円板状エリテマトーデス様皮疹 (以下円板状皮疹と表記) で発症し, 強い倦怠感と頻回の下痢を併発した43歳, 女性例を報告した。SLEの診断基準は満たさないが, プレドニン増減に症状が反応すること, 便培養では常在菌のみで, 注腸検査に異常がないことから, 血管炎に基づく腸管浮腫による症状であると考えた。ステロイドパルス療法が著効した。経過中, シェーグレン症候群の症状も呈したが, 診断基準では疑い例であった。
今後SLE, シェーグレン症候群の発症や, 症化に伴う腸管壊死, 穿孔, あるいは蛋白漏出性腸症の併発に注意を要すると考えた。
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