症例は78歳の女性。意識消失と血圧低下で発症。CTを施行され後腹膜腔の血腫より動脈瘤の破裂を疑われ当科へ転送となった。ステントグラフト内挿術を準備したが,左外腸骨静脈からの出血と判明した。長軸方向に2 cm長の裂孔を認めたため連続縫合で修復し止血した。抗凝固療法を施行し経過良好であった。特発性腸骨静脈破裂は稀な疾患であり,少数の報告を認めるのみでその原因・病態は不明である。文献的考察を加えて報告する。
78歳男性。夕食後から右下腿の倦怠感,疼痛を自覚し,翌朝に右下肢の冷感も出現したため近医受診。造影CTで右浅大腿動脈近位部から膝下動脈にかけて閉塞を認め,急性下肢動脈閉塞の診断で当院搬送となる。Fogarty catheterによる血栓除去術を施行したが再開通が得られなかったため,総大腿動脈にシース挿入後,9 Fr OPTIMO occlusion catheterによる血栓吸引術を施行し,再開通が得られた。急性下肢動脈閉塞に対するOPTIMO occlusion catheterによる血栓吸引術は有効な手段と考える。