1) 尿中の Dopaggio 反応陽性物質は白陶土, 血炭末, 獣炭末, 滑石末等に依り定量的に吸着される, 本物質の吸着分離には滑石末が最も適している。
2) 滑石末に吸着された陽性物質を溶離するに最適の溶媒はアセトンー蒸溜水等量混合液40cc.に2~数滴の飽和苛性ソーグ水溶液を加えたものでしある。溶離完了後のpHは12を至適とする。
3) 溶離は30℃.では24時間で完了するが, 70℃~89℃.では1時間半で十分である。
4) 溶離で得られた抽出液のアセトンを追い出すと黄褐色の水溶液を得る。之に就いて, いくつかの定性反応を試みたが, Molisch 氏反応, Xanthoprotein 反応, Millon 氏反応は陽性であり, 尿素, 尿酸, アンモニイ, クレアチュン等の反応は陰性であつた。
又此の抽出液の陽性物質に依る氷点降下度は小さく, 尿に由来すう無機成分は殆んど移行していないと考えられる。
5) 尿中の Donaggio 反応陽性物質な本法により定量的に抽出される。
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