日本外科系連合学会誌
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20 巻, 2 号
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  • 綾部 公懿, 川原 克信, 富田 正雄
    1995 年 20 巻 2 号 p. 105-108
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    肺移植手術は欧米では肺の器質的変化による末期呼吸不全患者に対し, 臨床上有効な治療手段として評価され行われ, その生存率も高く, 成績も安定したものになっている。一方, わが国では脳死臓器移植が行われようとする気運にあるが脳死肺移植の臨床例はない。当施設でも脳死肺移植についてすでに倫理委員会に申請し, 充分なる検討を経て了承されるに至っているが, その臨床を目指して具体的な態勢作りを進めている。 今回の脳死肺移植実施に向けてのシュミレーションというシンポジウムにおいては臨床肺移植を想定して, 1) 肺移植希望患者の申し出から, 移植適応患者の選択 (インフォームド・コンセントを含む), ウェイティング・リスト作成, 2) 脳死疑い患者からの臓器提供者発生に伴う, 家族への説明 (インフォームド・コンセント) と脳死判定, 3) 脳死患者からの臓器摘出, 保存と臓器の搬送, 4) ウェイティング・リストより優先順位を検討しレシピエントの決定, 入院と術前検査, 5) 肺移植手術, 6) 術後管理 (再移植の必要性の検討を含む), 7) 移植患者の外来でのフォローアップ, 8) 脳死肺移植全経過の評価などについて報告する。
  • 尾浦 正二, 櫻井 武雄, 吉村 吾郎, 玉置 剛司, 梅村 定司, 粉川 庸三
    1995 年 20 巻 2 号 p. 109-113
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    (目的) 整容効果判定基準としてNipple retraction score (NRS) を新たに考案し, 従来の整容効果判定基準との相関を検討するとともにいかなる症例において乳頭温存手術単独で良好な整容効果が得られるかをNRSを用いて検討した。 (対象と方法) 対象は当科にて乳房再建を併施せずに乳頭温存手術を行った乳癌100症例。NRSの測定は, 乳頭の側方および頭側変位に関してはPeznerの方法に準じ, 胸壁方向への変位は “はさみ尺” を用いて測定した。また従来の整容効果判定基準としてはHarrisらの基準を用いた。 (結果) 1.従来の整容効果判定基準とNRSはよく相関した。2.肥満度に関してはBroca係数が0未満, 胸囲は少なくとも85cm未満, できれば80cm未満, 胸囲/身長比は0.55未満, 乳房の形状は上下対称形の症例において有意にNRSが低値を示した。 (結語) NRSは整容効果の客観的判定として有用であり, 本研究の結果は乳頭温存手術で得られる整容効果予測の有用な指標となり得る。
  • 石山 暁, 山岡 博之, 嶋田 紘
    1995 年 20 巻 2 号 p. 114-116
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    腫瘍径2cm以下で乳頭腫瘍間距離2cm以下の乳癌症例に対しquadrantectomyとlevel IIまでのリンパ節郭清による乳房温存術を58例に施行した。術後全割病理診で断端に癌細胞が遺残した6例に対し再切除術を施行した再切除標本の病理所見では乳管内病変の残存が最大5mmの範囲で存在した。再切除標本の解析より乳房温存術の適応は乳頭腫瘍間距離は4cm以上の症例とし, 腫瘍辺縁から半径4cmのquadrantectomyを越える円形の乳腺切除範囲を切除し, 広背筋皮弁による再建を施行し変形を最小限にする工夫をしている。
  • 肺微小循環動態を中心に
    斎藤 聡, 八田 光弘, 前田 朋大, 星 浩信, 小柳 仁
    1995 年 20 巻 2 号 p. 117-121
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    高肺血管抵抗, 肺高血圧症例に対する片肺移植手術における高肺血流時の虚血再灌流障害を検討する目的で高肺血流量時の微小循環を中心に実験的に検討し, 顆粒球エラスターゼ阻害剤ウリナスタチンの再灌流障害防止効果も検討した。成犬A群7頭を再灌流時にウリナスタチンを投与し, 8頭をコントロール群とし虚血肺を120分間常温遮断し作成した。再灌流時, 肺動脈血流量を心拍出量の50%, 100%に調節しA群, B群でPaO2, 肺血管抵抗, コンプライアンス, 肺微小循環の血流速度を測定し両群間で比較検討した。再灌流後PaO2 はA群はB群より高PaO2 を示し, 肺血管抵抗はA群はB群より有意に低肺血管抵抗であった。コンプライアンスはA群は B群より有意に高値を示し, 細動脈の血流速度ではA群はB群より有意に微小循環速度は高値であった。結論として高肺血流時の虚血後再灌流障害は肺微小循環の増悪が主因と考えられた。ウリナスタチンは肺微小循環を改善し虚血後再灌流障害の防止に有効であった。
  • 関根 康雄, 山口 豊, 斎藤 幸雄, 武田 恒弘, 吉田 成利, 藤澤 武彦
    1995 年 20 巻 2 号 p. 122-126
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    臨床上, 肺移植後の拒絶反応の診断には臨床症状・胸部X線写真撮影・呼吸機能検査を基にステロイドのパルス療法に対する反応性をみるか経気管支肺生検による病理診断により決定されている。しかしそれは多分に経験的であり, 客観的で特異的な診断法はいまだみられない。われわれは拒絶反応のモニタリング方法として, 気管支肺胞洗浄 (BAL) にて得られた細胞傷害性Tリンパ球 (CTL) の細胞傷害活性 (CTL活性) を測定することにより, 拒絶反応診断の可能性について検討を行った。 雑種成犬を用いて同種左肺移植を施行し, 経時的に胸部X線撮影・細胞傷害活性の測定を行い, 同時期に得られた病理組織標本と比較検討した。またBALより得られたCTL活性が高値を示した時点でステロイドのパルス療法を行い, その反応性を確認し, 急性拒絶反応に対する治療効果について検討した。 その結果, 1) 胸部X線上拒絶反応の進行に伴い, 浸潤影の強増が認められたが, 肺炎でも同様な所見がみられ, その鑑別は困難であった。2) BALでのCTL活性値>10%を拒絶反応と診断した場合, sensitivity 78.7%, speci-ficity 95.8%と高い正診率が得られた。一方肺炎ではCTL活性の上昇はみられなかった。3) 本法にて診断された拒絶反応に対しパルス療法を行ったところ拒絶反応の消失が認められた。 以上より本法は短時間で測定することが可能で, 実際の臨床においても胸部X線所見や臨床症状と組み合わせることによって, 拒絶反応の診断, 肺感染症との鑑別を客観的かつ特異的に行うことができ, 急性拒絶反応の治療の指標になるものと考える。
  • 小坂 健夫, 菅谷 純一, 瀬島 照弘, 高野 靖, 中野 泰治, 秋山 高儀, 桐山 正人, 冨田 冨士夫, 斎藤 人志, 喜多 一郎, ...
    1995 年 20 巻 2 号 p. 127-131
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    P2以上の腹膜播種胃癌61例を対象に集学的治療の有効性について検討した。単変量解析では腹膜播種胃癌全体の予後は, median survival timeは164日, 1年生存率は21%であった。腹膜播種程度 (p=0.009) や, 他臓器浸潤別 (p=0.02) には有意な差がみられたが, 肝転移の有無 (p=0.27) では差がなかった。治療別の検討では, 胃癌部切除 (以下切除) 症例の予後は非切除例に比べ有意に (p=0.0008) 予後良好であった。ip治療症例は予後良好な傾向 (p=0.08) があったが, CHPPは単なるip療法と有意な差がなかった (p=0.3) 。術後MTX/5-FU療法は1年生存率60%であり, 予後良好な傾向 (p=0.09) を示した。多変量解析では, 切除 (p=0.02), N4 (p=0.02), 腹膜播種程度 (p=0.02), 術中ip療法 (p=0.04), が有意な重みを示し, 肝転移 (p=0.06) が傾向を示した。術後MTX治療は有意な予後因子ではなかった (p=0.2) 。CisplatinおよびMMCのip後の血中濃度の検討では薬剤濃度は速やかに上昇し, 血中においても比較的有効なAUCが得られ, 血中Cmaxは腹膜播種の有無では差がなかった。以上の結果から, 腹膜播種胃癌に対しては, まず胃原発巣の切除が極めて有効であり, また, 術中ip療法は有効である可能性が示唆された。CHPPあるいは術後のMTX/5-FU療法は他の化学療法と有意な差がないものの, 予後の改善がみられた。
  • 小島 卓, 小池 明彦, 鈴村 和義, 金光 泰石, 加藤 健一, 成瀬 隆吉
    1995 年 20 巻 2 号 p. 132-134
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    Dukes C直腸癌36例, 結腸癌61例の治癒手術症例を対象に, 術後補助化学療法として5-FUの48時間持続静注療法を行った。治療法は, 術後1週以内に5-FU1000mg/m2/dayを2日間持続静注し, 5日間休薬する。これを6回, 6週間にわたって行った。大腸癌全症例では5-FU治療群の5年生存率は79.6%であったが, 他治療群では35%, 無治療群では39.4%であった。また, 直腸癌症例では5-FU単独治療群の5年生存率は78.8%, 他治療群で28.1%, 無治療群で32.4%であった。結腸癌症例では5-FU単独治療群の5年生存率は81.8%, 他治療群で33.7%, 無治療群で44.9%であった。統計学的には, 大腸癌全例において5-FU単独で無治療, 他治療群より有意に高い生存率を得た。
  • 佐々木 一晃, 高坂 一, 山城 一弘, 八木橋 厚仁, 伝野 隆一, 平田 公一
    1995 年 20 巻 2 号 p. 135-138
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    大腸癌切除不能病変で評価対象病変を有する症例に対し5-FUの持続静注とCDDP併用療法の有用性を検討すべくprospective randamized studyを行った。投与法はA群 (13例) : 5-FUを320mg/m2で持続静注, B群 (12例) : 5-FUにCDDP20mg/m2 を週一回投与とした。投与期間は4週間を1クールとした。治療効果は PR以上をA群で2例に, B群で3例に認め, その奏効率は15.4%, 25.0%であった。1年累積生存率はA群で18.8%, B群で41.7%とB群でやや良好であった。一方, 副作用としての悪心・嘔吐はCDDP付加のB群で有意に増加した。しかし, 他の副作用は両群間で有意の差を認めなかった。以上より, 5-FUとCDDPの併用療法は大腸癌の有用な治療法となる可能性を有しているが, CDDPの用法用量の検討を要するものと考えている。
  • 高坂 一, 佐々木 一晃, 八木橋 厚仁, 山城 一弘, 伝野 隆一, 平田 公一
    1995 年 20 巻 2 号 p. 139-142
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    教室で外科的治療を行った下部直腸癌232例を対象とし経仙骨的局所切除術の可能性をretrospectiveに検討した。対象症例の50%でリンパ節転移を認めず, m癌, sm癌では全例, pm癌では69%でリンパ節転移陰性であった。腫瘍径3cm以下の症例では, m癌, sm癌の全例, pm癌の55%でリンパ節転移陰性であった。深達度がa1以上の症例では全例リンパ節転移陽性であった。経仙骨的局所切除術を施行した症例は18例で全例再発を認めず, 本来局所切除術の適応とはならないpm癌4例にも再発を認めていない。したがって, 腫瘍径3cm以下, 腫瘍直下のリンパ節転移陰性の早期癌症例は術後注意深い経過観察を行うことで局所切除により治療を完了しうる可能性が示唆された。さらにpm癌でも高齢者, poor risk症例など適応の選択によっては有用な治療と考える。
  • 丸山 浩高, 原田 明生, 黒川 剛, 梶川 真樹, 野浪 敏明, 中尾 昭公, 高木 弘
    1995 年 20 巻 2 号 p. 143-147
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    31症例の肝切除術を対象として, 術前から術後にわたり, 肝機能, IL-6, AKBRの変動について検討した。AKBRは, 0.9を基準値とし0.9以下の場合に限りその差を合計した値 (Σ0.9-AKBR) も分析した。また, 術前に肝炎以外の感染症の合併を認めず, 術後合併症を伴わなかった症例を Prostaglandin E1 (PGE1) 投与の有無で2群 (PGE1投与10例PGE1非投与10例) に分けて検討した。IL-6の術後最高値 (IL-6-M) は, 総ビリルビン値の術後最高値 (TB-M) およびΣ0.9-AKBRに非常に良く相関し, 手術時間, 術中出血量とも有意の相関を認めた。AKBRの術後最低値はTB-Mに相関しなかったが, Σ0.9-AKBRはTB-Mに相関を認めた。IL-6-Mは術後2日目までに認められたのに対し, TB-Mは多くの症例で術後3日目以降に認められた。IL-6-Mが900pg/mlを超える症例は, 全例肝不全に陥り死亡した。また, 術後早期のPGE1投与により, Σ0.9-AKBRの低下とIL-6の増加が認められた。
  • 脾内投与の効果
    有本 裕一, 鄭 容錫, 山田 靖哉, 澤田 鉄二, 西口 幸雄, 加藤 保之, 奥野 匡宥, 曽和 融生
    1995 年 20 巻 2 号 p. 148-152
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    大腸癌の肝転移予防における免疫療法の有効性を検討するために, マウス大腸癌株colon 26を門脈内接種することにより肝転移モデルを作製し, 微小肝転移巣成立前後におけるOK-432, IL-2の脾臓内投与による肝転移抑制効果につき検討した。 OK-432, IL-2の併用脾臓内投与により, 微小肝転移巣形成前後においてコントロールに比し有意に肝転移形成を抑制した (p<0.05) 。また薬剤投与経路間の比較では, 各薬剤単独投与群間において脾内投与で皮下投与に比し有意に肝転移形成を抑制した (p<0.05) 。 以上より, 大腸癌の肝転移再発に対してOK-432, IL-2の併用脾臓内投与は有効な治療法である可能性が示唆された。
  • 三方 律治
    1995 年 20 巻 2 号 p. 153-156
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    ビデオ・デジタイザーでアナログ画像をデジタル化して, 簡便かつ経済的にパーソナルコンピュータへ医用画像を電子保存するシステムを紹介する。精巣悪性腫瘍の術前写真, 術中写真および超音波画像をパソコンに電子保存したものを供覧し, パソコンによる医用画像の電子保存に関して若干の考察を加える。
  • 特に交感神経切除について
    大西 克幸, 八杉 巧, 嶌原 康行, 小林 展章
    1995 年 20 巻 2 号 p. 157-162
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    当科で過去16年間に経験した反射性交感神経性萎縮症およびその関連疾患48例に対して施行した交感神経ブロックと交感神経切除術の治療成績について検討した。痛みが半分以下になったものを有効として有効率をみると, 星状神経節ブロック約33%, 上胸部交感神経切除75%, 腰部交感神経ブロック60%, 腰部交感神経切除80%であった。このうちKunz神経経路の交感神経遮断を目的に行った第2, 3肋間神経のアルコールブロックを追加した内視鏡下上胸部交感神経切除を施行した4例では, 観察期間は1年余りであるが交感神経活動の再燃を認めていない。また, 交叉神経切除追加腰部交感神経切除では, 有効率は91%であった痛みに対する総合有効率は, 交感神経ブロックを中心とする保存的治療が約52%, 交感神経切除を中心とする外科的治療が約78%であった。本症の治療上のポイントとして, 患部支配の交感神経遮断を可能な限り実施することが重要であると考えられた。
  • 元村 和由, 野口 眞三郎, 稲治 英生, 小山 博記
    1995 年 20 巻 2 号 p. 163-165
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    乳房温存療法の利点は優れた美容効果にある。しかし症例によっては著しい乳房変形を生ずるものがある。われわれは乳房温存療法後, 高度の乳房変形が予想される症例に対して広背筋弁を利用した一期的乳房形成を行っている。乳腺部分切除はlumpectomyで行うが, その皮切は弧状切開とし, 腋窩リンパ節郭清の皮切は腋窩の切開に広背筋弁採取のための約5cmの切開を追加する。腋窩リンパ節郭清の後に, 胸背動・静脈, 胸背神経を茎として広背筋を島状に切離し, 乳腺切除部に補填縫合する。この方法は乳腺切除部位に関わらず第2の創や体位変換を必要とせず, 簡便に優れた美容効果が得られる手技であると考えられる。
  • 杉 和郎, 金田 好和, 縄田 純彦, 上田 和弘, 江里 健輔
    1995 年 20 巻 2 号 p. 166-168
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    高齢であることや術後PSの低下を危惧して, 患者本人あるいは家族が標準術式を拒否し, 姑息術として腫瘍を含めた肺部分切除のみがなされた高齢者の3例を経験した。症例1 : 78歳の男性。右S6原発の40mm径の扁平上皮癌 (cT2N0M0) 。胸腔鏡下にS6の部分切除を施行し, 術後14日目に退院した。PSの低下はなかった。症例2 : 81歳の女性。右S7の原発の15mm大の腺癌 (cT1N0M0) 。S7を部分切除し, 術後5日目に退院した。PSの低下はなかった。症例3 : 83歳の女性。右S10原発の45mm大の腺癌 (cT2N0M0) 。S10の部分切除を施行し, 術後7 日目に退院した。PSの低下はなかった。いずれの症例も1年以上臨床的に非担癌生存中である。80歳前後の高齢者で, 標準的手術を拒否する場合には, 姑息的な胸腔鏡下肺部分切除術は試みられてもよい選択肢の一つである。
  • 腹腔鏡下超音波検査の有用性
    権 雅憲, 山田 修, 小島 善詞, 小倉 徳裕, 駒田 尚直, 上辻 章二, 上山 泰男
    1995 年 20 巻 2 号 p. 169-171
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    外科療法の適応決定や術式選択においては術前に病変の拡がりと程度を把握することが特に重要となる。当科にて入院加療を受けた膵癌8例, 膵嚢胞3例, 膵良性腫瘍1例を対象とした。全症例に対して膵病変の確定診断と手術適応を決定するために腹腔鏡下十二指腸授動術や網嚢開窓術を行い, 腹腔鏡下超音波検査 (LUS) にて膵病変を検索した。LUS検索にて膵頭部癌の2例に術前検査では確認できなかった微小肝転移巣を認め, 膵体尾部癌の1例には腹膜転移を認めた。さらに腹腔鏡下手術手技を用いて膵臓を露出することにより2mm径の膵小病変が検出可能となった。また膵頭部授動による膵後部リンパ節生検は病期の決定に有用であった。LUS所見により4症例で手術術式を変更した。腹腔鏡下手術手技を用いたLUSは非侵襲的であり, 膵病変の確定診断と手術適応や術式決定に有用であった。
  • 阿部 裕行, 中神 義三, 伊藤 博, 岡 史篤, 池田 一則
    1995 年 20 巻 2 号 p. 172-174
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    29歳, 家婦。帝王切開後に右尿管腟瘻が発生したと考えられる症例を経験した。この症例は, 逆行性尿管ステント留置が不可能であったため, Politano-Leadbetter法にて尿管膀胱再吻合術を施行した。婦人科手術に伴う泌尿器科的合併症全般に対しては, Boari法他の尿路変更術等の報告が多いが, 自験例では上記方法にて尿管膀胱再吻合術を施行し経過良好であった。
  • 片岡 健, 後藤 孝彦, 岡本 太郎, 春田 るみ, 貞本 誠治, 土肥 雪彦, 西亀 正之
    1995 年 20 巻 2 号 p. 175-180
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 葉玉 哲生, 森 義顕, 重光 修, 木村 龍範, 宮本 伸二, 迫 秀則, 添田 徹, 吉松 俊英, 田中 康一, 内田 雄三
    1995 年 20 巻 2 号 p. 181-184
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 特に高齢患者よりの幹細胞採取条件について
    清水 英治
    1995 年 20 巻 2 号 p. 185-190
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    肺癌患者 (50歳~70歳代を中心とした) の血液には平均33/mlのCFU-GMが存在し, その出現頻度は骨髄の700分の1であった。化学療法後, 3~5週目に血液中のCFU-GMの著明な増加が一過性にみられたが, その増加の程度はレジメンの種類, 投与スケジュール, 白血球減少の程度により異なり, CFU-GMの増加のタイミングは単球の増加の時期と一致した。VP-16+CDDPが最も効果的に血液中CFU-GM を増加させたが, G-CSFを併用することにより他のレジメンでも, 血液中のCFU-GMを増加させることが可能となった。化学療法により血液中に誘導されたCFU-GMは凍結後, 融解してもコロニーを形成し, in vitroで各種の抗癌剤に感受性が認められた。凍結保存された血液単核細胞は準大量化学療法の骨髄抑制を軽減しうる可能性が示された。化学療法有効症例において, 治療開始後4~6週目の血液単核細胞は肺癌細胞に対して高いNK活性を示し, 末梢血幹細胞移植術はMRDに対する効果も期待しうると考えられた。
  • 平山 克, 森 昌造
    1995 年 20 巻 2 号 p. 191-195
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 明彦, 中野 博重
    1995 年 20 巻 2 号 p. 196-199
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 木下 厳太郎, 谷口 睦, 立石 博臣, 圓尾 宗司
    1995 年 20 巻 2 号 p. 200-208
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    兵庫医大整形外科において1976年10月~1993年12月の間に手術を施行した骨転移癌131例の調査を行った。脊椎罹患例62例には主に後方固定術が施行された。除痛効果を 79% に認め, 麻痺の改善を64%に認めた。大腿骨38例, 上腕骨8例等の長管骨では病的骨折に対する骨接合術や人工骨置換術が行われた。腫瘍に対する処置に応じて機能評価が異なった。機能評価にはEnnekingの評価方法を応用した。大腿骨例では, 無処置群で28.6%, 掻爬群で35.8%, 広範囲切除群で51.3% であった。上腕骨例では, 無処置群で36%, 掻爬群で58%であった。再発率は, 大腿骨症例の再手術率を指標としたが, 無処置群で9%, 掻爬群で14%であったが, 広範囲切除群では再発による再手術例はなかった。以上の結果より, 病巣部に対しては広範囲切除を行うことが望まれるが, 全身状態等により姑息的処置しかなされなくとも, 何らかの機能改善が期待できる。
  • 前田 貢作, 家永 徹也, 山本 哲郎
    1995 年 20 巻 2 号 p. 209-212
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 胎児染色体異常診断を中心として
    別所 健史, 伊田 昌功, 沢井 英明, 小森 慎二, 辻 芳之, 香山 浩二
    1995 年 20 巻 2 号 p. 213-217
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 桜井 恒久, 錦見 尚道, 矢野 孝, 二村 雄次
    1995 年 20 巻 2 号 p. 218-221
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 比企 能樹
    1995 年 20 巻 2 号 p. 222-223
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2009/08/13
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  • 中神 義三, 阿部 裕行, 伊藤 博
    1995 年 20 巻 2 号 p. 224-225
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
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