要 旨:2011年1月から2013年3月までの間に80歳以上の高齢者で開腹下に行った腎動脈下腹部大動脈瘤24例の治療成績を検討した。平均年齢84.8±4.5歳,破裂症例が8例(33%)であった。病院死亡は破裂症例の2例(8.3%)で未破裂16例では病院死亡は認めていない(p=0.6560)。退院時のactivities of daily livingは13例(59%)が独歩自宅退院,9例(41%)がリハビリを含む転院であった。非破裂例(n=16)のうち,術前歩行できていなかった5例を除いた11例中では9例(82%)が独歩退院できた。80歳以上での開腹下腹部大動脈瘤手術の治療成績は待機手術においては十分満足しうるものであった。