脈管学
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52 巻 , May 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
第51 回総会 座長推薦論文
原著
  • 渡邊 亮司, 中西 浩之
    2012 年 52 巻 May 号 p. 229-234
    発行日: 2012/05/10
    公開日: 2012/05/10
    ジャーナル フリー
    USとCTの画像を同期させて施行するReal-time Virtual Sonography(RVS)を用いて,AAAの術前評価を試みた3症例からその有用性を報告する。症例1は72歳男性。最大短径55 mm。手術適応となる。術前RVSで,USとCT間で腎動脈から瘤までの壁性状など同所見であった。症例2は63歳男性。最大短径52 mmで蛇行を認め,手術適応となる。術前RVSでUSとCT間で壁性状や腎動脈下後壁のプラークなど同所見であった。CTで指摘された左総腸骨動脈近位部のプラークはUSにて不明瞭で,エコーレベルの低い不安定プラークの存在が示唆された。症例3は79歳女性。最大短径44 mm。低身長で蛇行少なく,患者の希望もあり,ステントグラフト内挿術の可否について検討した。術前RVSにおけるUSにてランディングの予定部に拍動に伴う可動性に富んだモバイルプラークを認めた。塞栓源となる可能性ありと判断し,ステントグラフト適応外とした。RVSを用いたUS術前評価は極めて有用であると考えられた。
原著
  • 半谷 静雄
    2012 年 52 巻 May 号 p. 235-242
    発行日: 2012/05/10
    公開日: 2012/05/10
    ジャーナル フリー
    【目的】上行大動脈(AO)と主肺動脈内(PA)wave intensity(WI)波形の比較から主肺動脈内波動様式の特性を検討した。【対象】AO,PAに異常のない5例と軽症肺高血圧(PH)1例を対象に,multisensor catheterで同時計測したAOとPA内同一部位の圧(P)と流速(V)の時間微分値の積からWIを算出し,前進波の指標として,(1)駆出初期の正のpeak WI(W1)値,(2)駆出後期の正のpeak WI(W2)値と,(3)W1/W2値を,反射波の指標として(4)駆出中期WI波形の負のpeak negative wave(NW)値と(5)∫NW/∫PW値(1心拍駆出期の負と正のWI波形の面積比)を求めた。【結果】peak W2を除きAOのパラメータがPAよりすべて高値(p<0.005)を示した。対象例のPA内におけるNWの発生例はなく,PH例のPAで著明なNWの発生をみた。【結語】WIの分析から反射波が著明なresistance vesselとしての大動脈に対し,駆出血流が前進波とその慣性でほとんど維持されるcapacitance vesselとしての肺動脈の特性が明確に示された。また,WIはPH等の肺動脈初期病変の鋭敏な分析法となり得る可能性が強く示唆された。
  • 地引 政利, 工藤 敏文, 豊福 崇浩, 井上 芳徳
    2012 年 52 巻 May 号 p. 243-246
    発行日: 2012/05/10
    公開日: 2012/05/10
    ジャーナル フリー
    塩酸サルポグレラートが末梢循環に及ぼす影響を評価した。末梢動脈閉塞症13例を対象とし,非服用時の患肢足背部の経皮酸素分圧(tcPO2)値が50 mmHg未満12肢(A群)と50 mmHg以上(B群)14肢の2群に分類し,内服前後のtcPO2値を評価した。A群の内服前後と初回内服前と2週間後以降の投与前のtcPO2値で有意差を認めた。tcPO2値50 mmHg以下の末梢循環で投与効果が得られた。
  • 数野 圭, 角浜 孝行, 中西 仙太郎, 大谷 則史
    2012 年 52 巻 May 号 p. 247-252
    発行日: 2012/05/10
    公開日: 2012/05/10
    ジャーナル フリー
    【背景】腹部大動脈瘤(AAA)に対するstent graft内挿術(EVAR)は同疾患に対する低侵襲手術として広く行われている。しかしこの手術にはヨード造影剤が必須であり,腎機能障害を合併した症例ではその治療法の選択に躊躇することがある。当科では腎機能障害を合併したAAAに対し,術後腎機能の悪化をきたさないために炭酸ガス造影を併用したEVARを行っている。【対象】2007年5月から2011年5月までに施行したEVAR 115例のうち,術前eGFR 30 ml/min以下の4症例(CD群)に炭酸ガス造影を併用し,30 ml/min以上の症例(IC群)ではヨード造影剤のみで造影しEVARを行った。【結果】CD群は全例男性で平均年齢は74歳(66–83歳),術関連死/合併症発症例は認めなかった。術前平均eGFRはCD群で23.2 ml/minであったのに対しIC群は57.9 ml/minであった。術前,術直後,第1/3/5病日の血中クレアチニン値はCD:IC群で2.3/1.31,2.26/1.10,2.57/1.19,2.59/1.23,2.43/1.22 mg/dlであった。ヨード造影剤使用量の中央値はCD:IC=48.5:182 mlで,明らかにCD群で少量となった。CD群で術後急性期に透析を施行した症例はいなかった。平均在院日数は両群とも10日であった。【結論】腎機能障害を合併したAAAに対し炭酸ガス造影を併用したEVARは,腎機能を悪化させることなく安全に行うことができ,腎機能障害患者にも透析を導入することなく施行できる可能性があると考えられた。
  • 森本 直人, 向原 伸彦, 邉見 宗一郎, 西岡 成知, 福隅 正臣, 村上 博久, 本多 祐, 中桐 啓太郎, 吉田 正人
    2012 年 52 巻 May 号 p. 253-258
    発行日: 2012/05/10
    公開日: 2012/05/10
    ジャーナル フリー
    腹部大動脈瘤破裂126例を対象に治療戦略変更の妥当性を検討した。2008年から閉腹により腹腔内圧が上昇すると予想される症例では,abdominal compartment syndromeの予防目的で積極的にopen abdominal managementを施行した。治療方針変更後,手術死亡は31%から8%へ,腸管虚血・壊死の合併率も24%から4%と著明に改善した。
症例報告
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