芝浦工業大学豊洲キャンパスの地盤、校舎には複数の加速度計が設置され、地震観測が行われている。また、不整形な立面・平面を持つ免震構造である校舎の免震層内には複数の層間変位計が設置されている。東北地方太平洋沖地震で記録された層間変位計毎の粒子軌跡は、異なった形状を示しており、免震層では並進振動の他に、回転振動をしていたことが示唆される。そこで、本論文では、同地震における免震層の動的挙動を推定することを目的に、同一平面内の2台以上の加速度計の観測記録を用いて並進、回転成分を簡易に推定する方法を新たに提案し、同地震の観測記録に適用した。その結果、免震層における回転成分の最大値は3.8x10 -4 rad 程度、並進成分による層間変位の最大値は6cm 程度であったことが示された。