癜風鱗屑内のMalassezia furfur (以下M.furと略す) と人工培地上に発育したPityrosporum属 (P属) を, Glutaraldehyde, KMnO
4, 酢酸ウラニルの3重固定, Methacrylate包埋にて電顕的に比較検討した。核, 液胞, ミトコンドリア等, 両者の微細構造の間には明瞭な差は見出し得ず, いずれも内面に求心性突起のある特徴的な細胞壁を持つ。更にM.fur胞子型の分芽をP属3種, P.orbicnlare (P.orb), P.ovale (P.ov), P.canis (P.can) と比較すると, その基本的様式には差を見ないが, 芽胞の形および分芽基部の太さより, M.furに最も近いものはP.orbであった。以上より, 電顕的にはM.furとP.orbは同一のものではないかと推論した。
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