Thoracic endovascular aortic repair(TEVAR)はシースサイズが大きいことからカットダウン法による外科的アプローチが多く行われている。しかしデバイスのlow profile化により,Preclosure ProGlideを用いたPercutaneous TEVAR(P-TEVAR)も行われるようになってきた。P-TEVARのメリットはカットダウン法による創部感染やリンパ漏,総大腿動脈(CFA: common femoral artery)縫合部狭窄が生じないことである。現在はCFAまでの距離,シースサイズを考慮して症例を限定しているが,将来的にP-TEVARを標準化するためにも更なる症例の蓄積が必要である。
ウシ心膜パッチであるXenoSureを使用した大腿動脈血栓内膜摘除術(TEA)において,早期安全性,有用性を検討した。対象は6例7肢で,5例を全身麻酔下,1例を局所麻酔下に実施した。同時に血管内治療を行った症例は3例4肢で,全例で虚血症状の改善を認めた。合併症はリンパ漏1例,表在の創感染を1例認めたが,いずれも保存的に治癒した。XenoSureによるTEAは自家静脈温存,手術の簡便化,確実な狭窄解除が可能で有用な手技と考えられた。