2007年新潟県中越沖地震を対象として, 震度6弱以上を記録した全ての強震観測点と5強を記録した一部の強震観測点周辺の被害調査を行った. 震度6強を記録した6観測点のうちK-NET柏崎, 柏崎市中央町震度計周辺では, 木造建物全壊率が5~7%程度, 柏崎市西山町, 刈羽村割町震度計周辺でも全壊した木造建物, 倉庫が見られたが, 長岡市小国町, 飯綱町芋川震度計周辺では建物の大きな被害はなかった. 震度6弱を記録した観測点周辺でも, 大きな被害はなかった. 観測された強震記録の性質と被害との対応について検討した結果, 周辺で大きな被害が生じたK-NET柏崎, 柏崎市中央町震度計, 刈羽村割町震度計では, 2~2.5秒というやや長い周期が卓越すると同時に, 建物の大きな被害と相関をもつ1-2秒応答も大きく, これが大きな被害に結びついたと考えられる.その一方で, 震度6強を記録した長岡市小国町, 飯綱町芋川震度計も含めて, 1秒以下の短周期が卓越したその他の強震観測点では, 建物の大きな被害と相関をもつ1-2秒応答は小さい地震動で, 周辺にも大きな被害は見られなかった.
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