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榊原 欣作, 大島 宣雄
1985 年14 巻2 号 p.
704-705
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
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能勢 之彦
1985 年14 巻2 号 p.
706
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
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寺本 滋
1985 年14 巻2 号 p.
707
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
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岩 喬
1985 年14 巻2 号 p.
708
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
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阪口 周吉
1985 年14 巻2 号 p.
709
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
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岸本 武利
1985 年14 巻2 号 p.
710-711
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
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岡村 純
1985 年14 巻2 号 p.
712
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
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野一色 泰晴
1985 年14 巻2 号 p.
713-716
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
優れた抗血栓性材料が合成されつつある今日において, 個々の材料の優秀性を適確に評価する方法の確立が急がれねばならない。特にin vivo評価法にあっては, 材料が生体に触れた瞬間に材料生体間界面現象が決定されるという考え方より脱脚して, 材料と生体との長期間にわたる応答の過程を観察し, 材料が生体に受け入れられる様式を理解し, 材料が生体に強いる順応性の程度を判定した上で材料の評価を下すべきである。このような材料生体間相互作用を理解するため, 長鎖ポリエチレンオキサイドをもつ親水性ポリマーが生体の血流に触れると, 接触直後は材料自身が抗血栓性を発揮し, その後時間の経過とともに生体成分が材料内部に浸透し, そして同時に材料表面に生体膜に酷似した特殊な二重膜を形成して抗血栓性を維持するという特殊な抗血栓性獲得機序を示した。
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大久保 修和, 広瀬 一, 松田 置, 中埜 粛, 白倉 良太, 前田 世礼, 大谷 正勝, 堀田 隆久, 野村 文一, 桜井 温, 川島 ...
1985 年14 巻2 号 p.
717-720
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
一時体外バイパスチューブに, 新しい抗血栓性材料をコーティングし, その抗血栓性について実験的検討を試みた。ポリ塩化ビニル(PVC)チューブをコントロールとし, Cardiothane, K III2をコーティングしたチューブで, 実験犬に一時体外バイパスを作製した。肉眼的・電顕的に血栓形成の状態を観察し, 3者を比較検討した。PVCでは肉眼的・電顕的に著しい血栓形成を認めた。Cardiothaneでは肉眼的に微小血栓が存在し, 電顕的に著しい血小板粘着と軽度の血小板形態変化を認めた。K III2では肉眼的には微小血栓を認めず, 電顕的に血小板粘着は軽度であったが, 形態変化は比較的強かった。チューブの部位による相違では, 中央部での血小板粘着と形態変化が先端部より著しい傾向にあった。以上よりポリウレタンポリジメチルシロキサン系の新しい抗血栓性材料であるK III2は, Cardiothaneと同等か, やや優れた抗血栓性を有していると思われ, 今後その応用に期待できると考えられる。
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田中 昌和, 村山 健, 筒井 宣政, 野尻 知里, 青見 茂之, 平山 統一, 山岸 正秀, 片岡 一則, 小柳 仁, 岡野 光夫, 桜井 ...
1985 年14 巻2 号 p.
721-724
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
ヘパリンレスでバイパスできる大動脈一時バイパス用のシャントを開発するためには, 材料自身の抗血栓性が優れていることは勿論, 成形方法およびシャントの設計が重要となる。血液をバイパスする時, 血球成分に損傷を与えることなく充分な血流量を維時すると同時にカニュレーションを容易にすることを考慮すると, シャント両端から内径が中央部に向ってあるテーパーをもって広がるシャントが必要となる。動物実験用に両端内径3.1mm, 中央部内径4.8mm, 長さ70cmのポリ塩化ビニル性チューブの内面と, 両端外面7cmをTM-3でコートしたバイパスシャントを用い雑種成犬10頭を用いバイパス実験を行った所, バイパス流量400~500ml/minでシャント前後の圧較差が65mmHgと小さく, バーゲン・ボアズイユの式から計算した値とよく一致した。ヘパリンレスで5時間バイパス後のシャント内面には血栓やフィブリン網の形成は全く認められなかった。
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中尾 昭公, 野浪 敏明, 大倉 国利, 森 敏宏, 星野 澄人, 篠原 正彦, 佐藤 和郎, 佐竹 満, 田上 鑛一郎, 末永 昌宏, 堀 ...
1985 年14 巻2 号 p.
725-728
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
ヘパリン化親水性材料(東レ, アンスロン)から各種門脈バイパス用カテーテルを作製し, その抗凝血性について検討した。本カテーテル内では血液は凝固せず, その優れた抗凝血性は材料表面に診いて速やかにヘパリンとアンチトロンビンIIIの複合体が形成され, 活性化凝固因子が強力に抑制されることによると推察された。走査電顕の観察でも材料表面にフィブリン形成は認められず, 白血球の付着を軽度認めたのみであった。本カテーテルを膵癌を中心とした胆道系手術に使用し, 腸間膜静脈大腿静脈カテーテルパイパス法による門脈合併膵十二指腸切除を38例に施行し, バイパス留置時間は70~550分(平均267分), 門脈遮断時間20~302分(平均107分)に及んだが, 本カテーテル留置に起因する合併症はとくに経験せず, 各種検査法から本術式ならびに本カテーテルの安全性を確認した。本術式の適用によって膵頭部領域癌手術切除率は飛躍的に上昇した。
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水取 悦生, 吉景 和英, 中山 頼和, 野村 修一, 多胡 護, 重信 雅春, 村上 泰治, 名和 清人, 妹尾 嘉昌, 寺本 滋
1985 年14 巻2 号 p.
729-732
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
先天性心疾患67例に対してpatch graftsを用いて開心術を行なった。使用したpatch graftsはwoven Teflon patch, Dacron felt patch, double velour Dacron patch, Sauvage filamentous Dacron patchその他であり、使用例数はそれぞれ10例、24例、25例、3例、5例であった。術直後より溶血がみられたのは15例であった。使用patch別にみるとdouble velour Dacron patch10例、woven Teflon patch 1例、Dacron felt patch 3例、Sauvage Dacron patch 1例であり、高度の溶血がみられたのは3例であり、全例double velour Dacron patch使用例であった。残りの12例は一過性のものであった。
これらより、double velour Dacron patchは心内修復用patchとしては、不向きであると思われる。
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新岡 俊治, 星野 修一, 黒沢 博身, 高梨 吉則, 今井 康晴
1985 年14 巻2 号 p.
733-736
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
1983年から、保存豚心膜より強度があり、人工材料に比較して、形成及び縫合が容易である等の利点から、グルタールアルデヒド処理保存馬心膜(Xenomedica)の使用を開始し、これまでに168例の心内修復術に使用している。しかし、種々の利点にもかかわらず、抗原性の消失、コラーゲン線維の架橋結合等に疑問を残し、感染に対する抵抗性が低いなどの問題もある。今回、我々はこの生体材料が宿主にあたえる影響を検討するために、宿主の炎症反応を人工材料使用例と比較検討した。VSD閉鎖症例で、閉鎖にXenomedicaを用いた群(I群)、テフロンを用いた群(II群)とし、宿主側の炎症反応を比較した。その結果、術後WBC値、術後CRP値、術後WBC値正常化期間に、両群間の有意差を認めなかった。すなわち全身的なレベルでは、保存馬心膜とテフロンパッチ使用に起因する宿主側の炎症反応には差がないと考えられた。
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宮脇 富士夫, 松本 博志, 中田 恵, 松永 仁, 古田 直樹, 浅野 献一
1985 年14 巻2 号 p.
737-740
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
冠動脈バイパス手術などの小口径動脈の縫合に有用と考えられる弾性糸を開発し, 滅菌および皮下埋入による劣化試験, ストレスーストレイン曲線パターンの非弾性糸との比較,動物実験にて吻合部コンプライアンス保持効果および吻合部の電顕的観察により検討した. 滅菌および皮下埋入にても劣化せず, ストレスーストレィン曲線では破断強度は非弾性糸よりも高く, 且つはるかに高い弾性を有した. 吻合部コンプライアンス保持率も非弾性糸に比べ有意に高く, 血管独自のコンプライアンスは吻合部にても低下していなかった. 電顕像では, 非弾性糸の連続縫合の一針で作られるループの径は, 弾性糸に比べて大きく, 吻合部内腔への突出の程度が強く, 吻合部狭窄の可能性があった。また, 吻合後14日目の標本では, 非弾性糸は血管内腔に露出していたが, 弾性糸ではほとんどのものがフィブリン膜で被れ, 吻合部の被包が早く起こっていた.
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松田 武久
1985 年14 巻2 号 p.
741
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
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劉 懋忠, 大城 孟, 上林 純一, 森本 興市, 森 武貞
1985 年14 巻2 号 p.
742-745
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
臨床領域では抗血栓性材料の必要性が増大している。そこで抗血栓固定化ウロキナーゼ(Immobilized urokinase,)の安定性は要求される。私たちはウロキナーゼ(Saluble urokinase,)固定化高分子材料を試作しその固定化UKの安定性についてin vitroの実験を行い立証した。(1) 保存実験: 固定化UKと溶液性UKの線溶活性は4℃で前者が6か月保存後もほぼ不変, 後者が1か月後にはほぼ消失した。37℃では前者が6か月で約50%を維持し, 後者は5日目でほぼ消失した。(2) 抗生物質実験: 固定化及び溶液性UKに対して6種類の抗生物質(CEZ, CET, CTM, CFX, LMOX, CFS)を作用させたところ他の抗生物質は影響を認めなかったがCETにより活性の有意の低下が認められた。(3) UKインヒビター実験: 固定化UKは60分後約70%を維持したが溶液性UKほぼ消失した。(4) UK抗体実験: 60分後固定化UK約80%を維持したが溶液性UK約40%しか維持しなかった。(5) Chandler loop法実験: 固定化UHの血栓形成時間は溶液性UKより大幅に延長し, その有用性を立証した。
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杉立 彰夫, 高塚 雄一, 北村 信夫, 陶山 勝彦, 高木 邦彦
1985 年14 巻2 号 p.
746-749
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
抗血栓性医用材料の開発を目的として, すでに臨床使用されている各種医用高分子材料に, urokinase (UK)を固定化した。UK固定化Polymer surfaceの局所線溶能を基礎的に検討したのち, 手術時のdrainや, 血管内留置cathetorなど臨床に使用し, その抗血栓性を臨床的に評価した。Drain tubeの担体は, silicone. PVCなど, 血管内catheterは, EVAなどを使用した。
Drainの開存率は. 90/96(93.8%). 対象群は, 3/67(4.5%), 血管内catheterのそれは, 86/94(91.5%)であった。心臓外科手術のdrainでも, UK材料の開存率や独自に定めだ“Thrombogenicity Index”は, 対象群のそれよりも遥かにずぐれていた。走査電顕による観察で, UR固定化材料表面には, 臨床使用後でも, fibrinや血液成分の沈着のないことが証明された。
UK固定化Polymerは, 抗血栓性医用材料として, 広範囲の臨床使用が期待される。
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廼島 和彦, 由井 伸彦, 讃井 浩平, 緒方 直哉, 片岡 一則, 岡野 光夫, 桜井 靖久
1985 年14 巻2 号 p.
750-753
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
セグメント化ポリウレタンウレアのハードセグメント中にアミド結合を導入したポリエーテルセグメント化ボリウレタンウレアアミドの相分離構造, 力学的挙動及び血小板との相互作用について検討した。各材料はミクロ相分離構造を形成しており, ミクロドメィンの大きさ及びその分布状態は従来のセグメント化ボリウセタンのそれとほぼ同じであることが示された。力学的挙動としてはアミド結合を導入することにより初期弾性率, 破断強度が増大し, 高いヒステリシスを示し, ドメイン間の相互作用の向上が認められた。血小板との相互作用においては, 各材料とも低い血小板粘着を示したが各材料間で優位差はみられなかった。このことからセグメント化ポリウレタンのハードセグメンド中にアミド結合を導入することにより良好な血液適合性を保ちながら興味ある力学物性を発現し得ることが明らかとなった。
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児玉 亮, 坂井 士, 津田 圭四郎, 前田 肇, 井島 宏, 駒宮 正治
1985 年14 巻2 号 p.
754-757
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
市販人工血管の表面をコラーゲン・コンドロイチン硫酸複合体で修飾すると, 抗血栓性や生体適合性が向上するが, 内皮組織が肥厚し, 閉塞する恐れがあり, 人工血管の表面形状にも原因があると考えられた。ポリエステル製の不織布をコラーゲンで被覆した後, DASおよびグルタルアルデヒドで架橋することにより, 小口径(内径2~3mm)人工血管やパッチを作製した。これらは, in vitroにおいても犬とうさぎの血管に移植した実験でも良好な抗血栓性を示した。
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明見 仁, 青柳 隆夫, 辻 浩史, 篠原 功, 岡野 光夫, 片岡 一則, 桜井 靖久
1985 年14 巻2 号 p.
758-761
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
ポリパーフルオロアルキルアクリレート(PFAA)を用いて, 疎水性連鎖同志からなり, ミクロ相分離構造を有するブロックコポリマーを合成し, その血液適合性をin vitro, ex vivoにおいて検討した。in vitroにおいては, ドメインの連続したミクロ相分離構造を形成するプロックコポリマー表面上で血小板粘着量が著しく減少し, さらに血小板流出曲線から求めた血小板凝集時間(PAT)が非當に長いことから, 優れた抗血栓性を有することが明らかとなった。ウナギ頸部A-Vシャントを用いたex vivo実験においては, ホモポリマーを使用した場合に現われる血小板数の減少や凝集能,粘着能の低下といった現象がブロックコポリマーでは現われないことから,優れた血液適合性を有することが明らかとなった。
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鈴木 嘉昭, 横山 能周, 日下部 正宏, 日下部 きよ子, 秋庭 弘道, 佐藤 昌六
1985 年14 巻2 号 p.
762-765
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
高分子材料表面等への血漿タンバクの吸着量の測定は, RI法, IRS等により行なわれているが, 本報では
131, Iおとび
β7Gaより標識されたフィブリノーゲン, アルブミンを用い, 材料表面へのそれらの吸着の比較を行った。シリコーンゴムへのタングステンカーバイド微粉末の混合によるフィプリノーゲン, アルブミンの吸着:量の顕著な差はみられず, 比較として用いたPVC, SRとも大きな差は現れなかった。一方ガラス表面へのタンパク質の吸着は, 高分子系材料とは異なり, タンパク質単一溶液系では, フィブリノーゲン, アルブミンの吸着量は, 高分子系の数倍の値を示し, 量的には多分子層吸着であった。全血を用いたin vitroの測定では, 高分子系材料では, フィブリノーゲン, アルブミン以外の血液成分の影響と思われる吸着量の減少がみられ, またガラス表面へのアルブミンの吸着量は, 単一溶液の場合と同程度であるが, フィブリノーゲンの吸着は全血では, 高分子系材料と同程度まで減少した。
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今井 庸一
1985 年14 巻2 号 p.
766
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
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中尾 昭公, 大倉 国利, 篠原 正彦, 野浪 敏明, 堀澤 増雅, 近藤 達平, 牧田 良子, 長岡 昭二, 森 有一
1985 年14 巻2 号 p.
767-770
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
ポリエチレンオキサイド鎖を有するハイドロゲル(PVC-g-M100G, 以下PEO)チューブ内に健常成人の全血を採取と同時に注入し, 37℃にincubateし, 注入後の全血凝固時間と接触性凝固活性変化を中心に測定し, かつ材料表面に勘けるフィブリン形成状況も走査電顕にて観察した。また同時に各種人工材料についても同様な測定を施行し比較検討した。PEOチューブ内の全血凝固時間は45分であり, 他の材料と比較して著明な延長を認めた。走査電顕の観察でも40分迄はフィブリン形成は認められず50分後にはじめて認められた。このPEOの優れた抗凝血性は材料表面に存在する親水性勘よび柔軟性に富むポリエチレンオキサイド鎖の排除体積効果による血液成分付着阻止作用が関連してむり, その材料表面でFXII, plasma prekallikrein, high molecular weight kininogenの三量体形成を阻害し, 接触性凝固活性を抑制することによると推察された。
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長岡 昭二, 森 有一, 滝内 秀文, 西海 四郎, 丹沢 宏, 穂苅 直人, 三山 創
1985 年14 巻2 号 p.
771-774
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
体外循環時の抗凝固剤使用量の低減および炉過血漿の品質向上を目的として, 血液適合性の優れた長鎖ポリエチレンオキサイド(PEO)の導入による血漿分離膜の改質をはかった。まずメチルメタクリレートとメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(側鎖ポリエチレンオキサイドの鎖長100)の共重合体を主成分とする血漿分離膜を作成する条件を検討し, 実用的な透過性と力学的性質を有する膜を得ることができた。
この膜のin vitroでの血液適合性を家兎血小板および血漿タンパク質の付着という観点から評価した結果, PEO鎖導入によりこれらの血液成分の付着が抑制されることがわかった。また膜に接触している浮遊血小板の機能低下にも緩和が見られた。
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松太 博志, 吉良 一明, 高松 俊明
1985 年14 巻2 号 p.
775-778
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
抗血栓性材料開発の目的で合成高分子材料素材としてのポリウレタン4種類とセグメント化ポリウレタン8種類の計12種類について標準ヒト血漿を用いて, 素材表面と血漿中の凝固因子との相互作用を調べた。凝固因子との相互作用は素材表面と一定条件で接触した血漿中の凝固因子活性の変化を素材表面との接触の有無で検討した。ポリウレタンでは凝固因子IX, VIII, Xの活性化め変化をもたらし, 他の凝固因子への影響は極めて軽微であった。一方, セグメント化ポリウレタンではその変化は多彩で, 一部のものではポリゥレタンと同様の変化をうけるが, ソフトセグメント, ハードセグメントを変えることによって凝固因子への影響が大きく変化することが判明したが, その規則性については本研究では明きらかにすることができなかった。
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三田村 好矩, 三上 智久, 鈴木 幸司, 立木 利一, 勇田 敏夫, 牧野 秀夫
1985 年14 巻2 号 p.
779-782
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
耐久性、耐摩耗性および抗血栓性に便れた、セラミックスおよび金属材料の開発を目的として、単結晶アルミナおよび窒化チタン、さらにTi表面に、Au、Ni、Cu、Alを直経250μm、間隔400μm、厚さ0.6μm、にスパッタ蒸着した複合金属の抗血栓性試験を行なった。kinetic testでは、単結晶アルミナおよび窒化チタンとも凝固時間は、シリコンとほぼ同程度と、優れた抗血栓性を示した。また単結晶アルミナのGott ring testでは、2週間植え込みで5例全例開存していた。また複合金属の粘着血小板数を計数した。ガラスを基準にして、非粘着血小板数は、Ti:1・15, Ti-Au; 1・25、Ti-Ni; 1・40、Ti-Cu:1・27、Ti-Al; 1・30とTiよりTi複合金属の方が、よい血液適合性を示した。以上より、単結晶アルミナ、窒化チタンおよびチタン複合金属は、耐久性、抗血栓性を要求される材料として有望といえる。
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井街 宏, 松田 武久, 中島 正治, 藤正 巌, 塚越 茂, 満渕 邦彦, 本村 喜代二, 鎮西 恒雄, 阿部 裕輔, 渥美 和彦, T. ...
1985 年14 巻2 号 p.
783-786
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
材料の血液適合性のin-vivoテスト方法としては必ずしも確立されたものがなく, 各材料が異った施設で異った方法でテストされているため, 材料相互間の血液適合性の相違を正しく比較することは容易ではなく, 新しい材料の選択を困難にする原因ともなっている。
本研究は, 複数の材料の血液適合性を同一の動物の状態で同時に比較評価する方法について検討したもので, 具体的には, 人工心臓ポンプを利用してそのサック内の片面に各々11箇所合計22箇所の点を定めて種々の材料を塗布して, 左心バイパスとして動物に装着, 一定期間駆動後, 肉眼およびSEM的に血液適合性の評価を行った。2例の実験結果では, 各材料間の抗血栓性の差違が非常にはっきりと観察でき, 本方法を繰り返えすことによって, 複数の材料の血液適合性のスクソーニングが十分に可能であることが確認できた。
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井街 宏
1985 年14 巻2 号 p.
787
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
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野一色 泰晴, 宮田 暉夫
1985 年14 巻2 号 p.
788-791
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
癒着現象が, フィブリンの折出→フィブリンのポリマー化→細胞浸潤, 線維芽細胞出現→コラーゲン線維網形成→細胞線維性癒着組織の完成, という過程を経て進行することに注目し, ヘパリン徐放で癒着の初期段階であるフィブリン折出を完全に阻止することによって, われわれは癒着防止に成功した。ヘパリンを含有し, 徐放する担体は, ヘパリン徐放後生体内に埋没され, あるいは吸収されることが望ましいことからコラーゲン膜をそれに利用した。動物実験として, 成犬の大腸漿膜に5cm平方の欠損を作り, この部をヘパリン化したヒト羊膜で覆い, 100%の抗癒着性を得た。60日以上の経過例では, ヘペリン化羊膜はすでに正常な漿膜細胞に覆われていた。従って, 作成した癒着防止膜を用いることによって, 初期はヘパリンの徐放により, その後は正常な漿膜細胞による天然の抗癒着力によって, 永久に癒着を阻止しつづけることが明らかとなった。
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金 鐸東, 川崎 富夫, 左近 賢人, 上林 純一, 大城 孟, 森 武貞
1985 年14 巻2 号 p.
792-795
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
一般に薬剤をリポソーム化することにより, その薬剤効果の延長, 副作用の減少と目的とする場所への選択的移行が可能であると言われている。今回わたしたらはこのリポソームを利用して血中内での半減期が比較的短いヘパリンをリポソーム化することによりその半減期が延長するものと期待しin vitroの実験に加えラットを用いた動物実験において良い結果を得られた。わたしたちはヘパリンのリポソーム化に成功しこのリポソーム内のヘパリンは十分に薬剤効果を示しリポソーム内のヘパリン定量が可能であった。ここで使用したリポソームの構造はマルチラメラータイプでそのほとんどが3.0μm以内の大きさであった。またケタラール麻酔下にラット頸静脈より無処理化ヘパリンとリポソーム化ヘパリンを投与し経時的に凝固時間を測定し比較した結果リポソーム化ヘパリンにおいて有意にその効果が延長していることを認めた。
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遠藤 善裕, 谷 徹, 岡 藤太郎, 花沢 一芳, 吉岡 豊一, 小玉 正智, 立脇 憲一, 寺本 和雄, 小路 久敬
1985 年14 巻2 号 p.
796-799
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
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フリー
細菌との接触により殺菌効果を発揮するペプチド系抗生物質であるポリミキシンB(PL)を、繊維性材料に固定した。このポリミキシンB固定化フアイバー(PMX-F)は、エンドトキシン解毒中和効果を有していたが、抗菌活性について検討を試みた。1) PMX-FよりPLの溶出。PMX-Fの洗浄液には抗菌活性はなく、大腸菌塗布培地上に置いたPMX-F周囲に阻止円の形成はなく、PLの溶出はなかつた。
2) 抗菌活性。細切したPMX-F 0.5gと10
7CFU/mlの菌液とを8~12時間振盪後定量培養を行なつた。菌液のみ振盪したものを対照とした。グラム陰性桿菌に対しては、対照の80~99%の菌減少を示すものが多くみられた。3) LPS中和。振盪後のLPS濃度は、前に比し低下していた。PMX-Fは、グラム陰性桿菌に対する抗菌活性と、LPS中和活性とを有していた。
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花沢 一芳, 谷 徹, 岡 藤太郎, 吉岡 豊一, 遠藤 善裕, 斎ノ内 良平, 中根 佳宏, 小玉 正智, 寺本 和雄, 小路 久敬
1985 年14 巻2 号 p.
800-803
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
エンドトキシン(ET)を中和除去可能な生体材料として開発したポリミキシンB固定化フアイバー(PMX-F)の効果の検討を臨床的応用の面から、特にngのオーダを中心としたET濃度にて行なつた。180pg~7.35ngのET生食溶液中では、ハロゲン化反応を用いて作製したPMX-F(P-15)が中和力はおいて一番すぐれていた。他方ET濃度5.0ng~285ngの牛血清中においては、縮合反応を用いて作製したPMX-F(P-17)がすぐれていた。更に1~2ngのET濃度溶液のET除去の挙動をin vivoにて確認するため、従来より頻用されている家兎による発熱試験法にて検討した。PMX-Fによる処理にて、最少発熱量(0.6℃)以下に充分にETが中和除去されている事が確認できた。我々の新しく開発したPMX-Fはmgオーダーの高濃度領域はもちろん、ngオーダーを中心とする低濃度領域においても充分にETを中和除去する事が可能であつた。
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望月 政嗣, 梅村 吉弘, 尾崎 安彦, 阪本 泉, 高木 邦彦
1985 年14 巻2 号 p.
804-808
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
導尿カテーテルは現代の医療技術においては欠かせない手段となっているが, その長期体内留置においては高頻度に尿路感染を招来し, その結果として膀胱炎や腎盂腎炎等を併発することが知られている。我々は導尿カテーテルの留置局所において, カテーテルの管内外からの細菌の侵入を防止するために, 抗菌剤として今日最も広く用いられているクロルヘキシジン(ヒビテン®, ICI Ltd.)を徐放するタイプの天然ゴム製導尿カテーテルを開発中である。In vitroにおける徐放実験により, これらは1ケ月以上の長期にわたり一定濃度以上のクロルヘキシジンを徐放しつづけることが明らかとなった。またin vitroにおける尿路感染モデル実験より, 通常タイプに比し明らかな感染防止効果が認められつつある。現在臨床応用を検討中である。
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吉田 勝, 浅野 雅春, 嘉悦 勲, 今井 強一, 真下 透, 湯浅 久子, 山中 英寿, 鈴木 慶二
1985 年14 巻2 号 p.
809-812
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
テストステロンを含む卵状の生体非分解ポリマー義睾丸を親水性ビニルモノマーの低温放射線重合によって調製した。得られた義睾丸は1個当り約2.05g(40wt%テストステロン含有)の重さをもつ。この義睾丸からのテストステロンの媒液中(水が主成分)における放出速度はビニルモノマーに対するテストステロンの溶解性(生成ポリマー中での分散状態)および得られたポリマー担体の親水性に依存することが分った。すなわち, テストステロンの溶解性とポリマーの親水性の増加とともに, 義睾丸からのテストステロンの放出は著明に増大した。本研究では, HEMA/HPMA(70/30)コポリマーより成る義睾丸を去勢した家兎の陰のう部位に埋入留置した。この義睾丸からのテストステロンのみかけのin vivoにおける平均放出速度は, 1.2mg/dayであった。一方, 血清中のテストステロン濃度は, 初期段階でゆるやかに減少し, そののち一定値を維持する傾向がみられた。
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中林 宣男
1985 年14 巻2 号 p.
813
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
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酒徳 光明, 平野 誠, 山下 良平, 山田 哲司, 川浦 幸光, 岩 喬, 近藤 保, 荒川 正幸
1985 年14 巻2 号 p.
814-817
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
切除不能肝癌に対する効果増強を目的として5FU-PLA-mcを開発し, 動物実験にて薬剤動態, 抗腫瘍性につき検討した。V×2移植家兎に対して:1群, 5FU-PLA-mc 75mgで大腿動脈塞栓術を施行;2群, 5FU-PLA-mc30mg;3群, 5FUを含まないマイクロカプセル;4群, 5FU30mg注射液を動注;5群, 大腿動脈を結紮切離(コントロール)した。V×2移植後28日目のT/Cは各々1群0.01%, 2群24.6%, 3群72.3%, 4群22.2%であり, 1群でのみ著明な腫瘍縮小を認めた。また, 5FU-PLA-mc動脈塞栓術後の腫瘍内5FU濃度は3日間にわたり有効濃度が持続した。一方, 血中5FU濃度は低値であつた。5FU-PLA-mcは40%の5FUを含み, 大きさは直径約200μmである。細動脈での塞栓が可能であり, いずれは加水分解され体内より消失する。以上より, 本剤は経カテーテル動脈塞栓術の塞栓物質として有用であると思われる。
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山下 良平, 酒徳 光明, 平野 誠, 岩 喬
1985 年14 巻2 号 p.
818-821
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
生体分解性高分子のポリL乳酸と5-Fuを複合し, 5-Fu・ポリ乳酸複合体針(F-PLA針)を新たに開発した。F-PLA針の含有5-Fu濃度は重量比で50%であり, in vivo において約1カ月間の徐放期間を示した。F-PLA針3本(5-Fuにして総量30mg)のをラット肝組織内へ埋め込んだ後の肝組織内5-Fu濃度は, 長期間高値を持続し, 投与後10日目においても0.5μg/gの濃度を維持していた。一方, この間の血清内5-Fu濃度は極めて低値であった。この結果より, F-PLA針の局所への長時間の選択的効果が示唆され, このことは更に組織学検討でも確認された。またAH130腹水肝癌移植ラットに対する抗腫瘍実験では, F-PLA針刺入群で著明な腫瘍の増殖抑制, 更に退縮が認められた。
以上より, F-PLA針は, 局所化学療法における徐放性抗癌製剤の1つとして, 十分にその有効牲を期待しうるものと考えられた。
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山田 明夫, 片岡 一則, 岡野 光夫, 桜井 靖久, 村山 健, 田中 昌和, 添野 利恵子, 近藤 保, 由井 伸彦, 讃井 浩平, 緒 ...
1985 年14 巻2 号 p.
822-825
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
CVの拡散係数がPEGを含まないPEUUの値に比べて主鎖型では約30倍, 末端封鎖型では約3倍となる。しかしながらCVの放出速度はデイバイス全体の膨潤率, すなわち親水性によって規定されるものではかならずしもないことを示した。また血小板粘着率の値はPEGの含量15%附近で極大値を示しており, CVの放出挙動とも相関関係が成立している。このようにセグメント化ポリウレタンウレアの担体のソフトセグメントにPEGを導入することによって, 抗血栓性および機械的強度を保ちながら, 薬剤の徐放性をコントロールすることが可能であることがわかった。
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宮崎 正三, 竹内 繁美, 侯 恵民, 橋口 典生, 横内 千鶴子, 高田 昌彦, 細川 真澄男, 古賀 勇隆, 小林 博
1985 年14 巻2 号 p.
826-829
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
エチレン-ビニルアルコール(EVA1)共重合体中に5-FUあるいはアドリアマイシンを含有させた制癌剤含有EVA1マトリックスを調製し、マトリックスからの制癌剤の放出性とその抗腫瘍効果を検討した。EVA1マトリックスからの制癌剤の放出には徐放性が認められた。また、単にエチレンとビニルアルコールのモノマー比を変えることによりマトリックスからの制癌剤の放出速度を容易に制御し得ることが確認された。さらに、EVA1マトリックスのエールリッヒ腹水癌マウスの腹腔内埋込みにより、担癌マウスの腹水癌による体重増加に対して抑制効果がみられた。また、マトリックス投与群では生存日数が有意に増加した。以上の結果、EVA1共重合体を制癌剤の局所投与材料として用いることにより、患部に対し効率的かつ持続的に制癌剤を放出、作用させることが期待された。
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吉田 勝, 浅野 雅春, 嘉悦 勲, 今井 強一, 真下 透, 湯浅 久子, 山中 英寿, 鈴木 慶二, 中村 光司, 高崎 健, 羽生 富 ...
1985 年14 巻2 号 p.
830-833
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
放射線重合法又は加圧加熱溶融法によってポリマー担体(7mg)中に制癌剤(5mg)を包含し、徐放性機能と局所療法を目的とする種々の針状複合体を調製した。この針状複合体をラットの正常肝臓に挿入し薬物拡散と組織壊死の範囲をコントロールすることを目標として、その壊死の状態を検討した。
ciaplatinを含む生体分解copoly(DL-alanine/β-ethyl-L-aspartate、75/25)を用いた時に最大壊死範囲(14mm径)が観察された。この場合、組織壊死は複合体挿入から3日目で最大に達した。複合体からの制癌剤の放出パターンが微量長期放出および多量短期放出タイプの場合、組織壊死は上記の範囲より著るしく狭くなった。従って、肝臓組織を広範囲に壊死化するには、複合体からの制癌剤のin vivo放出は試験開始から3日程度の期間に集中させ、この期間に仕込み制癌剤量の90%以上を放出させるような複合体系が望ましいと結論した。
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谷 徹, 岡藤 太郎, 花沢 一芳, 遠藤 善裕, 沼 謙司, 吉岡 豊一, 中根 佳宏, 小玉 正智, 寺本 和雄, 村上 睦夫
1985 年14 巻2 号 p.
834-837
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
E. coli由来の内毒素 を繊維状担体に固定化し、不溶性の材料(LPS-F)とした。in vivoにて家兎Vx2腫瘍に対し、LPS-F充填カラムによるDirect hemoperfusion (DHP)療法を採用した。
実験I NZW家兎背部皮内に4×10
5個のVx2腫瘍を移植、1) 群として4~5日後、2) 群は7~9日後に治療した。腫瘍増殖は2群とも有意に抑えられる期間があり、生存率も前者にて2/5例(40%)後者で1/5(20%)であつた。
実験II BCG生菌を約1×10
8個静注し翌日大腿:筋内へVx2腫瘍1×10
6個移植した。日白家兎に治療群12羽につき14日目e(DHPを行った。治療後16日目の大腿筋肉の厚さではBCGのみのコントロール群5羽とに有意に抑制効果を認めた。又47日後の生存率では治療群にて8/12 (67%)、コントロール群にて2/5 (40%)であつた。又DHP後の血清中にIFNとTNF様物質の誘発が確認された。
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桜井 靖久
1985 年14 巻2 号 p.
838
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
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永井 勲, 東権 広, 久慈 敏信, 青野 幸治, 小野 仁志, 白石 成二, 樋野 正治, 木村 茂
1985 年14 巻2 号 p.
839-842
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
胸壁腫瘍その他で多数の肋骨を切除する場合があるが、この欠損部分を補填するために骨接合部にセラミックピンを用いたプラスティック製人工肋骨を試作した。まず犬を使用した実験において多数肋骨切除による呼吸機能の低下と、人工肋骨移植による呼吸機能の回復を示し、人工肋骨移植の必要性を強調した。次に4種類の骨接合ピンと2種類のプラスティック棒を用いて人工肋骨を作り犬に移植した後2週間で固定・接合状態を検討した。その結果接合ピンは残存肋骨髄腔に挿入できて、かつ太く、挿入部にクサビがあるものを長く挿入する場合が固定・接合が良好であることが判った。またプラスティック製の人工肋骨本体は、移植による周囲組織と異常反応等は肉眼的にはみられなかった。これらセラミックとプラスティックは組織学的には、長期移植で問題がないことが実証されていることから、ある期間移植し固定が良ければ臨床的に使用も可能と考えられる。
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加藤 弘文, 中村 達雄, 住友 伸一, 田村 康一, 渡部 智, 清水 慶彦, 糸井 和美, 寺松 孝
1985 年14 巻2 号 p.
843-846
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
アルミナセラミックス製板状胸骨を直立歩行動物カニクイザルに置換埋入し, 有用性と安全性について検討した。とくに大きさと接合法について次の結果を得た。(1) 大型板状胸骨について, 非使用群は急性期に呼吸不全で死亡する。生存しても低肺機能で ,体重の増加は乏しい。使用群は胸郭の形態と機能が完全に保持され, 胸囲, 体重, 呼吸運動機能の発達も順調である。(2) 小型板状胸骨では使用群, 非使用群の2群に大差はなかった。(3) 重畳法, 単純縫合は早期に脱却し, 髄内挿入固定法のみが, 胸骨と長期に結合性が得られた。しかし接合部への応力集中により, 接合面に膠原線維の増生がみられる。以上により, 大型板状胸骨を髄内挿入固定すれば長期に安定で, 呼吸不全の回避に有用である。
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前田 富與, 竹内 克彦, 中島 進, 林 秀雄, 表 由晴, 山崎 弘資, 久保 良彦, 鮫島 夏樹
1985 年14 巻2 号 p.
847-850
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
以前、Silicon tube graftを用い頸部気管置換実験を施行した。いずれもGraftの逸脱を生じ、狭窄及び肺炎を発生し早期に死亡した。今回meshを用いアーチ型Graftを作製し、雑種成犬頸部気管にて置換実験を施行したので報告する。meshの材料としてPolypropyleneを採用。Polyethyleneにて補強し、Glutar Aldehyde処理又は加圧加熱Fibrinにてmeshの目を塞いた。Graftの変形は4例認めるも内腔は保持された。端々吻合にては吻合部の開, 狭窄を生じる例が多く、現在は外挿の型で吻合している。mesh graftへの肉芽侵入は3~4週後より始まりGraft逸脱防止に重要な役割を果している。最長生存は現在1年2カ月である。
適度の弾性, 強度を持つたmeeh人工気管は、生体組織との一体化にて理想的人工気管となる可能性がある。
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渡部 智, 清水 慶彦, 中村 達雄, 人見 滋樹, 日野 常稔
1985 年14 巻2 号 p.
851-854
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
一般的に, 医用生体材料, 特に生体内埋植用医用材料が具備すべき性質として, 生体適合性および生体機能性が求められている。我々は, この観点から, 生体適合性の高いコラーゲン合成高分子複合体に, 酵素固定化技術を応用して, 酵素, ホルモンなどの生理活性物質を固定化し生体機能性を兼備した医用生体材料を開発してきた。このような医用生体材料を生体内に埋植するに像して, 細菌感染は重大な障害となっている。また, 細菌汚染巣を有する部位へも適用可能な医用生体材料が希求されている。そこで, これらの点を考慮し, 生体防御の観点より, ペプチド系抗生物質Polymyxin B (PL-B)を固定化した抗菌性医用複合材料を開発した。今回は, この材料について検討を加え, PL-Bの固定化反応条件の基準化を行い, 臨床応用の一段階としてPL-Bを固定化した抗菌性尿道カテーテルを開発し, 実験的検討を行った。
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北岡 建樹, 田村 克彦, 児島 弘臣, 闘口 孝, 佐藤 昌志, 越川 昭三, 中林 宜男
1985 年14 巻2 号 p.
855-858
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
人工素材と生体との癒合性や親和性を検討するため, コロイダルカーボン(CC)をラット背部皮下組織に植え込み, 肉眼的・組織学的に検討した。予備実験としての角型炭素植え込み実験から, CCと周囲組織との癒合性や親和性が良好であることが確認された。組織学的にも術後3週目で周囲組織との接合は良好で, 炭素材の中に線維芽細胞の侵入が認められた。
特殊技術によりflexibilityのある紐状CCを開発し, 同様の植え込み実験を行った。比較のため炭素を装着しないシリコン, テフロン, ゴアテックスを用いて検討した。対照素材に比較してCC使用時には周囲組織との癒合, 親和性は優れていることが認められた。皮膚表面に素材を一部露出させ, 皮膚貫通部の癒合を検討したが強固に接合し, 十分に固定されていた。組織学的にもCC繊維間に線維組織が密増生し, 癒合性を高めていると評価された。この紐状CCをCAPD用カテーテルに装着する臨床応用が考えられた。
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渡辺 昭彦, 今井 庸二
1985 年14 巻2 号 p.
859-862
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
12種の高分子材料上で細胞培養を行ない, 培養細胞と基質をできるかぎり同時に観察できるような試料作製法を工夫, 選択しながら, 透過電顕で細胞の微細構造及び細胞一材料界面を観察し, 材料の生体適合性の評価を行った。材料の表面には吸着タンパク質の層が認められ, 細胞との距離は10~50nmであった。細胞の初期付着率, 増殖速度ともに大きい材料では細胞は扁平によく広がっていた。付着率が大きくてもやや細胞毒性があると思われる材料では細胞にやや空胞化が認められた。付着率が小さいフッ素系高分子では, 細胞間は疎に凝集していた。細胞の微細構造から見るかぎり全体的に材料間で大きな違いは認められなかった。しかし, 異常な付着性・増殖性を示す場合には, その現象を理解する上でTEM法は有用であった。エチレンービニルアルコール共重合体は通常の方法により容易に包埋, 超薄切でき, 培養細胞の電顕的研究の上で非常に有用であると思われる。
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清水 慶彦
1985 年14 巻2 号 p.
863
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
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岩田 博夫, 雨宮 浩, 松田 武久, 松尾 好祥, 高野 久輝, 阿久津 哲造
1985 年14 巻2 号 p.
864-867
発行日: 1985/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
ホルモン産生細胞を一構成要素とする3つのタイプ(マイクロスフィア, 袋状膜と中空糸)のハイブリッド型人工臓器を試作した。またそれぞれに適した高分子材料を既存の材料の中から取捨選択, または新たに合成した。今回ホルモン産生細胞として膵臓のラ島を用いた。繊維芽細胞がovergrowthするような条件下で長期培養すると, ラ島のインシュリン産生能は急激に低下した。このことから考えて, 人工膵臓を作成するのに用いる高分子材料として, Recipientと接する側は言うにおよばず, ラ島と接する側にも繊維芽細胞が生育しない材料が望ましい。PVA中空糸中でラ島の培養を行うと長期にわたりインシュリンを産生し続けることがわかり, PVA中空糸は非常に有望な材料と考える。また今回調べた他の材料中で有望なものは, アガロースのマイクロスフィアとPAAmグラフト化袋状膜であった。今後この三つを使用してin vivoで機能面から研究を進めていく。
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