1) 本研究は, 比較的古い火山灰土壌からなる新開墾畑に土壌改良剤ソイラックを施用し, それに伴って生起する土壌の理化学的性質と雑草植生との関係を究明しようとしたものである。
2) 供試5試験区に発生した草種は, 施用1年後が山野草, 2~6年後が山野草+畑地雑草で, 各年の主要雑草もおおむね同傾向を示し, 試験区間に明らかな植生の相異は認められなかった。
3) ソイラックを10a当たり0, 50, ならび100kg施用した3試験区の雑草個体数および草重は各年とも相異がなかったが, 200および400kg区ではそれらが大幅に増加した。また, 6.6m
2当たり平均の草種数が, 5試験区を通じ, 施用1年次の15~18種から6年次には31~35種に増加したが, 試験区間に一定傾向は認められなかった。
4) 土壌の化学的性質の年次的変化については, 各試験区間にさしたる相異が認められなかったが, 土壌の硬度および原土, 風乾土の粒団百分率 (土壌の集合度) は200および400kg施用区で他区と顕著な相異が認められた。
5) 雑草個体数および生草重増大の現象が生起する境点は, 本研究の場合, 土壌硬度の低下が1.86~2.23kg/cm
2, また0.5mm以上の粒団百分率の増加が原土で3.18~5.54%, 風乾土で2.49~5.75%の間にあるとみられる。
6) ソイラックの有する土粒の粘着効果は, 供試した種類の土壌で耕深28cmの場合, 10a当たり200kg施用で約3ヵ年, 400kg施用で約5ヵ年程度であるようにみられる。
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