測値における振幅比と位相差を選定した。そして、独立行政法人土木研究所で行われたRC 単柱の加振実験のデータを用いて、提案した損傷判定法の検証を行った。その結果、振幅比と位相差の二つの評価指標が損傷程度 (固有周期変化・減衰定数変化) とよく一致することを確認した。また、提案した損傷判定法は、周波数領域の解析手法に比べてより迅速に損傷情報を提供することが可能である。
  • 土岐 憲三, 岸本 英明, 古川 秀明, 酒井 久和
    2007 年 7 巻 5 号 p. 45-59
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    京都盆地に点在する文化遺産に対する防災対策を目的に、花折断層を想定地震とした京都盆地全域の強震動予測を3次元非線形有限要素解析により行った。解析では、絶対応答変位による定式化、共役勾配法、修正Newton-Raphson 法、並列計算を導入し、計算機資源および計算時間を節約した。京都盆地全域の非線形堆積地盤モデルに対して、シナリオ地震における基盤岩での強震動予測波形を多点異入力し、地震動評価を行った。検討の結果、文化遺産の集積密度の大きい東山山麓をはじめ、計測震度7の領域が京都市の第3次被害想定の計測震度分布よりも大きくなり、震源、深部地盤構造、堆積層の不整形性、土の非線形性を同時に考慮することの重要性が示された。
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