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津上 久弥
1985 年 27 巻 4 号 p.
649-650
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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東 禹彦
1985 年 27 巻 4 号 p.
651-652
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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上田 清隆, 浦川 晋也, 前田 求, 畑 清一郎
1985 年 27 巻 4 号 p.
653-654
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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白井 利彦, 村松 勉
1985 年 27 巻 4 号 p.
655-656
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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本間 真
1985 年 27 巻 4 号 p.
657-658
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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本間 真
1985 年 27 巻 4 号 p.
659-660
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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地土井 嚢璽, 出来尾 哲, 東儀 君子, 川崎 洋司, 山田 義貴, 高垣 謙二, 佐々木 学, 大畑 力, 山崎 玲子
1985 年 27 巻 4 号 p.
661-666
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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最近5年間の当科外来患者を対象として, 手接触皮膚炎, 手湿疹, 進行性指掌角皮症例について統計的に観察した。
その結果, 患者総数の7.9%を占めた接触皮膚炎の中, 手にみられたのは約1/3であった。また, 手湿疹は1.7%, 進行性指掌角皮症は1.2%であった。
いずれも年令的には20才代に多く, 性別では女性に多くみられた。アレルギー家族歴は手接触皮膚炎33.8%, 手湿疹41.9%, 進行性指掌角皮症38.9%と対照として調べた白癬例の20.9%に比し約2倍と多かった。
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早川 律子, 松永 佳世子
1985 年 27 巻 4 号 p.
667-681
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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消炎鎮痛作用を有するケトプロフェンを基剤1g中に30mg含有するクリーム製剤TH-188の皮膚安全性について検討した。健康人30名を対象としたopen patch test, 20分, 24時間closed patch testおよびphoto patch testではTH-188クリームは既に市販されている同様の作用を有するインドメタシン軟膏, モビラート軟膏にくらべて皮膚刺激反応を示した例が少なかった。また光過敏反応は認められなかった。皮膚疾患患者におけるopen patch test, 20分, 24時間closed patch test, photo patch testにおいてTH-188クリーム及びTH-188クリーム基剤の陽性率はインドメタシン軟膏, モビラート軟膏の陽性率より低かった。以上の結果よりTH-188クリーム及びTH-188クリームの基剤は既販のインドメタシン軟膏, モビラート軟膏より皮膚に対する刺激反応が低く安全性にすぐれた製剤と判定した。
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山田 政春, 須貝 哲郎, 渡辺 加代子, 麻生 五月
1985 年 27 巻 4 号 p.
682-691
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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フリー
全身に発疹がありリンパ節腫脹のある患者5例について, リンパ節内メラニン顆粒の分布を調べた。症例は紅皮症2例, 薬疹2例およびアトピー性皮膚炎に伴う汎発性痒疹1例である。リンパ節はdermatopathic lymphadenopathyと考えられるがその構造から遅延型反応を生じている可能性があり, メラニン貪食細胞がparacortexの結節状の部分でT-cellと考えられる細胞の増殖する部分をとり囲むようにして分布していた。メラニン顆粒のリンパ節内での抗原性の有無は不明であるが, T-cellとマクロファージの相互関係を示唆しているのかもしれないと考えた。
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細井 洋子, 岡田 正博, 濱田 稔夫
1985 年 27 巻 4 号 p.
692-696
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
42歳, 女性。合板会社で研磨作業に従事して2週後より, 顔面, 頸部, 前腕に蚤痒を伴う多型紅斑様皮疹を生じ, 漸次, 躯幹, 下肢にも拡大し, 水疱形成も認められた。コルチコイド内服にて皮疹消退後, 標準アレルゲンの職業シリーズおよび接触した木材によるパッチテストを施行し, パープルローズのみに強陽性を示した。パープルローズはボリビアより輸入され, ローズウッドの代用品として使用されており, Machaerium属木材と考えられた。従って, この症例は, パープルローズによるアレルギー性接触皮膚炎と診断され, 感作源はR-3, 4-dimethoxydarbergioneとそのquinolと推測された。
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東野 清彦, 小竹 喜美子, 安武 弘子, 遠藤 秀彦, 相模 成一郎
1985 年 27 巻 4 号 p.
697-701
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
躯幹, 四肢の骨直上部に淡褐色から黒褐色の色素沈着を生じた症例, 男子3例, 女子7例, 計10例を経験した。全例が鎖骨部に, 他は前頭部, 胸部, 背部, 肘, 腰部に発疹を認め, 自覚症状はほとんどない。全例に健康タオルの使用歴があった。著者らはナイロン製健康タオルの電顕写真像を撮り, 1本1本のナイロン線維も摩擦によりケバ立ちが著明となり, 安易に皮膚に小外傷を与えるほど機械的刺激作用の強いことを明らかにし, 健康タオルの使用も本症発症の1つの大きな要因となりうると推察した。
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葭矢 信弘, 庄司 昭伸, 北島 淳一, 格谷 敦子, 濱田 稔夫
1985 年 27 巻 4 号 p.
702-708
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
48歳, 61歳, 47歳の男性および38歳の女性の4例のペラグラについて報告した。いずれも極端な偏食家で, うち2例がアルコール中毒患者である。顔面, 頸部, 四肢の露出部等にペラグラ疹が出現した。Dermatitis, diarrheaおよびdementiaの3D症状すべてを備えたもの2例, 残る2例のうち1例は消化器症状のみ伴い, 1例は皮膚病変のみみられた。血液ニコチン酸はすべて低下又は正常下限を示した。男性の3例はスラム街の住民であり, 現在でも特殊な社会環境下では散発的にみられる疾患ではないかと思われる。各症例の特徴を比較し, ペラグラの最近の傾向について文献的に考察を加えた。
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小嶋 益子, 船井 龍彦, 堀古 民生, 中村 義朗, 青木 敏之
1985 年 27 巻 4 号 p.
709-714
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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フリー
53才, 女性, 主婦。全身性エリテマトーデスに溶血性貧血, 血小板減少, 膵炎, 脱毛, discoid型皮疹, 慢性肝炎, 腎炎, 眼底の綿花様白斑と表在性出血, 日光過敏症を伴い, LE細胞陽性, 抗核抗体陽性, 血清γ-グロブリン上昇, 血沈亢進, 低補体価, 直接及び間接クームステスト陽性を示した。右手背部に難治性活動性discoid型皮疹がみられ, 組織学的には扁平苔癬を示した。これを切除し, 植皮することによって, 皮疹を完治せしめ, ステロイド投与量を減じ得た。
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羽田 妙子, 松浦 徹, 森田 秀樹, 善本 知広, 岩橋 徳明
1985 年 27 巻 4 号 p.
715-719
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
78才女性。口腔内乾燥症状, 乾燥性角膜炎, 関節炎様症状があり, 顔面に浮腫性環状紅斑を呈した症例を経験した。本症例の検査所見では, 抗核抗体陽性, 抗SS-A抗体, 抗SS-B抗体共に陽性, 補体価軽度低値を示した。皮膚病理組織のモノクロナール抗体による検索ではOKT3陽性細胞のエックリン汗腺周囲への浸潤が認められた。内科的所見では, 種々の腺分泌低下や心では一過性の虚血性変化が存在した。また, 他の膠原病とのOverlapについて考察した。
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東 禹彦, 松村 雅示, 二宮 聖耳, 山田 早苗
1985 年 27 巻 4 号 p.
720-724
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
8カ月で初発し, 4歳になってようやく軽快したinfantile acropustulosisの男児例を報告した。初診時, 足蹠に環状に配列する小膿疱を認め, 一見足白癬を思わせたが, その後手足に小膿疱, 頭部に小水疱, 紅色丘疹を生じるようになった。頭部に皮疹を初発したときにも, 皮疹は環状配列を示した。DDS 2mg/kg/日投与により症状は消槌したが, 中止により再燃した。2歳ごろから合併したアトピー性皮膚炎の皮疹にはコルチコステロイドの外用が有効であったが, infantile acropustulosisの皮疹に対しては無効であった。
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中村 義朗, 青木 敏之
1985 年 27 巻 4 号 p.
725-727
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
特発性陰嚢石灰沈着症の1例を報告した。症例は73才の男性で, 40年前に左陰嚢部に自覚症状のない小結節に気付いた。次第に数と大きさを増し, 掻みを伴ってきたので来院した。左陰嚢部に米粒大から小指頭大の半球状の結節が多数認められ, 1つの集塊を形成している。圧痛はなく, 下床との可動性がある。チョーク状の内容物の排出が認められ, 切開すると黄白色球状の光沢をもった腫瘤塊がとれる。臨床検査では異常を認めない。組織学的には真皮内に上皮性被膜を欠き, 直接, 線維性被膜で囲まれた石灰沈着を認めた。
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その異常膠原線維について
辻 卓夫, 濱田 稔夫
1985 年 27 巻 4 号 p.
728-733
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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フリー
2例のEhlerg-Danlos症候群 (EDS) の真皮結合織を電子顕微鏡および画像解析装置を用いて検討した。電顕所見では症例1 (6才男児, EDSV型) において膠原線維の横断面で “serratedcollagen” および “collagen flower” と呼ばれる異常な形をした大型線維が, 正常線維間に混ざってみられた。また症例2 (15才男子, EDSIV型) では細顆粒状-細線維状物質, プロテオグリカンおよび膠原線維が混在して渦巻状塊をなす所見が散見された。しかし両症例とも弾力線維の異常はみられなかった。一方, 画像解析装置にて膠原線維の横断面の面積, 周囲長, 円相当径および形状係数を測定しcontrolとの間に差をみた。
これら2症例にみられた膠原線維の異常所見はともにmatureな膠原線維の形成が障害された結果, 生じたものと推測された。
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角田 孝彦, 小川 俊一
1985 年 27 巻 4 号 p.
734-740
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
最近2年間に19例の成人水痘を経験し, 全例, 水痘・帯状疱疹CF抗体価を測定, 一部の症例ではその他のウイルス抗体価測定や水疱塗抹標本の直接螢光抗体法も試みた。
回復期血清の得られた17例のうち水痘・帯状疱疹CF抗体価の上昇は5例 (回復期CF抗体価4-16倍) しかなく, 残りの12例は上昇がなかった。抗体価の上昇しない例は, 1例を除きすべてFc活性を持つZosterimmune globulin (ZIG) を用いており, この現象はintact typeのZIGのサプレッサーT細胞を介する特異的抗体産生抑制作用により起ると考えた。
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盛 陽一, 清金 公裕, 芳川 た江子
1985 年 27 巻 4 号 p.
741-747
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
61歳, 男子の右大腿上方に生じたisolated epidermolytic acanthomaの1例を報告した。皮疹は直径3mm, 灰褐色の角化性疣贅状丘疹で老人性疣贅に類似していた。組織学的所見は典型的なepidermolytichyperkeratosisの像を呈していた。自験例を含め本邦における報告例15例を集計し, その臨床像, 組織像および発生因子について若干の文献的考察を行った。
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市原 総子, 蔭山 亮市, 前田 求
1985 年 27 巻 4 号 p.
748-752
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
骨髄炎後の瘢痕部に生じた巨大ケラトアカントーマ1例と基底細胞上皮腫1例を報告した。症例1は50才女性の受傷後44年経過した大腿の瘢痕部に?痒感を生じ, 1カ月で手掌大の紅色腫瘤に増大した。組織学的に巨大ケラトアカントーマと診断し, 治療はペプレオマイシン120mgの筋注と瘢痕切除術を行った。症例2は65才女性の受傷後57年経過した下腿の瘢痕部に腫瘤を生じ1カ月で指頭大の黒色腫瘤に増大した。組織学的に基底細胞上皮腫と診断し, 広範囲切除に加えペプレオマイシン100mgを筋注した。
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湯 正明, 夏秋 優, 宮崎 孝夫, 杉本 直, 相模 成一郎
1985 年 27 巻 4 号 p.
753-757
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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フリー
67才女性外陰部における単発性Bowen病及び, 81才女性の躯幹, 四肢における多発性Bowen病がそれぞれリンパ節への転移を示した症例を経験した。本来Bowen病は転移をすることの少ない比較的良性で慢性に経過する腫瘍と考えられているが, 自験例では病理組織検査でリンパ節内にも皮膚の原発病巣と同様の特異な腫瘍細胞の存在を認めたので報告した。なお, リンパ節内の転移腫瘍細胞の示す特異な組織構築についても言及した。
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上田 清隆, 橋本 公二, 山村 弟一, 吉川 邦彦
1985 年 27 巻 4 号 p.
758-762
発行日: 1985年
公開日: 2010/08/24
ジャーナル
フリー
Neurofibromaの悪性化をみたvon Recklinghausen病の1例を報告し, 若干の文献的考察を行なった。症例は64歳, 男性。幼児期よりcaf×-au-lait斑存在。35歳頃より全身に軟性腫瘤が出現し, von Recklinghausen病と診断された。49歳項より, 右肩甲部に腫瘤が出現し徐々に増大。数回の切除, 再発を繰り返した後, 来院。臨床経過及び病理組織学的所見より, neurofibrosarcomaと診断し, 肩甲骨をも含めた拡大腫瘤切除術及び化学療法を施行。neumfibrosarcomaでは比較的稀とされているリンパ節転移が, 右鎖骨上窩に確認された。
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第9回パッチテスト研究班学術大会
1985 年 27 巻 4 号 p.
763
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
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パッチテスト研究班
1985 年 27 巻 4 号 p.
764-769
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
本研究班は1982年からヘアダイのパッチテストを行ってきた. 今回は前年度に続いてのPTDとPPDに加え, 新にPAPとOAPを検討した. OAPについてはパッチテスト用至適濃度を検討するために1.0, 0.5, 0.2%の3種の濃度のものを試料とした. 21施設の皮膚科受診患者408名を対象に貼布した結果, 陽性率はPTD6 .5%, PPD9.1%, PAP3.0%で, 前2者は前回に比べ陽性率の増加がみられた. OAPは濃度順に8.3, 4.3, 0.8%の陽性率で, 1.0%が至適濃度と考えられた.
1983年の黒皮症患者は28例で, 新患者総数の0.07%にあたり, 前年度と同率であったが, R-219の陽性例はなく, 4例がSudan Iに陽性を示した.
1983年の黒皮症患者は28例で, 新患者総数の0.07%にあたり, 前年度と同率であったが, R-219の陽性例はなく, 4例がSudan Iに陽性を示した.
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パッチテスト研究班
1985 年 27 巻 4 号 p.
770-777
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
Cinnamic alcohol (C. Alcohol) およびCinnamic aldehyde (C. Aldehyde) を, 2.0, 1.0および0.5%濃度 (精製ワセリン基剤) で, パッチテスト (22施設, 372例) を行った。C. Alcoholは, 0.5%以上の濃度で5%以上の陽性率を示した。一方, C. Aldehydeは1.0%以下の濃度での陽性率は5%以下であったが, 2.0%濃度では5%をこえ, 1.0%濃度に対し陽性率は統計的有意を示した (P<0.01)。従って, 至適濃度は, C. Alcoholは0.5%未満, C. Aldehydeは2.0%未満, 1.0%以上であろう。
1983年調査で, 黒皮症の2% Benzyl Salicylate陽性率は2%(10.5%) であった。
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藤本 圭一, 橋本 誠一, 小塚 雄民, 田代 実
1985 年 27 巻 4 号 p.
778-780
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
市販propylene glycol monostearate (PGMS) に含まれる不純物によるpigmented contact dermatitis の1例を報告した. 症例は32才の家婦で, 顔面全体に軽度の疾痒性紅斑および黒褐色の色素沈着がびまん性にみられた. 貼布試験で使用していた栄養クリームとその内容成分のPGMSに陽性反応を呈した. しかしこのPGMSには多種類の不純物が含まれていたので, これを精製し貼布した. その結果精製PGMSでは陰性であった. よって陽性反応は市販PGMSの不純物によるものと考えた.
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東 禹彦, 松村 雅示, 永木 公美
1985 年 27 巻 4 号 p.
781-786
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
シマロンゲルおよびフロリードによって生じたアレルギー性接触皮膚炎の1例を報告した。原因物質はシマロンゲル中に含まれるプロピレングリコールおよびクロタミトンの両者であった。 2%プロピレングリコールワセリンおよび2%クロタミトンワセリンが貼布試験試薬として刺激反応がなく, アレルギー反応を検出しうることを報告した。フロリードDについては真の原因物質は決定できなかったが, ミコナゾールそのものの可能性が高いことを述べた。
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福野 誠, 立石 晴代, 羽田 妙子, 相模 成一郎
1985 年 27 巻 4 号 p.
787-792
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
食堂調理に従事する35歳女性のゴム皮膚炎の1例を報告した。ゴム添加剤による貼布試験及び, 患者が使用していたゴム長靴の人工汗による溶剤浸漬貼布試験を施行。その結果, Thiuram系加硫促進剤にて中等度以上の陽性反応を認めた。
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須貝 哲郎
1985 年 27 巻 4 号 p.
793-803
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
ある製剤ないし物質の皮膚安全性を評価するために施行した予知パッチテスト結果を皮膚指激指数で表現する方法はすでに報告したように, きわめて便利であり, かつ実用的である。通常, テストの判定は48時間後と72時間後の2回行われるが, 遅れて反応が増強するか, または同等の反応を持続する場合を残留刺激, 72時間後に反応の軽減する場合を一過性刺激とし, 残留刺激の評点和を評点総和で除した百分率を残留刺激率として表現すると被検製剤ないし物質の残留刺激性を具体的に評価しうる。残留刺激性の強い製剤はみかけがマイルドでも繰返し外用しているうちに, いつとはなく皮膚の乾燥化をきたすので, 注意を要する。当科で検討した各種製剤の皮膚刺激指数および残留刺激率を報告する。
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渡辺 加代子, 須貝 哲郎
1985 年 27 巻 4 号 p.
804-808
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
ヒルドイド中のムコ多糖類が保湿作用を有することより, 皮脂減少性皮膚炎やステロイド酒皷など乾燥性皮膚病変を有する症例581例にヒルドイドを外用させたところ, 10例, 1.7%に接触皮膚炎を生じた. 10例すべてがアレルギー性かどうか不明であるが, パッチテストではヒルドイドそのもので全例陽性であった。ヒルドイドそのもので全例陽性であったヒルドイド基剤には5例中2例陽性反応を認めたが・施行しえた基剤の各成分および主剤のムコ多糖類のパッチテストは全例陰性であり直接の原因化学物質は不明であった。
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川原 進, 小林 泰介, 吉川 邦彦
1985 年 27 巻 4 号 p.
809-811
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
痔疾用剤による接触皮膚炎の1例を報告した。パッチテストの結果, この症例は痔疾用剤の成分であるウィテプゾールS-55, アミノ安息香酸エチル, 塩酸プロカインに陽性であった。ウィテプゾールS-55は坐剤基剤として広く使用されているが, これまで接触皮膚炎の原因としての報告はない。
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赤枝 民世, 小路 久子, 谷口 康彦, 西嶋 摂子, 河村 甚郎, 朝田 康夫
1985 年 27 巻 4 号 p.
812-816
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
53才の女性。両眼瞼部の痊痒性皮疹に数種類のコルチコステロイド外用剤を塗布したところ, 顔面, 躯幹に皮疹の拡大がみられた。パッチテストの結果, ジプロピオン酸ベタメタゾン, リン酸ベタメタゾンナトリウムに陽性を示した。以上から治療中のステロイド外用剤による接触性皮膚炎と判明した。
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田村 悦子, 松崎 ひろみ, 名手 安雄, 浦上 芳達
1985 年 27 巻 4 号 p.
817-822
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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塵肺結核の70歳男子の患者, 本院呼吸器科にて抗結核剤としてリファンピシン (以下RFP) イソニコチン酸ヒドラジット (以下INH), エタンプトール (以下EB), 硫酸ストレプトマイシン (以下SM) ツベレックス (以下TH) 等の投与を行った。投与1カ月後全身掻痒と共に胸部, 腰部, 背部に紅斑を生じ漸次皮疹増悪し紅皮様となった。後日, 原因検索のため投薬された各種の抗結核剤の貼布試験及び掻爬貼布試験を施行した結果, INH以外は全て陰性であった。しかし, INHは貼布試験陰性, 掻爬貼布試験陽性を示した。また, INHの内服試験を行ったところ皮疹の再燃と色素斑の増強を認めたので, 本患者はINHによる紅皮様薬疹と診断した。更に当科最近5年間に入院した薬疹患者の貼布試験及掻爬貼布試験の成績を統計的に検討した結果, 貼布試験の陽性率は7.7%, 掻爬貼布試験の陽性率は26.7%で後者に高率の陽性を認めた。
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永木 公美, 松村 雅示, 東 禹彦
1985 年 27 巻 4 号 p.
823-830
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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フリー
昭和49年から昭和59年までの10年間に経験した理・美容師の手の職業性皮膚炎患者のうち, 貼布試験を行った32例についての成績を報告した。32例中10例は刺激性皮膚炎で, 原因はシャンプー6例, コールドパーマI液3例, 同定不能1例であった。32例中22例はアレルギー性接触皮膚炎で, 原因はヘアダイ15例, 次いでヘアケア製品, コールドI液の順であった。ヘアダイによる接触皮膚炎患者における貼布試験陽性率は, PPD 100%, PTD 45.5%, ONPPD 40%, PAP 25%であった。
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早川 律子, 松永 佳世子, 岡田 富雄, 小嶋 茂雄, 鹿庭 正昭, 中村 晃忠
1985 年 27 巻 4 号 p.
831-835
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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冬期にネル寝間着を着用している2名 (60才と63才) の女性患者の項部から首, 肩, 四肢伸側に痙痒を伴う毛孔一致性の色素沈着を認めた。組織所見は黒皮症の組織変化に一致し, 第2例ではアミロイドを認めた。日用家庭用品, 化粧品及び日常接触する可能性の高いアレルゲンのパッチテストを施行した結果, ネル寝間着に陽性反応を認めた。ネル布のメタノール抽出液では強陽性反応を示したが, 抽出後のネルは陰性であった。ネル布のメタノール抽出成分をパッチテストした結果, ナフトールAS (ネル布染色時のcoupling剤) が原因物質であると判明した。ネル中のナフトールAS量は症例1で4900ug/g, 症例2では8700ug/gであった。モルモット感作試験でナフトールASの感作性を証明した。
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麻生 五月, 須貝 哲郎
1985 年 27 巻 4 号 p.
836-843
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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当科におけるパッチテスト成績はコンピューター登録物質について陽性頻度順に毎年outputしている。1983年9月-1984年8月末日までの1年間で香粧品成分はシナミックアルデヒド12.99%(43/331), ICDRG香料ミックス10.75%(57/530), PPD5.12%(22/430), イランイラン油4.22%(18/427), イソオイゲノール3.28%(4/122) が上位5位をしめるものである。ジャスミンアブソリュートが2.58%(11/427), BSEが1.90%(6/316) と著減したのが注目される。持参化粧品ではマッサージクリーム7.1%(2/28), 口紅4, 3%(16/373), 洗顔クリーム3.6%(3/83), ファンデーション3.4%(21/621) およびクレンジングクリーム3.3%(3/91) が上位5位をしめた。最後に代表症例4例を詳述した。
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西村 誠, 石原 勝, 伊藤 正俊, 細野 久美子, 関東 裕美
1985 年 27 巻 4 号 p.
844-849
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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6年間に5例のベルロック皮膚炎を経験した。原因製品はいずれもフランス製で香水1, オーデコロン2, オードトワレ2例であった。経過を観察しえた3例の場合, 色素斑は約半年後には消退した。製品の光毒反応を患者あるいは毛ルモットで立証した。製品中の光毒物質を高速液体クロマトグラフィーで定量した。
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研究ProjectE-300研究班
1985 年 27 巻 4 号 p.
850-860
発行日: 1985年
公開日: 2010/08/24
ジャーナル
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Hydroxycitronellal (HC) は昭和45年に代表的な香粧品アレルゲンであることが判明し, その後内外の追試でその感作性は知られている。昭和58年より開始された安全な香料を見つける研究 (ProjectE-300, 18施設) により, 以下の事実が判明した。同一濃度, 同一baseでd-HCとl-HCの反応性を検討すると, d-HCの陽性率はl-HCの陽性率よりも圧倒的に高く, 反応強度も強かった。HCは調香上不可欠な香料であるため, これを現在のd, l混合体よりl体にかえることにより, 誘発を大巾に少くしうる可能性が示唆された。
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鈴木 真理, 早川 律子, 松永 佳世子, 請井 智香子, 細川 かをり
1985 年 27 巻 4 号 p.
861-868
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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昭和58年2月から昭和59年1月までに名古屋大学医学部附属病院分院皮膚科を受診した新患患者3,265名中化粧品・医薬部外品による皮膚障害と診断したのは87例 (男性1例, 女性86例) であった。87例中83例が接触皮膚炎, 4例が黒皮症であった。患者数は減少しているが, 化粧品のパッチテスト陽性率はやや上昇しており, 最も高い陽性率を示したのはクリーム・乳液類であった。タール色素ではPANに, 香料ではヒドロキシシトロネラールに, その他の成分ではPPDAに陽性を示す例が多かった。
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細川 かをり, 請井 智香子, 松永 佳世子, 早川 律子
1985 年 27 巻 4 号 p.
869-874
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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昭和58年12月1日から59年10月末日までに名大分院皮膚科を受診した, 組織的色素失調を呈した黒皮症の新患患者は18例であった。患者は20才から73才の男女で, 摩擦が原因と推定される首, 肩, 背部, 腹部, 四肢などの色素沈着症14例, 職業で扱う切削油が原因であった前腕, 手の色素沈着症1例, 化粧品が原因であった顔面の色素沈着症3例であった。今年度の化粧品が原因であった女子顔面黒皮症患者数は, 総新患数の0.09%で過去20年間で最低の値であり, 原因物質はPANであった。
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松永 佳世子, 大岩 久美子, 請井 智香子, 早川 律子
1985 年 27 巻 4 号 p.
875-885
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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昭和55年から昭和58年に名大分院皮膚科を受診した黒皮症患者のうち, 組織学的色素失調を認め発症状況・パッチテストにて原因が推定除去され症状の著明な改善を認めた18例について, 原因物質と炎症症状の有無によって組織所見を検討した。その結果原因物質と組織所見には明らかな関連が認められそれらは3型に分類し得た。I型はアレルギー性苔癬型でSudan I, Naphto I-ASなどが原因物質と推定され, 基底層の広汎な液状変性と基底細胞・基底膜の虫食状変化 (basal mottled degeneration) を特徴とした。II型はアレルギー性非苔癬型でparaben, captanなどが原因, III型は慢性刺激型で灯油, ガソリンなどが原因と推定された。これらの組織所見につき報告した。
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早川 律子, 松永 佳世子
1985 年 27 巻 4 号 p.
886-888
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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VSローションはアムシノニドを0.1%配合したカルボキシビニルポリマー, イソプロピルアルコール, 精製水よりなるローション製剤である。脂漏性湿疹8例, 苔癬化湿疹3例, 尋常性乾癬2例の合計13例を対象に臨床試験を施行した。皮疹の経過は脂漏性湿疹では1週間 (5~10日), 苔癬化湿疹, 尋常性乾癬では3週間 (18~24日) 観察した。脂漏性湿疹ではきわめて有用2例, 有用3例, やや有用2例, 有用と思われない1例であった。副作用 (刺激感) を1例に認めた。苔癬化湿疹では有用2例, やや有用1例であった。1例に皮疹部の異常乾燥を認めた。尋常性乾癬は2例ともに有用であった。13例の総合結果では有用以上は13例中9例 (69%), やや有用以上は12例 (92%) であった。VSローションの有用率はアムシノニド軟膏, アムシノニドクリームの治験報告結果とほぼ同様の結果を示した。
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加藤 泰三
1985 年 27 巻 4 号 p.
889-892
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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29例の皮膚疾患に対してBetamethasone 17, 21-dipmpionate外用剤を一日10g以下単純塗布した。急性炎症・慢性炎症型の疾患とも高い有用率が得られた。全身的な副作用を示した例はなく, 局所的には毛のう炎が1例みられたにすぎなかった。ステロイド内服療法を行った水疱症においてはステロイド減量時に生じる皮疹の新生に対して本剤が有用であった。
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長尾 貞紀, 神山 修, 斎藤 英二, 佐藤 紀夫, 飯島 進
1985 年 27 巻 4 号 p.
893-896
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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46歳, 女。糖尿病に罹患中, 右前腕に生じたクロモミコーシスの1例を, 可塑性の発熱源である“エルヒッチェン”を密着させて治療し, 治癒に到らしめた経験を報告した。
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浦上 芳達, 前田 基彰, 堀江 順子, 大瀬 千年, 外松 茂太郎
1985 年 27 巻 4 号 p.
897-905
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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京都第一赤十字病院, 京都第二赤十字病院, 京都市立病院の3施設において, 慢性蕁麻疹35例およびアトピー性皮膚炎33例に抗アレルギー剤Ketotifenをそれぞれ4週間および8週間投与し, 次の結果を得た。
1) 慢性蕁麻疹およびアトピー性皮膚炎に対するKetotifenの有効率は80%以上であった。
2) 副作用は68例中12例 (17.6%) に発現し, ほとんどが眠気であった。
3) 慢性蕁麻疹およびアトピー性皮膚炎に対して, Ketotifenはそれぞれ2週間目および4週目で, 止痒効果等が見られた。
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森 俊二, 柳原 誠, 北島 康雄, 常田 順子, 古田 博子, 米田 和史, 加藤 文明, 遠藤 信夫, 桑原 まゆみ
1985 年 27 巻 4 号 p.
906-913
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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乾癬に対する透析療法は1976年以来尋常性乾癬のみならず, 膿疱性乾癬に対しても有効例が報告されている。
近年, 慢性腎疾患や肝疾患に対して吸着剤の経口投与によって体内に生じる有害物質を吸着除去することが試みられ, 有効性と安全性が示されている。
今回, 我々は透析療法に代り得るのではないかという期待のもとに, 重症の尋常性乾癬14例, 膿疱性乾癬4例および乾癬性紅皮症1例の計19例に対して経口吸着剤AST-120の長期投与を行った。その結果, 非常に改善1, 改善3, やや改善8, どちらともいえない4, 悪化3例となり, やや改善以上は12例 (63%) となり, 特に膿萢性乾癬に有効性の高いことが注目された。
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早川 律子, 松永 佳世子, 蜷川 よしみ, 伊藤 直子, 美濃羽 希史子
1985 年 27 巻 4 号 p.
914-919
発行日: 1985年
公開日: 2010/06/04
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座瘡の成立にはP. acnesの関与が必要であり, P. acnesの産生するlipaseは皮脂中のTGをFFAに分解し, hyaluronidaseは毛嚢上皮細胞の透過性を亢進させ, さらにP.acnesの産生するchemotactic factorは好中球とmacrophageを引きよせて炎症反応を起こすといわれている. しかし座瘡発現のinitiating factors .は皮表脂質量の増加と毛嚢の閉塞である. 皮脂分泌量は血中のアンドロジェン量と直接的な関係にあり, 毛嚢上皮の角化異常を起こして閉塞させるのもhormonalfactorsが関与しているとされている. 今回我々は月経不順をともない性ホルモンバランスの異常の存在を推測させる, 座瘡患者11例を対象にメサルモン
®-Fを一日3錠, 8週間投与し, 座瘡の皮疹特に面皰の形成抑制効果を確認した. また11例中4例に月経不順の改善が, 1例に月経前増悪が改善された. しかし皮表脂質量の減少は認められなかった.
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