【目的】CVポート留置術の成否と左腕頭静脈狭窄との関連を調査した。【方法】対象149例の手技成否と術前CTでの腕頭静脈周辺の解剖学的な関連を調査した。【結果】左側アプローチ中9.5%がカテーテル不通過であった。カテーテル不通過群は通過群と比べ,胸骨大動脈間距離,左腕頭静脈の径および走行角度が有意に小さかった。【結論】狭小な胸骨大動脈距離,左腕頭静脈の狭窄および急峻な走行角度が,カテーテル通過困難の要因であると考えられた。
麻酔や手術侵襲などによりVirchowの3徴を要因として発生する静脈血栓塞栓症(VTE)は,周術期における重篤な二次的合併症の一つである。VTE予防は組織で取り組む必要があり,チームの一員として手術看護の役割は大きい。本稿では,VTEリスク評価,周術期の患者教育,デバイス管理について手術看護の役割と課題を示す。