日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
20 巻 , 4 号
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論文
  • 安中 正, 西 愛歩, 金戸 俊道
    2020 年 20 巻 4 号 p. 4_1-4_17
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/29
    ジャーナル 認証あり

    福島第一原子力発電所沖合の波高計記録を良好に再現する東北地方太平洋沖地震津波の波源モデルを津波波形,GPS1秒波形,海底地殻変動を併用したインバージョンにより求めた.波高計記録の再現性を改善するために,「仮想津波波形」をインバージョンに追加する方法を用いた.仮想津波波形は福島第一沖合水深50mの位置で設定した.多数の仮想津波波形の中から,インバージョンにより得られた波源モデルから非線形長波理論に基づき計算した波形と観測波形の残差2乗和を最小にする波形を探索した.探索により得られた仮想津波波形を用いて,波高計記録を良好に再現する波源モデルを得ることができた.同様の方法を,北海道から千葉までの津波痕跡高との適合度を改善するためにも用いた.また,GPS1秒波形の併用が断層の破壊過程を制約するために有効であることを明らかにした.

  • 今田 拓実, 山岸 邦彰
    2020 年 20 巻 4 号 p. 4_18-4_37
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/29
    ジャーナル 認証あり

    近年,適用が増加している柱RC梁S造の倉庫建築物を対象として,積載物を滑動させることにより,躯体の最大層間変位と積載物の最大加速度が減少するSlide効果の検証を定量的に行った.一方,Slide効果には,これらの最大応答を低減する効果のみならず,応答のばらつきを低減させる可能性があることが指摘されている.そこで,本論では柱RC梁S造の倉庫建築物を模擬した解析モデルに対して,建築基準法の規定に基づき作成した模擬地震波100波を入力地震波として,積載率,入力倍率および耐力低減係数をパラメータとする応答結果から,それらの平均値,信頼区間,変動係数などを計算した.これらの解析結果から,柱RC梁S造に対してもS造と同等のSlide効果があることを確認した.特に,積載率が高く,保有水平耐力の大きい倉庫建築物が中程度の地震を受けた時にSlide効果が最も高かった.さらに,これらのSlide効果を付加等価減衰定数に換算して定量的に示した.また,Slide効果には,過半の層で最大応答値のばらつきが減少する効果があるだけではなく,建築基準法が定める大地震時の地震動レベルにおいて各層の最大層間変位を均一化する効果もあることを示した.

報告
  • 佐藤 信夫, 花里 利一, 内田 龍一郎, 荻原 幸夫, 三須 基規, 大村 祐樹, 坂本 功
    2020 年 20 巻 4 号 p. 4_38-4_55
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/29
    ジャーナル 認証あり

    水平構面に柔性を有する木造本堂の制振技術の開発・提案を行った.水平面に設置された制振装置を使用することにより,解析的に木造本堂の応答変位が最大で10%程度低減されることを確認した.この方法は,川崎市の長念寺本堂に適用した.本研究で開発した制振技術の有効性を確認するため,施工完了後から地震観測を実施している.3次元非線形モデルを用いた地震応答解析結果について,常時微動測定と地震観測記録を用いて比較した.

  • 戸田 和徳, 境 有紀
    2020 年 20 巻 4 号 p. 4_56-4_65
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/29
    ジャーナル 認証あり

    木造建物の建築年を外観写真から判定する方法の検討を行った.10年単位で建築年代ごとに対象地域の建物をまとめた写真サンプルを準備し,それと見比べることで判定を行った.まず,正解がわかっている建物を対象に大学院生,大学4年生による判定テストを実施し,その精度について検証した.その結果,平均すると4~6年の誤差で判定できることがわかった.また,判定結果から作成した建築年分布は,判定者の平均をとることで正解に近づくことがわかった.そこで,判定人数と建築年分布誤差の関係を調べた結果,5人以上で,各年代割合の誤差が5%ポイント以下になることがわかった.最後に,実際に木造建物被害があった強震観測点周りを対象として,建築年判定を実施し建築年分布を作成した.

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