整形外科周術期静脈血栓塞栓症に対する3種類の直接作用型抗凝固薬(DOAC)の治療効果を比較検討した。Warfarin, Edoxaban, Rivaroxaban, Apixaban(以下,W群・E群・R群・A群)の4群で血栓消失率・消失日数を比較,DOACはいずれもW群と比較し良好な結果で,とくにR群・A群はE群と比較しても良好な結果であった。R群で1例に関節内出血がみられたが改善し,他の群では臨床的出血事象はみられなかった。
81歳男性。ネックに慢性限局解離を伴う腹部大動脈瘤に対して腹部大動脈ステントグラフト内挿術を行った。メインボディが偽腔内を通過したことに気付かず,展開後対側脚が解離の隔壁にトラップされ開大しなかった。やむなく真腔に対側脚ステントグラフトを内挿してDouble-Barrel Sandwich法で展開した。合併症なく経過しているが,ステントグラフトの適応外使用であるため慎重に経過観察する方針である。
偽腔開存型慢性B型解離性大動脈瘤は,将来的に下行大動脈や腹部大動脈の瘤化が問題となる。開胸手術困難例に対し,胸部ステントグラフト内挿術でエントリー閉鎖を行った後二期的に腹部偽腔内塞栓術およびステントグラフト内挿術でリエントリーを閉鎖した。偽腔内血流は血栓化・消失し,胸部下行大動脈外径と腹部大動脈外径の縮小を得た。