症例は64歳,女性。前医にて変形性膝関節症に対し,人工関節置換術を施行された。術後1日目に創部腫脹の増大と右下肢の神経症状も出現したため,緊急筋膜切開を施行された。しかし,その後も創部ドレーンからの出血が持続したため当院へ紹介となった。造影CT検査の結果,膝窩動脈からの活動性出血を認めたため,緊急でVIABAHNを用いた血管内治療で止血した。術後2年が経過したが,経過は良好である。
症例は82歳男性。右内頸動脈狭窄症に対して左総大腿動脈をアクセスとして経皮的頸動脈ステント留置術を施行。穿刺部の止血はアンギオシール止血デバイスを使用したが上手くいかず用手的圧迫が行われていた。術翌日の安静解除後に左下肢冷感と感覚障害が出現。血管造影と造影CT検査にて左総大腿動脈閉塞による急性下肢動脈閉塞症と診断され,緊急手術を行った。解離発生の要因について文献的考察を加えて報告する。