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須貝 哲郎, 高橋 洋子
1981 年23 巻4 号 p.
357-358
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
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東 禹彦
1981 年23 巻4 号 p.
359-360
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
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本間 真
1981 年23 巻4 号 p.
361-362
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
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大熊 守也
1981 年23 巻4 号 p.
363-364
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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犬胸管リンパ液中には過酸化脂質が含まれ, その中, 遠沈で沈渣の方に多量に含まれる。急速なリンパ本幹閉塞では, 組織に過酸化脂質が貯溜することが考えられ病態生理学的に意味をもつと思われる。
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東 禹彦
1981 年23 巻4 号 p.
365-371
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
市販外用コルチコステロイド剤20種について, 皮膚血管収縮試験による蒼白斑形成能の強弱を検討し, その結果を報告した。また同じコルチコステロイドを含有していても, 基剤が異なれば蒼白斑形成能は全く異なるので, 含有されるコルチコステロイドによって, 外用剤の蒼白斑形成能の強弱や作用時間の長短を判断するのは誤まりであることを指摘した。
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坂田 美緒子, 村野 早苗, 川津 智是, 西田 健樹
1981 年23 巻4 号 p.
372-377
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
昭和30年, 西日本を中心に発生した砒素混入ドライミルク中毒症に罹患し, 小児期より特徴的な点状白斑が発現した, 25歳男性例を報告した。白斑は1-2mm大で, 頭部, 顔面を除く全身に播種し, 下腿では癒合するが, 毛孔周囲には健常皮膚色を残す。剥離表皮DOPA法でDOPA陽性細胞数の減少は明らかでないが, その形状は小型で, 樹枝状突起が少なく, DOPA活性低下が示唆された。また電顕的所見では不活性メラノサイトが多く, 一部変形像もみられた。これらの所見から, 自斑の成因は主としてメラニン合成低下によると推定した。本症例の形態的所見は老人性白斑に類似する点が多く, 加齢に伴う症状の進行が予測される。
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大野 盛秀, 加藤 武久
1981 年23 巻4 号 p.
378-381
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
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1981 年23 巻4 号 p.
382
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
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Hydroxycitronellalの至適濃度
中部パッチテスト研究班
1981 年23 巻4 号 p.
383-389
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
中部パッチテスト研究班は参加施設の協同研究により, 今日まで天然香料であるローズ油, ベルガモット油, 天然ジャスミン, イランイラン油, サンダールウッド油及び合成香料であるbenzyl alcohol, benzyl salicylateのパッチテスト至適濃度の検定を行って来た。今回は比較的繁用されている合成香料であるHydroxycitronellal 10% in petrolatum, 5%, 2%の3種の試料を化粧品皮膚炎患者を対象として, 国際接触皮膚炎研究班 (ICDRG) の基準に従い, パッチテスト並びに光パッチテストを施行して, その至適濃度の検討を行った結果, 5%が至適であると決定した。
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中部パッチテスト研究班
1981 年23 巻4 号 p.
390-395
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
顔面の接触皮膚炎, 化粧品皮膚炎, 肝斑, 女子顔面黒皮症などと診断された患者577人を対象として, 赤色202号・赤色204号・赤色226号の市販品・精製品のパッチテストをおこなった。その結果, 陽性反応を呈する患者は少なく, 不純物がその陽性反応に関与していることを示唆する成績は得られなかった。
参加15施設における黒皮症患者数を集計してみると, 1974年より1978年まで増加傾向にあった黒皮症患者が, 1979年になり減少していることが明らかとなった。しかし, 黒皮症の主要なアレルゲンであるSudan Iに対しパッチテスト陽性を示す患者は, 1979年度においても16人みられ, 今後もタール色素には注意していく必要があると思われる。
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田村 悦子, 浦上 芳達
1981 年23 巻4 号 p.
396-399
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
昭和50年1月から昭和54年12月迄5カ年間に京都第一赤十字病院皮膚科外来を受診した化粧品皮膚炎患者につき, 化粧品のパッチテストを行ない, その年次別の推移を検討し, 下記の成績を得た。
当科を訪れた化粧品皮膚炎患者は昭和52年, 53年と急速に増加し昭和53年をピークに以後減少の傾向をたどり, 5年間の患者数は597名で貼布化粧品は8, 390個であった。
化粧品陽性率は昭和52年度が最高で以後漸次減少し, 基礎化粧品の陽性率はメイクアップ化粧品より高率であった。また48時間陽性化粧品は, その2/3が刺激反応と考えられた。
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請井 智香子, 高瀬 みゆき, 上田 宏
1981 年23 巻4 号 p.
400-404
発行日: 1981年
公開日: 2010/08/24
ジャーナル
フリー
既製の植物パッチテストシリーズ (米国製) を正常者群と手湿疹群に貼布し, 以下の知見を得た。
(1) 全26種のうち4種を除いて, 本邦でも使用可能な濃度である (4種とはDog Fennei, Wm Feverfew, Cockiebur, Cedar/Juniperであり, 前1者は3倍以上の希釈, 後3者は3倍希釈が適当と考える)。
(2) 本邦基準で (±) は所見としてとらない。少くとも (+) 以上を陽性として判定する。
(3) 手湿疹群の方が反応が強く出現し, 非特異的陽性反応と思われた。
(4) 強いアレルギー反応を呈した例は少なく, 両群共にPoison Ivy/Oakに陽性を示す例が多った。
(5) 手湿疹の原因物質決定はできなかったが, 皮疹の発症に植物が関与している可能性は考えられる。
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早川 律子, 小林 美恵, 松永 佳世子, 下条 尚子
1981 年23 巻4 号 p.
405-407
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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日用家庭用品による皮膚障害について, 昨年に続いて集計した。昭和54年12月1日から昭和55年11月30日までの1年間に名大分院皮膚科を受診した接触皮膚炎患者で, その原因物質が日用家庭用品であったのは65例であった。全接触皮膚炎患者は464例で, 総患者16.8%を占めた。日用家庭用品による皮膚障害は接触皮膚炎患者の14.0%であり, 前年度の18.0%よりやや減少した。原因として最も多かったのは衣料品 (21例) で, 次いで家庭用化学製品 (20例), 身の囲り品 (15例) の順であった。衣料品によるものは刺激性皮膚炎が多く, 身の囲り品ではアレルギー性皮膚炎が多くみられた。家庭用化学製品では手の湿疹 (KTPP製以外) が最も多くみられた。これらの患者のうち66.2%は全治し, 後遺症 (色素沈着) が残ったのは2例 (3%) であった。
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麻生 五月, 須貝 哲郎, 山本 幸代, 渡辺 加代子
1981 年23 巻4 号 p.
408-416
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
1979年11月1日から1980年10月末までの1年間に, 当科外来でリール黒皮症と診断された患者は7例で, うち5例にSudan Iの感作が見られ, うち4例はR-219感作を伴っていた。これらはいずれも香料, PPDその他の感作を伴なうもので, 単独感作例はなかった。残り2例中, 1例はカナンガ油に光パッチ陽性, 1例はcloflucarban (Irgasan CF
3) に感作がみられた。なお顔面の色素沈着部3例, 背部のSudan Iパッチテスト陽性部2例を生検し, 組織学的にすべて苔癬型組織反応であることを確認した。Irgasan CF
3による発症例は1980年現在, 市販中の化粧品が原因であった点で注目される。
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早川 律子, 松永 佳世子, 小林 美恵
1981 年23 巻4 号 p.
417-420
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
昭和54年12月1日から昭和55年11月末日までの期間に名古屋大学医学部附属病院分院皮膚科を受診した黒皮症新患患者13例を対象としパッチテスト結果をまとめた。54年までのデーターと比較し (1) 黒皮症新患患者の急激な減少, (2) タール色素陽性例の減少, (3) 香料およびその他のアレルゲン陽性例の増加, が認められた。メイクアップ化粧品の陽性例の割合が減少したのも特徴であった。0.1%PANは13例中5例に陽性を示し, いぜんとして感作率が高いことが判明した。5%ベンチルサリチレート, 10%ヒドロキシシトロネラール, 1%シンナミックアルコール, 5%BMCの陽性例が認められた。2%イルガサンCF
3の陽性例の減少が顕著であった。化粧品に陽性を示さない例が3例認められた。
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須貝 哲郎, 山本 幸代, 渡辺 加代子, 麻生 五月
1981 年23 巻4 号 p.
421-430
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
1974年から1979年にわたる6年間に施行した香料系パッチテストの結果を総括して報告する。対象は化粧品皮膚炎, 顔頸部の炎症後色素沈着症患者1, 325例である。当科常備の香料アレルゲンのうち27種をcomputer FACOM 230-28に登録し, 6年間の蓄積データからその陽性頻度を算出した。登録香料の内訳は天然香料9, 単離香料11, 香料成分ミックス1, 調合香料6である。陽性率の首位はICDRGの香料成分ミックスで06% (6/91), イランイラン油6.1% (51/833), benzyl galicylate6.0% (43/713), 調合香料ミックス義7% (19/336) の順であった。使用量のもっとも多いといわれるchemodermは11位で3.2% (10/314) の陽性率を示した。
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中山 秀夫
1981 年23 巻4 号 p.
431-441
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
10年間にわたって化粧品シリーズを改良しつつ用いて検索した結果, 以下のことが判明したと考える。
(1) 香粧品成分の病原性を知る上で重要な基本データは患者のみならず, controlにおけるpatch test成績である。アレルギー反応を刺戟反応と誤認して不必要に濃度を下げると, アレルゲンを発見しうる機会は失われる。
(2) アレルゲンであるか刺戟原であるかを判定する上において, 重みづけF検定は極めて価値が大きい。
(3) 産業がアレルゲンであることを認識して使用を控えた物質の感作は減少する傾向にあり, このような認識は疾病の予防上意義が大きい。
(4) Y-204は強力なprimary semitizerであるのみならず, SLEにおける明瞭な感作例があり, 使用禁止が妥当と思われる。
(5) Primary sensitizerでない香粧品成分の感作が少なからずみられることは, base成分中にAdjuvantがある可能性を多く示唆しており, 今後化粧品障害の防止のためには, base等のAdjuvant効果を下げることが必要と思われる。
(6) ACSによる抗原除去効果は, 色素沈着型化粧品皮膚炎の原因の究明と患者の治療の上で大きな効果があったので, 香粧品アレルゲンの研究は今後とも重要である。
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早川 律子, 松永 佳世子, 小林 美恵
1981 年23 巻4 号 p.
442-446
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
ヒドロキシシトロネラールを自色ワセリン, ラノリン, 親水軟膏に10%の割合で混ぜ171例の皮膚疾患患者にパッチテストを施行した。171例中10例にヒドロキシシトロネラールを含む全ての資料あるいはいずれかの資料で陽性反応を認めた。10例中1例は全ての資料でICDRG基準の++の反応を示しヒドロキシシトロネラールの感作と考えられた。他の9例では親水軟膏基剤で++2例, +5例, ラノリン基剤で+1例, ワセリン基剤で+1例を認めたが, 全ての資料に共通した反応を認めなかった。さらに50例を対象にシトラール, シトロネラール, シトロネロールのパッチテストを施行し親水軟膏基剤, ワセリン基剤のヒドロキシシトロネラールの反応との関係を検討したが, これらの香料の反応とヒドロキシシトロネラールの反応には相関がなく, ヒドロキシシトロネラールの反応の差は, 基剤に起因するものと推定した。
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斎藤 文雄, 漆畑 修, 村尾 太郎
1981 年23 巻4 号 p.
447-455
発行日: 1981年
公開日: 2010/08/24
ジャーナル
フリー
自昭和34年至昭和55年, 22年間に経験したMercurochrome (M) 接触アレルギー82例 (男子30例, 女子52例) の実態をThimerosal (T) 接触アレルギー46例のそれと比較して臨床的観察を行った。年度別発生頻度は昭和45, 47, 48年にピークがあるが, それ以降はTの発生頻度と比し, 急激な減少傾向は認められなかった。これはMが未だに家庭または医用で使用されていることを示唆する。M接触アレルギーの大多数は非医原性接触アレルギーで, 医原性の占める割合は約16%である。初発年令を考慮に入れると約半数は5才以下の幼少時にMアレルギーを獲得しているが, 最少年令は3カ月である。このような既往歴を有する成人患者21例中3例が他水銀剤 (Tまたはトリンダー試薬) による皮膚炎の再発, 3例は体温計の金属水銀蒸気の吸入により発熱と共に紅斑または浮腫性紅斑より成る汎発疹をそれぞれみた。後者の1例において血中水銀量は2.4μg%と梢々高値を示した。貼布試験はM (2%, 0.2%), T (0.1%), 昇汞 (0.1%MC), 白降汞 (1%WP), 黄降汞 (1%YP), フルオレツセイン (1%F), 皮内テストはM (0.01%, 0.001%, 0.0001%) によって実施された。M過敏者16例の全例がFには全く陰性である。M過敏者56例中YP陽性49例 (87.5%), MC陽性48例 (85.7%), WP陽性42例 (75%), T陽性 (63%) で, YP, MC, WPの陽性率が高いが, 55例 (98%) が何れかの水銀剤に陽性である。M過敏者30例の皮内テストは29/30例 (97%) が陽性である。M接触アレルギーは水銀アルルギーそのものを表現することを証明した。
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GC-MSによる定量
小塚 雄民, 市原 総子, 田代 実, 藤本 圭一, 中村 由美, 橋本 誠一, 中南 元
1981 年23 巻4 号 p.
456-460
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
重水素で標識したSudan I-d
5を合成した. これを内部標準として使用し, Gas chromatograph-Masss pectrometerによるSudan I定量法を開発した. この方法により, 種々の物質の混合物である化粧品からのSudan Iの定量が可能となった.
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佐藤 悦久, 勝村 芳雄, 市川 秀之, 小林 敏明
1981 年23 巻4 号 p.
461-467
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
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鈴木 守, 矢崎 尚, 石井 正子, 平松 功, 伊藤 勝利
1981 年23 巻4 号 p.
468-474
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
化粧品の安全性向上の一環として, 実用上実施可能な有機溶剤洗滌法によるタール系色素の精製を試み, 汎用色素6種 (R-202, R-204, Y-4, R-223, O-201, R-226) の精製品と市販品を皮膚疾患患者102例に貼布し, 皮膚に対する安全性を比較した。貼布試験陽性率ならびに市販品で明らかにアレルギーと思われる陽性反応を示した症例の成績から, Y-4およびO-201を除く4種色種では精製によって陽性率の低下あるいはアレルギーと思われる反応の消失を認めた。
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土屋 秀一, 近藤 三雄, 岡本 暉公彦, 高瀬 吉雄
1981 年23 巻4 号 p.
475-483
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
モルモットを用いて化学物質の接触感作性を評価する方法はDraizeが1959年, FDAの推薦する方法を発表して以来いくつか報告されている。これらの方法は種々の特徴を有する一方で問題点も持っている。これらの問題点を考慮に入れ, 香粧品の原料, 製品の接触感作性を幅広く日常的に評価できる試験法を開発し, その妥当性をも検討したので報告する。すなわち, 接触感作試験法は接触のみによる感作が基本であるとの考えに基づき, 閉鎖条件下で動物に対するストレスを考慮し隔日に適用をくり返し, 反応増強の目的でFreund's complete adjuvant (FCA) のみを別個に皮内投与する方法を採用した。さらに, この方法の感作条件の妥当性を検討した結果, 適用回数は週に隔日で2回の2週間, 計4回行い, FCAは3回目の適用の直前に皮内投与すると十分な検出力を持つ事が明らかとなった。
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UVB照射の意義
堀尾 武, 岡本 祐之
1981 年23 巻4 号 p.
484-486
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
Halogenated salicylanilideの光接触アレルギー感作には, 中波長紫外線 (UVB) 照射は不可欠のものではない。UVB照射の意義は, 一次刺激反応を得るためのものであり, sodiumlauryl sulfate (SLS) 塗布前処置後に, 光感作物質を塗布し, 長波長紫外線 (UVA) を照射するのみで, 光接触アレルギーの動物感作が成立した。従来のUVA・UVB併用照射法と比較して, このSLS前処置法を用いることにより, 感作率の増強, 感作程度の増強, 感作期間の短縮が可能である。
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上田 恵一, 丸尾 充, 佐藤 みち子, 小林 和夫
1981 年23 巻4 号 p.
487-493
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
貼付試験陰性で, 掻皮貼付試験で掻皮した線上とその周囲に明瞭な発赤を示す場合がある。そこでこのような反応を示した3例の発赤斑について電顕的に検索した。表皮では細胞間の浮腫と細胞質内の空胞形成が軽度みられる程度であった。細胞間にみられるランゲルハンス細胞では, 細胞質内の小胞体, 空胞, ゴルジ装置は数多く, Birbeck顆粒も豊富で, セントリオールも認められ, 細胞活性が亢進した像を示した。細胞間にはリンパ球, マクロファージが侵入し, ランゲルハンス細胞と密着する細胞も認められた。この所見はアレルギー性接触皮膚炎でみられる像にー致していた。貼付試験陰性でも掻皮貼付試験が陽性の場合もあり, 掻皮貼付試験は手技が簡便であり, 薬剤などの検索には臨床的に応用しうる方法と考えられた。
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石原 勝, 細野 久美子, 伊藤 正俊, 増谷 衛, 小野田 進
1981 年23 巻4 号 p.
494-495
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
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篠 力, 篠 美知, 高野 秀子, 溝部 佳子, 伊藤 信一
1981 年23 巻4 号 p.
496-505
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
美容上重要な“肌質”について皮膚科医の立場から検討を加えた。Lipid meterで測定した皮表皮脂量は“脂性肌”と“乾性肌”を比較すると明らかに“脂性肌”が多いが, “普通肌”の測定値は“脂性肌”と“乾性肌”にoverlapする。角層含水量は皮表皮脂量の多少と関係がなかった。しかし角層表層の欠損によって皮脂量の減少とともに角層含水量も同時に減少する。角層の厚い指端で測定すると角層水分量は角層表層の剥離欠損の程度に比例する。
正常角層表面には脂質, NMF等が濃縮したと思われる細い帯状の染色異常がみられ, これが水分等のbarrierとなり, 角層水分量の保持に重要な役割をはたしていると思われる。
“乾性肌”は角層表層の角質片が剥離しやすく, 角層を形成する角質片が薄く, NMF等の量も“脂性肌”“普通肌”と比較すると相対的に少なく, 角層含水能力も低いのではないかと想像する。このような角層の素質, または状態に加えて皮表皮脂量も少なく, 必然的に環境に対する抵抗が弱く, 容易に炎症をおこし, 不全角化をともない, 角層表層の剥離現象である落屑性変化を来し, 角層水分量が減少する。
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原 紀正, 山田 健一, 今村 隆志, 原 曜子, 西岡 和恵
1981 年23 巻4 号 p.
506-512
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
ゴムの配合剤2-Mercaptobenzothiazole (MBT) による接触アレルギー及び光接触アレルギーが同時に存在し, さらに1ocalized persitent light reactionを生じている可能性の示唆された1例を報告した。症例は54才, 男性。職業は船長で, 仕事上ゴムカッパ, ゴム手袋及びゴム長靴を着用することが多かったが, この仕事に就いて約23年後に発症した。入院時, 顔面, 頸部, 両側の手足背の日光露出部及びパンツのゴム紐の当る部位に一致して紅斑が認められた。作用波長は350nmで, MB、の吸収波長は326nmであった。
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堀口 裕治, 太藤 重夫
1981 年23 巻4 号 p.
513-517
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
ハンドバッグ皮革による色素沈着性接触性皮膚炎の1例を報告した。組織学的には紅斑部では表皮基底層の液状変性と真皮上層の単核球を主体とする細胞浸潤を, 褐色色素斑部では真皮上層のメラニン顆粒とメラノファージを, また皮革切片貼布試験後の色素沈着部でもわずかなメラニン顆粒の落下を認めた。その他各種の貼布試験より皮革を染めたある種の色素染料によるものと判断した。
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東 萬彦, 政田 佳子
1981 年23 巻4 号 p.
518-521
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
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東 萬彦, 政田 佳子
1981 年23 巻4 号 p.
522-527
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
最近, 1年間に経験した衣料品による接触皮膚炎6例を報告した。衣料品を用いた貼布試験では3例は陽性を示したが, 他の3例は陰性であった。螢光増白剤, ホルマリン, 重クロム酸力リ, MBTなど多くのものを同時に貼布したが, 原因と確定出来る物質は見い出せなかった。衣料品皮膚炎の原因追究には, 今後貼布試験用の試薬の整備が必要であろう。
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庄司 昭伸
1981 年23 巻4 号 p.
528-532
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
パッチテストにおいてスプレー式殺虫剤とヒスタクールコーチゾン
® 軟膏の2種類において強陽性を示し, 顔面, 頸部, 項部にかけて強い浮腫性紅斑を生じた症例を報告した。発症に至るまでの経過, 発症後の経過, 臨床所見, 組織所見, スプレー式殺虫剤 (クリスロンプラス (住友化学)) のパッチテストにより灯油がオープンパッチテストにて陽性を示したことなどから, 灯油による一次刺激性接触皮膚炎と診断した。
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伊藤 まゆみ, 立松 茂登子, 田中 永子, 田中 隆義
1981 年23 巻4 号 p.
533-536
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
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渡辺 加代子, 須貝 哲郎
1981 年23 巻4 号 p.
537-543
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
市販外用薬のなかに含まれていた局所麻酔剤のジブカインが原因となった接触皮膚炎の3例を報告した。外用薬成分のなかでも局所麻酵剤は感作頻度が高く, そのなかでもジブカインは広く本邦の市販外用薬に含有されているので外用薬による接触皮膚炎においてジブカインは重要な接触原であり注意が必要である。
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長野 拓三, 渡辺 加代子, 須貝 哲郎
1981 年23 巻4 号 p.
544-547
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
フリー
手の湿疹様病変を主訴として来院した患者3人に, 生のエビの接触により蕁麻疹反応が生じることを確認した。その3人の内, 2人は生のエビの甲殻に接触することにより蕁麻疹反応が生じたが, 残りの1人は生のエビのすり身に反応を示した。鳥居製アレルゲン・エッキス・エビの皮内テストでは陰性であったが, 生のエビの抽出液による皮内テストでは陽性反応を示し, 1例のみにRAST法で生のエビの甲殻に対するレアギンが存在することを確認した。
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森川 藤凰
1981 年23 巻4 号 p.
548-555
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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The conventional reflection spectrophotometerhas been utilized in studying the difference ofskin color in various pigment disorders.
The quantitative analysis of normal and abnormalpigmentation were conducted by measuringspectoral reflectance in the range of ultra violetand infrared ray as well as the tri-stimulusvalues; hue value choroma of Munsell designation. Some difficulties however, arose in makingdifferential diagnosis of pigment disorders; coloris not visually manifested and distribution patternof pigment could hardly be distinguished throughthe spectrophotometry. Therefore, in order toestablish visual evaluation corresponding to clinicalobservations, photographic techniques usingdifferent wave length of light such as ultraviolet, visible and infrared ray were studied. This photographic techniques enabled to makedifferential evaluation of some pigment disorders, e. g., facial melanosis and bhloasma, etc.
The advantages of this photographic techniquesare practical simplicity and applicability. However, some problems on the interpretation ofphotograph remain to be studied.
Experimental result of skin color of pigmentdisorders obtained by the reflection photometryand the photographies are presented in thispaper.
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東 萬彦
1981 年23 巻4 号 p.
556-561
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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0.025%にフルオシノロンアセトニドを含有するSS-F軟膏を湿疹, 皮膚炎群の疾患30例に使用し, 著効27例, 有効3例の結果を得た。SS-F軟膏は湿疹, 皮膚炎に対する外用剤として, 有効性が高く, 副作用もなく, 一般に広く使用しても安全性の高い優れた治療薬といえよう。
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Betamethasone-17-valerateゲル臨床研究班
1981 年23 巻4 号 p.
562-566
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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ゲル基剤とクリーム基剤のBetamethasone-17-valerate外用剤の効果を75例の湿疹皮膚炎群患者で検討した。その結果, 両基剤において治療効果は同程度であり, 2週間以内に治癒した例は, ゲル基剤は62例中26例 (42%), クリーム基剤は62例中29例 (47%) で両基剤間に差はなく同等であった。
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須貝 哲郎
1981 年23 巻4 号 p.
567-570
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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田辺製薬株式会社提供の新製剤0.05%Fluecinonide含有ローション (トプシム
® ローション) と他の市販ローション製剤3種, すなわち0.12%Betamethasone17-valerate, 0.02%Flumetha 80 nepivarateおよび0.1% Ttiamcinolone acetonideと0.05%Fluocinonide軟膏 (トプシム
® 軟膏) の計5試料について, 8例の乾癬患者皮疹上のパッチテストを二重盲検法に準じて施行し, その改善効果を比較検討した。えられた結果を皮疹評点におきかえ, 試料, 症例および判定日の3元配置分散分析で解析し, 試料項に危険率0.5%で有意差を認めたので, WSD法によって各個検討を行ない, ローションにおける乾癬に対する改善効果はFluocinonide, Betamethasone valerate, Flumetha, sonepivarateおよびTriamcinolone acetonideの順に優れていることが見出された (α=0.01)。またFluocinonideローションは対照薬のFluocinonide軟膏と比較して改善効果に有意差なく, 両者はほぼ同等の効果を有するものと推定された。
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上田 恵一, 外松 茂太郎, 小林 和夫, 小森 泰, 真崎 文荒, 木 久美子
1981 年23 巻4 号 p.
571-580
発行日: 1981年
公開日: 2010/06/04
ジャーナル
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0.05%Fluocin Onide含有ローション (トプシム
®ローション) を, 湿疹・皮膚炎群23例, 尋常性乾癖3例, 掌蹠膿疱症3例, 円形脱毛症5例, 尋常性白斑4例など合計38例に用い湿疹・皮膚炎群, 尋常性乾癬では優れた効果を得た。掌蹠膿疱症では疾患の性質上難治で, 円形脱毛症では極めて優れた効果を示した例もあったが難治例もあり, 尋常性白斑ではやや有効な例もあるが, その効果は不確実であった。
他のコルチコステロイド剤との比較では, ローション基剤の中では最も優れ, 使用感がよく, 全例, コルチコステロイドに基づく副作用は認められなかった。
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