われわれは血管径を問わず観察可能な血流維持型汎用血管内視鏡(NOGA)システムを開発し,大動脈からの高頻度な自然破綻プラークを同定した。これは臓器の機能低下から老化にかかわると考えられた。コレステロール結晶を介した先天免疫によるプラークの進展,破綻についてin situで証明した。NOGAは急性大動脈解離の詳細な内膜傷害の同定や治療の補助手段として利用され,動脈硬化疾患の全体,さらに新しい治療の補助手段として有用である。
脈管奇形には囊胞性病変など限局的な病変もあるが,周囲組織に浸潤した広範囲病変のように,一般に切除困難とされる病変が比較的多い。通常,このような病変に対しては,硬化療法や塞栓術などの血管内治療が選択される。しかし,切除による病変の縮小効果は大きく,切除困難な病変であっても切除術が選択されることがある。本稿ではリンパ管奇形,静脈奇形,動静脈奇形の切除術に関して,近年のわれわれの工夫について概説する。
腹部大動脈瘤人工血管置換術後20年以上経過した時点で人工血管ラッピング部の著明な拡大を認め,4D-CTにてY-graftの主幹部および分岐部が破綻したことによる仮性動脈瘤形成が原因であることが判明した症例にENDURANTのAorto-uni iliac graft(Medtronic Cardiovascular, Santa Rosa, CA, USA)を用いてEVARを施行し術後経過良好であった。通常の造影CTで診断がつかない人工血管破綻部の同定に4D-CTが有効であったので報告する。