日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
23 巻, 5 号
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論文
  • 東 宏樹, 藤原 広行
    2023 年 23 巻 5 号 p. 5_1-5_20
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/30
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    近年活用が進むIoTデータの一つに,店舗等のカメラにより記録された映像がある.一方で,地震時の映像が地震動および地震被害の新たなデータソースとしてどの程度使えるのかは自明ではない.これを明らかにするため,放置していれば消去され散逸してしまう地震時映像データを収集するアーカイブシステムを構築した.地震映像アーカイブシステムに存在する9地震についての607本の地震映像データに対して映像内に映る被害のタグをアノテーションした.このデータに対して分類による構造化を行い,タグ相互の関係性を分析した.また,震度ごとの被害特性の分析を行い,店舗震度階級表を提案した.

報告
  • ―南西諸島北部周辺域の数値モデル化のために―
    山田 伸之, 竹中 博士
    2023 年 23 巻 5 号 p. 5_21-5_34
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル フリー

    本研究では,奄美群島,吐噶喇列島および屋久島の島嶼部の11地点で実施した微動アレイ観測の記録を用いて,S波速度3 km/s相当層の地震基盤までの深部地盤のS波速度構造を推定した.その結果,各地点で1~3層と地震基盤のS波速度を示すことができ,地震基盤上面の深度は,喜界島で最大の約2 kmとなり,ほかの島では,0.2~0.6 km程度であった.また,全地点の推定結果から,4層モデルとした場合の各層のS波速度の平均値と各地点の層境界深度も示した.その際のS波速度の平均値は,0.69, 1.02, 2.18, 3.49 km/sであり,この値は,先島諸島や沖縄諸島のものと近い値になった.こうした結果は,南西諸島の速度構造モデルの改善化のための基礎的な資料として活用することができると考えられる.

  • ―実大4層のRC造建物の場合―
    安井 譲, 前田 寿朗, 井口 道雄
    2023 年 23 巻 5 号 p. 5_35-5_46
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル フリー

    震動台の回転の影響を受けた実大4層のRC造建物の実験結果から等価せん断型モデルの振動特性(1次モードの固有周期と減衰定数)と層パラメタ(層剛性と層減衰)を評価することを試みた.同定は,著者らが提案しているサブストラクチャーモデルの1次のモード応答を近似させる方法によった.同定値の妥当性の考察は,ARXモデルを用いた先行研究の結果と比較・照応することによって行った.ランダム波加振についてみると,回転補正を行わない場合は行う場合に比べて,固有周期は大きく,減衰定数も大きく評価されることが確認された.また,層剛性と層減衰への回転補正の効果は,固有周期と減衰定数の補正効果に相応する傾向を示した.著者らの方法は定常で線形な振動を前提としているが,非定常で非線形な振動を伴う地震波加振の場合への適用も試みた.その結果,固有周期と減衰定数の同定値は地震時の最大周期とそれに対応する減衰定数の値にほぼ一致することがわかった.また,地震時の最大周期の値は地震前後のランダム波加振時の固有周期から推定できる可能性があることを示した.さらに,加振履歴に伴う下3層の層剛性の初期値に対する低下の割合は互いにほぼ等しいことが示された.最後に,震動台の制御方法が基本制御の場合は一様に,固有周期は大きく,減衰定数も大きく評価されることを示した.

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