痘痒性皮膚疾患に対する塩酸アゼラスチンの有効性と安全性の検討を2, 955人という多数例で検討した。その結果, 中等度改善以上, 湿疹・皮膚炎群77.5%, 蕁麻疹75.6%, 皮膚痘痒症71.2%, 痒疹64.2%であった。湿疹・皮膚炎群では, 疾患別痘痒消失率を比べると, 急性湿疹, 接触皮膚炎など急性疾患で高く, 慢性湿疹, アトピー性皮膚炎など慢性に経過する疾患で低い傾向がみられた。蕁麻疹においては, 痘痒, 膨疹の消失率は, 各々54.3%, 54.7%であり, 軽快以上でも89.1%, 87.0%と高い改善率を示した。痘痒に対する効果発現時期は, 蕁麻疹で6.2日と最も早く, 痒疹で最も遅く8.6日であった。副作用は, 2, 955人中109人に認められ, その発現頻度は, 3.7%であった。また, その頻度は高齢者で有意に少なかった。
以上から, 本剤は痘痒性皮膚疾患に対して有用性の高い薬剤と考えられた。
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