稀とされている上行大動脈内血栓を疑う1例を経験した。悪性腫瘍の精査で偶発的に発見され,可動性を有した比較的大きい血栓であった。塞栓症のリスクが高いと判断し早期に血栓摘出術および人工血管置換術を予定していたが,術中の経大動脈エコーで血栓が消失していたためそのまま閉胸とした。すぐに造影CT検査を施行したが,上行大動脈に血栓は認めず,明らかな塞栓症も認めなかった。塞栓症状もなく,保存的に再発なく経過した。
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