豚の新生時から出荷時までの5ステージ(新生時,離乳時,2ケ月齢,4ケ月齢,6ケ月齢)について,赤血球中および血漿中のビタミンE(以下V.E)濃度を測定し,これらV.E濃度の推移,相関性,また血中Se濃度との関連について検討した。赤血球あるいは血漿V.E濃度はほぼ同様に推移し,新生時にはそれぞれ1.70μg/m
l, 2.68μg/m
l離乳時には最高値(2.67μg/m
l, 2.87μg/m
l)となり,4ケ月齢で最低値(1.09μg/m
l, 1.44μg/m
l)となった。離乳時のV.E濃度の増加は,乳汁中に多く含まれるV.Eを母豚から摂取したためと考えられた。新生時から6ケ月齢までの赤血球中V.E濃度と血漿中V.E濃度との間には相関(r=0.734,P<0.01)があった。また,新生時から6ケ月齢までの全血液中V.E濃度とSe濃度との間には負の相関(r=0.605,P<0.01)があった。
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