日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
13 巻, 1 号
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論文
  • 大井 昌弘, 藤原 広行, 河合 伸一
    2013 年 13 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/02/15
    ジャーナル フリー
    本研究では、地震防災に資することを目的として、表層から深部に至る地下構造の地球物理学的情報と地質学的情報を統合的に収集・管理するとともに、利用者が広くデータを利活用できる統合化地下構造データベースを構築した。各機関が保有している地下構造データベースの相互利用やデータ公開を促進するため、データの標準化を行うとともに、ネットワーク経由でデータベースを統合化できる分散管理型システムを開発した。分散管理型システムを用いた「ジオ・ステーション」では、各機関が管理している地下構造データベースと連携しているため、利用者は同じ背景地図上で各機関のデータを閲覧することが可能となった。
  • 高尾 誠, 土山 滋郎, 安中 正, 栗田 哲史
    2013 年 13 巻 1 号 p. 17-36
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/02/15
    ジャーナル フリー
    本論文では、2003年にYoungsらによって提案された確率論的断層変位ハザード解析手法を概説するとともに、これまでに日本国内で発生した地震断層変位データにこの手法を適用した。Youngsらは正断層が活動した際の地震断層のデータにより各種評価式を策定したが、本論文では、日本国内の逆断層および横ずれ断層のデータに基づき評価式を策定した。モデルケースを設定して検討した結果、同手法の適用性に一定の見通しを得ると共に、今後取り組むべき課題を抽出した。
  • 内山 泰生, 翠川 三郎
    2013 年 13 巻 1 号 p. 37-51
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/02/15
    ジャーナル フリー
    日本で発生した中小地震(4.5≦Mw≦6.0)を対象とした最大加速度および最大速度の距離減衰式における地震間のばらつきについて、これを偶然的・認識論的不確定性に分離する方法を検討した。分離には、空間的な共分散構造解析で用いられるセミバリオグラムを指標とした。この方法による偶然的不確定性の標準偏差と震源域と地震のタイプを限定して求められた既往研究による地震間のばらつきの標準偏差とを比較した。この結果、両者は同程度の値となることを示し、セミバリオグラムを指標とした本研究による結果の妥当性を確認した。また、偶然的不確定性の標準偏差は距離減衰式における地震間のばらつきの標準偏差に比べ、最大加速度はその60%程度、最大速度はその80%程度となることを示した。
  • 大堀 道広, チタク セチキン, 中村 武史, 坂上 実, 武村 俊介, 古村 孝志, 竹本 帝人, 岩井 一央, 久保 篤規, 川谷 和夫 ...
    2013 年 13 巻 1 号 p. 52-70
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/02/15
    ジャーナル フリー
    本論文では、高知市街地(東西10.5 km×南北5.5 km)を対象として、周期1秒前後よりも短周期の地震動増幅特性を特徴づける浅層地盤モデルの構築結果を報告する。高知地盤災害情報評価委員会(2011)より公開されたボーリングデータ等の地盤資料を用いて、工学的基盤(S波速度 700 m/s)以浅の地下構造モデルを125 mメッシュの分解能で構築した。構築した地盤モデルより算出した表面波の位相速度は、著者らが実施した微動アレー観測の結果と良く一致すること、地盤モデルに基づく卓越周期の分布特性は、森ほか(2001)による既往の研究で報告されている、高知市街地の南北方向の2測線で行われた微動のH/Vスペクトルの観測値と良く対応すること、以上を確認した。さらに、中央防災会議(2003)の想定南海地震による地震動の計算波形を用いた地震応答解析を行い、工学的基盤に対する震度増分の空間分布が過去の南海地震の震度分布と概ね整合することを確認した。
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