A型急性大動脈解離に対してポリエステル布を解離バルサルバ洞に挿入するneomedia repairの長期成績を検討した。耐術例の中で基部拡大,大動脈弁閉鎖不全の進行,大動脈基部関連の再手術および死亡はなかった。2尖弁の変成で再手術となった症例でポリエステル布はneomediaとして機能している所見が得られ,neomedia repairは解離バルサルバ洞の長期安定化に寄与することが示唆された。
Campylobacterは感染性動脈瘤の起炎菌としてはまれで,多くは免疫抑制状態の患者に発生する。今回,心房細動に対するカテーテルアブレーション以外に基礎疾患のない感染性腹部大動脈瘤の1例を経験した。解剖学的血行再建術,大網充填術,抗菌剤の投与を行い,術後2年で感染の再燃はない。基礎疾患のない患者でも起炎菌としてCampylobacterは考慮すべきである。