バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
29 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
解説
  • 秋田 浩
    2005 年 29 巻 2 号 p. 67-68
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
  • 横田 秀夫, 姫野 龍太郎
    2005 年 29 巻 2 号 p. 69-75
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    生物の形の情報を数値化(ディジタル化)して比較検討可能なシステムを構築することを目的とした生体形状情報の数値化及びデータベース構築研究を開始した.
    この研究では,工学,光学,情報処理学,統計学などの幅広い分野の技術を集めて,形態学に新たな道を開くことを目的としている.その構築するシステムからは,生物形状の数値情報が生み出され,ヒトの主観に依らない生物の構造の比較,検索をコンピュータにより半自動的に行うことが可能になり,生物学,解剖学等貢献すること,さらには生物の形と遺伝情報を結びつけることを可能にすると考えています.本稿では,このプロジェクトの目的,概略について述べる.
  • 西垣 功一
    2005 年 29 巻 2 号 p. 76-81
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    「形」について考えてみることは意義深い.「形」は我々の視覚的認知に関係した概念であり表層的であるのに対して,それに関連の深い概念である「構造」はより内実的である.形を成り立たせるものは,三次元的な要素集合状態に還元して考えることができる.同時に,時間安定性の視点も「形」を考える上では欠かせない(この際,補完的に,形になりえない“不安定構造の機能”に気づく.それは脳現象解明のヒントかもしれない).一般論として,要素の生成機構や要素間の相互作用のありかたが「形(構造)」や機能を決定していることが示される.その際,生物は,環境影響をロバストかつ柔軟に取り込みながら,ゲノム支配により個々の要素をインテリジェントに生成・挙動させている.そのあり方は,究極の工学「超発生工学」を高く指し示している.
  • 鎌倉 快之, 森田 敏照
    2005 年 29 巻 2 号 p. 82-86
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    生物の持つ形の意味や機能の解明を試みる場合,個々の要素を個別に詳細に捉えるだけでなく,形の持つ多様性や固有性を性質,特徴,パターンなどの共通の視点から捉えなおし,形をひとつのシステムとして全体的に捉える必要がある.そのためには生物の形態の持つ情報の「デザイン」と可視化が必要であり,モデルの適用が考えられる.本稿では,形態の多様性と固有性を示す巻貝の巻殻を用い,巻殻のモデル化とモデルを用いた形態解析を通して,生物の形を捉える上での情報デザインとモデル化の意義について検討する.
  • 蛭子井 博孝
    2005 年 29 巻 2 号 p. 87-89
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    ものの形は,数学的イメージがもっとも正確のように思われる.しかし,よく考えると,それを形に留めることの難しさがある.形とは,静的であり,動的である.そして,形は,変わっていく.ある時は,より正確に,ある時は,より複雑に,科学的でないが,よりきれいに,ともいえるであろう.それは,山の木々の彩りであったり,組み立て工場の車の姿であったりする.それは,1つの生形である.生きた形を正確に記述すること,表現すること,それは,形を恣意的に捉えることであろう.ものがあり,形があることが,いかに複雑なメカニズムを有うしているか,時代とともに,それが解明され,創造されて,本質的に,ものや形が,正確に美しく把握されることを願ってやまない.
  • 持丸 正明
    2005 年 29 巻 2 号 p. 90-94
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    人体表面の3次元形状の変異(種間差,人種差,世代差,性差,個人差など)を扱うのに,人体形状を発生学・解剖学的な対応に基づいてモデル化し,そのかたちの違いを空間の歪関数として記述する方法がある.これは,20世紀初頭に提案された方法で,20世紀末になり数学的に具現化され盛んに利用されるようになった.ここでは,そのひとつであるFree Form Deformation法を用いて人体形状の変異を可視化するとともに,その変異の特徴を分布図として表現する技術を概説する.また,その技術を人体形状にフィットする製品の設計に応用した研究を紹介し,それをベースにした持続的な人体形状データ蓄積への展望を述べる.
研究
  • 勝平 純司, 山本 澄子, 関川 伸哉, 丸山 仁司, 長澤 夏子, 渡辺 仁史
    2005 年 29 巻 2 号 p. 95-104
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    本研究では三次元動作分析装置と床反力計を用いた動作分析の手法を用いて算出した腰部関節モーメントを指標として,階段の形状および手すりの有無が昇降時の腰部負担にどのように影響するか客観的に比較,検討することを目的とした.実験では健常高齢男性8名を対象とし,被験者は長寿社会対応住宅設計指針と建築基準法の上限値を参考にして作成した6種類の階段と手すりを使用して各基準値の階段を昇降した.実験結果より階段昇り時の腰部モーメントは蹴上げ高さの違いによって大きく影響を受けるが,踏み面の違いによってほとんど影響を受けないことが分かった.降り時には蹴上げが高くなるだけでなく,踏み面が狭くなることによっても腰部モーメントが大きくなることが分かった.また手すりの使用により,昇り時の腰部モーメントが大きく減少した.
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