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石井 紀孝, 熊谷 正彦, 市橋 正光
1988 年 30 巻 2 号 p.
115-116
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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山本 昌充, 段野 貴一郎, 立花 隆夫, 今村 貞夫
1988 年 30 巻 2 号 p.
117-118
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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神経分泌顆粒Neuroendocrine Granules
白井 利彦
1988 年 30 巻 2 号 p.
119-120
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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安原 稔, 長浜 由香
1988 年 30 巻 2 号 p.
121-122
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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須貝 哲郎, 庄司 昭伸
1988 年 30 巻 2 号 p.
123-124
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
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活性化物質の影響について
立石 晴代
1988 年 30 巻 2 号 p.
125-129
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
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Protein kinase C活性化物質である12-0-tetradecanoyl phorbol-13-acetate (TPA) と1-oleoyl-2-acetylglycerol (OAG) のマウスの皮膚に及ぼす効果を
in vivoにて比較して検索した。その結果, 両者共に著明な毛の成長の促進をきたした。よって, pmtein kinase Cが毛の成長の促進に何らかの役割を担っている可能性が示唆された。しかし, 表皮細胞に対する効果では, TPAが表皮に著明な変化をきたしたのに対し, OAGはどんな変化もきたさなかった。この表皮細胞に対するTPAとOAGの効果の相違については文献的考察を加えた。
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後藤 裕子, 奥村 哲, 大谷 道広, 清島 真理子, 森 俊二
1988 年 30 巻 2 号 p.
130-135
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
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フリー
Pilomatricoma 10例, idiopathi calcinosis of the scrotum 1例, dermatomyositisの石灰化1例における病巣部の沈着物質の成分同定を行った。病巣部の結石を取り出し赤外分光光度計を用いて分析を行った。Pilomatricomaでは10症例中5症例はリン酸カルシウムおよび炭酸カルシウムが, 残りの5症例ではリン酸力ルシウムのみ同定され, この2つの群に分類されることが示唆された。Idiopathic calcinosis of the scrotumではリン酸カルシウムのみ, dermatomyositisにおける石灰化ではリン酸力ルシウムと炭酸力ルシウムが同定された。これらの疾患の沈着物質の生成機序および胆石, 尿路結石, 臍石における生成機序, また成分同定についての文献的考察を加えた。
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早川 律子, 松永 佳世子, 鈴木 真理, 細川 かをり, 荻野 泰子, 蜷川 よしみ
1988 年 30 巻 2 号 p.
136-143
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
応用生化学研究所および日本製薬工業株式会社よりセンブリ抽出液-OA (オレアノール酸0.6~1.0mg/
ml, スエルチアマリン3~5mg/
ml含有) を22.5%あるいは11.25%(v/v) 含有する育毛剤の皮膚安全性試験を依頼されたので, 健康成人ボランティアおよび皮膚疾患患者を対象に48時間クローズドパッチテストを施行して検討した。試験は3回にわたって行った。第1回試験時に10%P調合香料NA-1946とNA-1946を配合した試作品にアレルギー反応を呈した例が認められた。このため香料を変更した試作品を作成し第2回の試験を行った結果, アレルギー反応は認められなかった。最終処方製剤による第3回試験の結果では, 各試験製剤の皮膚刺激指数は全て15以下であり, センブリ抽出液-OA配合育毛剤は皮疹のない健康な頭皮に適用する限り, 安全に使用できる製剤であると判定した。
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東 禹彦, 松村 雅示, 岩佐 真人
1988 年 30 巻 2 号 p.
144-149
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
症例は12歳, 女児。顔面の紅斑, 関節痛, 微熱, 白血球減少, 貧血, 全身倦怠感などのために, 最初SLEを疑われたが, 検査でSLEを疑う所見がなく, 入院中に症状の多くは自然に消褪した。外泊を契機として症状が再燃し, 日光疹型薬疹であることが判明した。内服光線照射試験の結果, 日光疹型薬疹の原因薬剤はメキタジン, プロメタジン, メトクロプラミドの3種で, 作用波長は, UVBであることが確定した。また, 固定薬疹はベレルガル
® 中のフェノバルビタールであった。これら薬剤を中止することにより, 全ての症状が消失した。
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熊谷 正彦, 清水 良輔, 玉置 昭治
1988 年 30 巻 2 号 p.
150-155
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
39歳, 男性, 乾癬の既往や家族歴はない。不整脈のため, キニジンの投与を受け, 全身性にジベルばら色粃糠疹に類似した皮疹を生じた。適当な感作期間, 貼布試験および内服試験により, キニジンによるアレルギー性薬疹と診断したが, 経過観察中に, 初診時のジベル様皮疹が, 乾癬に移行し, キニジンを内服していないにもかかわらず4年以上にわたって皮疹は持続している。キニジンにより誘導された乾癬の報告が文献上にも認められ, 乾癬増悪に関与する薬剤およびその機序について文献的考察を加えてまとめた。
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遠藤 薫, 川内 勉, 谷垣 武彦, 吉川 邦彦
1988 年 30 巻 2 号 p.
156-161
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
43歳, 女性。2年前より口腔内に糜爛。本年4月頃, 肛囲に増殖性病巣が出現し, 5月には全身に水疱・膿疱・糜爛が多発した。臨床所見, および生検標本の組織学的・免疫螢光抗体法的所見より増殖性天疱瘡と診断した。この疾患は尋常性天疱瘡の一反応型と考えられ, その増殖性を来たす要因について若干の考察を行った。
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症例報告と本邦報告例の文献的考察
沢辺 元和, 谷井 司, 濱田 稔夫
1988 年 30 巻 2 号 p.
162-168
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
症例: 48歳, 女性。初診の約1カ月前より四肢, 胸背部を中心に, 辺縁に小水疱や小膿疱, 時にびらんや痂皮を伴う, 軽度痛痒感のある環状の紅斑性局面が全身に播種状に出現した。組織学的には, 表皮ではeosinophilic spongiosisと基底層直上の棘融解性水疱および表皮中層に好酸球を含んだ水疱を認め, また真皮上層では好酸球と小リンパ球浸潤を認めた。螢光抗体直接法では表皮細胞間にIgG, IgA, C3の沈着を, 表皮真皮境界部にIgA, C3の沈着を認めた。その他の検査成績では, 末梢血で好酸球の軽度上昇を認める以外には特に異常なく, 抗核抗体, 血清補体価, IgEも正常範囲内であった。以上よりherpetiform pemphigus (疱疹状天疱瘡) と診断した。prednisolone60mg/日にて治療を行い, 皮疹の寛解が得られた。併せて本邦にて組織学的, 免疫学的両所見が共に示されているherpetiform pemphigusの40例を集計し, 文献的考察を加えた。
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長浜 由香, 平山 公三, 清金 公裕, 川崎 利博, 浜田 勝生, 福本 吉人, 高松 順太
1988 年 30 巻 2 号 p.
169-178
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
27歳, 男子の先天性表皮水疱症の1例を報告した。本症例は, 臨床所見および光顕ならびに電顕所見より, Hallopeau-Siemens型の劣性栄養障害型表皮水疱症と診断した。合併症として尿管狭窄, 水腎症さらに原発性甲状腺機能低下症および第二次性徴障害を伴っていた。本症の本邦報告例に基づいて, その合併症を中心に若干の文献的考察を行った。
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気管軟化症を合併した症例
中村 麻紀, 堀川 達弥
1988 年 30 巻 2 号 p.
179-184
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
3カ月, 男児の右上背部にみられた孤立性色素性蕁麻疹の1例を報告した。病変部の擦過によりDarier徴候を認め, その後全身の潮紅発作の出現をみた。組織学的には, 真皮上層から下層にかけて稠密な肥満細胞の浸潤を認めるUnna型であった。本邦の孤立性色素性蕁麻疹の報告例は76例で, そのうち潮紅発作を認めたものは11例であった。本症例では, 気道狭窄を呈する気管軟化症を合併しており, 潮紅発作の後にチアノーゼを来たした既往があったが, 他にチアノーゼを来たしたという報告例はみられなかった。
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茶之木 美也子, 中川 浩一, 古川 雅祥, 小坂 啓子, 濱田 稔夫
1988 年 30 巻 2 号 p.
185-189
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
症例1: 54歳, 男性。全身に赤褐色から暗赤色の斑が播種性に存在していた。症例2: 24歳, 女性。胸腹部と上下肢に紅色の斑と丘疹が散在していた。症例3: 62歳, 男性。全身に暗赤色から茶褐色の斑と丘疹が播種性に存在していた。3例ともDarier's signが陽性で, 皮膚以外には所見はみられなかった。皮疹部の生検では, 真皮上層に紡錘形の核を持つ肥満細胞が浸潤しており, 細胞質にはトルイジンブルー, Giemsa染色で異染性を示す顆粒が存在した。また, 基底層にはメラニン顆粒の増加がみられた。3例とも成人発症で, 組織中に肥満細胞浸潤が少ないRóna型と診断した。
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坂井 靖夫, 松本 維明, 前田 求, 喜多野 征夫, 吉川 邦彦
1988 年 30 巻 2 号 p.
190-194
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
3歳, 女児。生下時より頭部に大きさ7.5×4.3cmの黒色斑が認められた。生後17日目に当科受診し, nevus cell nevasとの診断をうけた。以後約3年放置される間, 皮疹は徐々に増大, 膨隆および色調の変化を伴ってきた。昭和61年9月, 全身麻酔下に腫瘤を全摘した。切除後の組織学的検査により, intradermal typeのnevus cell nevusを合併したcellular blue nevusと診断した。
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高 淑子, 桜井 真也, 村松 勉
1988 年 30 巻 2 号 p.
195-197
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
36歳, 女性の乳房部に生じたHidroacanthoma Simplexの1例を報告した。組織学的には, 表皮内に多数の腫瘍細胞巣がみられeccrine poromaに相当したが, 一部の腫瘍細胞巣では, 細胞の異型性が認められ, eccrine poroepitheliomaのレベルの分化度をもつと考えられた。Hidmacanthoma Simplexの悪性化について, 若干の文献的考察を加えて報告した。
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平山 公三, 三村 容子, 田中 功, 清金 公裕
1988 年 30 巻 2 号 p.
198-202
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
52歳, 男性の右鼻翼に接して生じた単発性毛包上皮腫の1例を報告した。臨床像は半球状に隆起した表面平滑な腫瘤。病理組織像は真皮内に存在するレース模様状に増殖した基底細胞様細胞よりなる充実性胞巣, 多数の角質嚢腫および有棘細胞よりなる毛包腺腫様角質嚢腫, さらにそれらを取り囲む豊富な間質, 巨細胞を伴なう異物肉芽腫反応などの定型像の他, 毛包・脂腺への明らかな分化を示す像が認められた。
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鈴木 薫, 清 佳浩, 武田 行正, 石崎 宏
1988 年 30 巻 2 号 p.
203-206
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
右下腹部の4×3.5cmの面内に, 浸潤性紅斑局面と結節よりなるBowen病の72歳女例を報告した。組織学的には結節部で典型的なBowen病の所見が, 浸潤性紅斑局面のー部で大型で明るいPaget細胞に似た細胞 (pagetoid細胞) がみられた。この明るいpagetoid細胞はPAS染色陰性で, 電顕的には典型的なBowen病にみられる腫瘍細胞に比べて細胞内小器官はより多く, トノフィラメントは少なかったが, Paget細胞とは明らかに異なる表皮細胞由来の特徴を示した。
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光顕的・電顕的観察
國行 秀一, 加藤 晴久, 古川 雅祥, 中川 浩一, 辻 卓夫, 濱田 稔夫
1988 年 30 巻 2 号 p.
207-213
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
症例: 88歳, 女性。左耳介部に腫瘤が出現し, 左頸部リンパ節に転移を認めた。摘出術を施行するも再発を繰り返し, 初診の約半年後に心不全のため死亡した。病理組織学的には腫瘍は泡沫状の細胞質をもつ細胞と, 好塩基性の細胞質をもつ未分化細胞から構成され, 前者はSudan III染色で陽性を示した。これらの臨床的および病理組織学的所見より本症を脂腺癌と診断した。電顕的観察において泡沫状細胞は脂質滴及び豊富なグリコーゲン顆粒を有していたが, 未分化細胞の細胞質内にはこれらは認められず, 粗面小胞体及び遊離リボゾームが豊富に認められた。
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原田 稔, 竹内 三津男, 永田 雅史, 渡辺 昭, 黒澤 淳, 城山 博邦, 浅沼 富士夫, 糸賀 鋭治, 高木 好夫, 坂田 晴美, 江 ...
1988 年 30 巻 2 号 p.
214-220
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
メタアクリル酸・アクリル酸エチル共重合体を主体とする被膜形成皮膚保護剤S-7990のヒト適用時の安全性を推察するため, 動物を用いて, 急性毒性, 皮膚局所刺激, 皮膚感作試験を行なった。
S-7990の経口投与時のLD
50はマウスで約9, 000mg/kg, ラットで約10, 000mg/kg以上であった。
マウス耳殻およびウサギ脱毛皮膚による皮膚刺激試験において, S-7990の刺激作用は軽度と判定されたが, ウサギ眼粘膜刺激試験では, 組成中のイソプロパノールによると思われる中等度の刺激作用が認められた。モルモットを用いたMaximization testならびに光毒性, 光アレルギー試験の結果, S-7990に対する特異的過敏症はすべて陰性で, S-7990を塗布した場合, 抗原性は認められなかった。
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早川 律子
1988 年 30 巻 2 号 p.
221-225
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
主婦の手湿疹, 美容師の手の皮膚炎をはじめ, 切削油や防錆剤, エポキシレジン, 農薬, 野菜などによる職業性皮膚炎の発症防止や再発予防のためには, 原因となる刺激物質やアレルゲンから皮膚を防御する必要がある。この度塩野義製薬株式会社において試作された70%イソプロパノールを基剤とし, エチルセルロースとメタアクリル酸・アクリル酸エチル共重合体を配合した皮膚保護剤S-7990の皮膚安全性について検討した結果, 健康な皮膚に使用する限り安全な製剤であると判定した。
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東 禹彦
1988 年 30 巻 2 号 p.
226-232
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
S-7990およびS-7990Eはアクリル系高分子の含水アルコール溶液で, 手指に塗布後1-2分で皮膚面に薄い被膜を形成し, 皮膚を保護する製剤である。その皮膚保護効果を, コルチコステロイドの皮膚血管収縮効果を利用し検討した。コルチコステロイド単独塗布群と皮膚保護剤を前塗布し, その後コルチコステロイド剤を塗布した群とで, 皮膚に生じる蒼白斑の程度の検討をした。皮膚保護剤の前塗布すると蒼白斑の平均評点は70%以上減少し, 蒼白斑の生じない被験者も10%以上増加した。S-7990およびS-7990Eはコルチコステロイドの吸収をかなり阻害することから, バリヤー効果のあることが明らかとなった。バリヤー効果をみるのに皮膚血管収縮試験を応用するのは有用な方法と考えた。
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早川 律子, 竹内 康浩
1988 年 30 巻 2 号 p.
233-237
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
手に皮膚炎症状を有する金属工場従事者17名を対象に酢酸デキサメサゾン0.025%含有軟膏 (A) とその基剤 (A'), 70%イソプロパノールを基剤とし, メタアクリル酸・アクリル酸エチル共重合体 (SS-1008) とメチルセルロースを配合した速乾性皮膚保護剤 (S-7990: B) 併用による機械油皮膚炎の治療と予防効果の観察を行った結果A+B療法の有用性が証明された。さらに金属工場の新入社員32名を対象にS-7990の機械油皮膚炎予防効果をカネクタンと比較して観察した結果カネクタン群に比して皮疹発現の抑制効果が観察され, S-7990の機械油皮膚炎予防効果が推測された。
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早川 律子, 松永 佳世子, 竹内 康浩, 柴田 英治
1988 年 30 巻 2 号 p.
238-242
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
酢酸デキサメタゾン0.025%含有軟膏 (SD軟膏) とメタアクリル酸・アクリル酸エチル共重合体とセルロースより成る皮膚保護剤 (S-7990) によるしそ皮膚炎の治療と予防を試みた。対象は接触皮膚炎症状を有するしそ栽培作業者24名, SD軟膏を皮膚炎症状のある部位に塗布後S-7990を両手全体に塗り, 完全に被膜を形成した後に作業に従事させた。実験開始前, 開始後22日, 50日に皮疹の範囲と重症度について観察した。全ての観察日に観察出来たのは対象24例中10例であった。全観察データーのある10例について結果を解析した。皮疹は使用薬剤および保護剤の累積投与量の増加に伴い有意に改善し悪化傾向を示さず両薬剤併用による治療と予防対策は有用であった。
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早川 律子, 広瀬 統, 松永 佳世子
1988 年 30 巻 2 号 p.
243-246
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
理・美容師の手皮膚炎は主に職業的に接する染毛剤, パーマネントウエーブ用剤, 洗髪・整髪製品の刺激あるいはアレルギー反応が原因となって発症する。また原因物質を確定出来ても職業上接触を断つことが難しい。
今回我々はステロイド軟膏と皮膚保護剤 (S-7990) を用いてPPD, rose oil, geranium oil, benzyl alcohol, Lay greenにアレルギー反応を呈し, シャンプー, リンス, 整髪製品に陽性反応を呈した47歳男性理容師の手皮膚炎の治療と予防を試みた。S-7990は70%イソプロパノールを基剤としメタアクリル酸・アクリル酸エチル共重合体とエチルセルロースを配合した速乾性皮膚保護剤である。治療開始時には指の伸展出来ない程, 両手の腫脹が著しく, 紅斑, 落屑, 亀裂を認めたためステロイド軟膏と亜鉛華軟膏の重層療法を行った。紅斑と落屑のみとなった時点でステロイド軟膏とS-7990の併用療法に切り換え仕事を再開したが, 湿疹症状の再燃を防止出来, 理容師を続けることが出来た。
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須貝 哲郎
1988 年 30 巻 2 号 p.
247-251
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
メタアクリル酸・アクリル酸エチル共重合体を主体とする被膜形成皮膚保護剤S-7990の手部皮膚炎および手指慢性爪囲炎に対する臨床的有用性を25例において検討し, 15例 (60.0%) に有効で, 副作用は3例にみられ, うち2例は中止脱落, 1例は1週中止後に再開し, 副作用をみずに効果をあげえた。有用率は13/25 (52.0%) であった。
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伊藤 正俊, 木下 美和子
1988 年 30 巻 2 号 p.
252-255
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
乾皮症10例, 尋常性魚鱗癬2例, アトピー性皮膚炎2例, 及び進行性指掌角皮症9例の計23例に尿素10%含有クリーム (フェルゼア
®) を用い臨床効果を検討した。その結果, 極めて有用5例, かなり有用13例, やや有用5例の成績が得られた。疾患別では尋常性魚鱗癬, 及びアトピー性皮膚炎で著しい効果を認めた。しかし, 乾皮症, 進行性指掌角皮症の一部の症例では皮疹の改善があまり著明でない症例を認めた。全例で副作用は認められなかった。
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安田 勝
1988 年 30 巻 2 号 p.
256-261
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
フェルゼァ
® (10%尿素クリーム, 株式会社資生堂製) を進行性指掌角皮症9例, 老人性乾皮症5例, 尋常性魚鱗癬2例, 亀裂性湿疹1例, 落屑性湿疹1例の計18例に使用し, 極めて有用13例, かなり有用1例, やや有用2例, 無用2例という結果を得た。老人性乾皮症では, 全例が「極めて有用」であった。副作用は全例に認められなかった。本剤は有効性, 安全性および優れた使用性を有し, 皮膚の水分保持能の低下にもとづく各種の皮膚角化異常症に対して有意義な薬剤と考えられる。
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二重盲検法によるGentamicin軟膏との薬効比較
SG軟膏研究班
1988 年 30 巻 2 号 p.
262-280
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
浅在性の皮膚感染症 (浅在性の毛のう炎, 伝染性膿痂疹・膿痂疹性湿疹, 浅在性の二次感染) を対象に0.1%硫酸シソマイシン軟膏 (SISO) の臨床効果, 安全性及び有用性を評価するために市販の0.1%ゲンタシン軟膏 (GM) を対照薬として二重盲検試験を実施した。
集積された総症例数は157例 (SISO78例, GM79例) であり, このうち安全性評価例は151例 (SISO75例, GM76例), 有効性評価例は136例 (SISO64例, GM72例) であった。
主治医判定による総合臨床効果及び有用性において両薬剤間で有意の差は認められなかった。
また, 副作用については全治療期間を通じてGM使用群の1例に塗布時の刺激感が認められた。
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土居 敏明, 吉川 邦彦
1988 年 30 巻 2 号 p.
281-284
発行日: 1988年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
大阪大学附属病院皮膚科を受診した難治性蕁麻疹患者5例に対し, トラニラストを投与し, その効果を検討した。その結果, 5例中4例に瘋痒, 紅斑, 丘疹などの症状の改善効果がみられ, 難治性蕁麻疹への有用性が示唆された。
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