外膜囊腫は動脈外膜や外弾性板内にコロイド様物質が貯留して狭窄や閉塞をきたす比較的稀な疾患である。症例は61歳男性。右下肢間欠性跛行を主訴に来院した。エコーで右膝窩動脈外膜囊腫と診断し,造影CTで病変部と伏在静脈を評価し手術した。手術は仰臥位で大伏在静脈(GSV)を採取後に腹臥位とし,病変部位を切除し,GSVで置換した。術後15カ月が経過したが,現在も再発の徴候なく経過している。
慢性静脈疾患の治療は圧迫療法や静脈インターベンションが一般的であるが,海外ではVenoactive drugによる治療も広く行われている。その主たる薬理作用は抗炎症作用であり既に多くの研究,評価が行われている。中でも最も高いエビデンスで検証されているのはMicronized Purified Flavonoid Fractionである。本説ではその作用機序や治療効果,ガイドラインにおける評価を報告する。