皮膚潰瘍治療薬0.01%KCB-1 (塩基性線維芽細胞成長因子: bFGF含有外用液剤) のヒト皮膚安全性試験を, 健康成人男子志願者20名の左右上腕屈側を対象として, 正常皮膚および角層剥離皮膚パッチテストにより同時に行った。0.01%KCB-1溶液と, 対照としてKCB-1基剤溶液, 生理食塩水, ユーパスタコーワ
® (精製白糖70%及びポビドンヨード3%含有軟膏剤) の計4薬剤を用いて, 48時間判定 (除去1時間後), 72時間判定 (除去24時間後) を実施した.
0.01%KCB-1溶液で+?反応を示した例は正常皮膚に5例, 角層剥離皮膚に2例のみで, 皮膚刺激性, 安全性に問題となるような反応は認められなかった.
また, 正常皮膚では薬剤間の皮膚刺激性に有意差は認められなかったが, 角層剥離皮膚の48時間判定で, ユーパスタコーワ
®は0.01%KCB-1 (基準群) に比して,+?反応が有意に多く発現していた (P=0.0301, Dunnett型).
0.01%KCB-1溶液の皮膚刺激性は生理食塩水と同程度で, ユーパスタコーワ
®より有意に弱いか, または同程度と考えられ, 本剤は皮膚刺激性の低い薬剤と判断された.
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