【背景】脳塞栓症が強く疑われるにも関わらず,塞栓源が見つからない原因不明の脳梗塞が多く存在する。脳外科専門病院における脳梗塞発症機序同定のための検査法の検討を行った。【対象】2018年4月~2019年3月の1年間に入院加療した新規脳梗塞連続556例の解析を行った。【結果】その他・原因不明の脳梗塞は94例であったが,このうち追加精査により22例の原因が判明した。【結語】脳梗塞の病型分類と潜在性心房細動の検出にBNP測定,胸腹骨盤CT,1週間心電図モニター,植込み型心電図が有用である。
症例は40歳代の男性。Stanford A型急性大動脈解離の手術時に右腋窩動脈からの送血を開始したところ左総頸動脈血流の消失を認めた。腋窩動脈送血を中止し左大腿動脈からの送血のみとすることにより左総頸動脈血流の改善をみた。神経学的後遺症なく回復し退院となった。急性大動脈解離手術時に灌流障害が発生した際のトラブルシューティングの1例としてここに報告する。