我々は感染病巣及び非感染病巣由来コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 (CNS) の種類と数, 検出部位等の関係を検討した。その結果, 18人の感染病巣から
S. epidermidis9株と他のCNS9株が, 20人の非感染病巣からは
S. epidermidis15株と他のCNS5株が各々検出された。感染病巣由来
S. epidermidisは背部, 腕, 腹部及び下肢, 他のCNSも同様部位から検出された。多くの感染病巣由来CNSは密度分布の高い部位より検出された。両病巣由来
S. epidermidisや他のCNSはペニシリン系に低感受性を示した。これは細胞外β-ラクタマーゼの影響によるものと思われた。感染病巣由来CNSは非感染病巣由来CNSより各抗菌剤に対する感受性が概して低く, かつCNS間で感受性の差異がみられた。感染病巣由来CNSは感染源としての可能性が示唆された。
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