農作業と疲労との相関についての研究の一環として, 第1第2報に引続きこれらを基礎として, 本報においては農作業に要する労働量の月別周年推移を知るために調査対象農家の手間就中主要作物のそれの算出法を考按した。実際問題として農家の手間を算出することはきわめて困難な問題であるとされていたのであるが, 著者はこれに対してます標準農家を選出し, これについて精細に檢討を加えてその手聞を算出し, さらにこれから対象農家の各戸の手間を逆算した。その結果主要作物の労働量が実際の数字で表現し得たのは興味に価するところである。本報において取扱つた主要作物についてはその労働量は春期農繁期といわれる5月6月ならびに秋期農繁期の10月11月に著明な上昇があり, 一般に小農閑期といわれる8月に下降をみ, いわゆる大農閑期の1月2月に著しい下降があるごとを知つた。
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