新型コロナウイルス感染症(COVID-19)軽症(NIH分類)の26歳男性。左下肢虚血を認め,大動脈,両側腸骨・膝窩動脈に血栓を認め急性下肢動脈血栓塞栓症の診断。血栓摘除術を3回,下腿減張切開を施行したが,再閉塞繰り返し運動障害,足趾壊死を来した。両側膝窩・下腿動脈に経皮的血管形成術を追加し足趾切断を免れた。今回われわれは,動脈硬化や先天性凝固異常などを有していない若年患者であっても,COVID-19によって動脈血栓症を発症した症例を経験した。文献的検索でも下肢動脈血栓塞栓症は,COVID-19軽症例であっても発症する報告を散見した。