日本調理科学会誌
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56 巻, 5 号
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総説
報文
  • 池ヶ谷 篤
    原稿種別: 報文
    2023 年 56 巻 5 号 p. 199-208
    発行日: 2023/10/05
    公開日: 2023/10/10
    ジャーナル 認証あり

     本研究は,食パンへの油脂系のスプレッド素材の添加が,その後口腔内で形成される食塊の物性に及ぼす影響を明らかにすることを目的として実施した。異なる量のバター,マーガリン,2種のファットスプレッドを人工唾液とともに砕いたパンクラムと混合し,模擬食塊を調製してその食感を測定した。また,油と水を異なる比率で混合してエマルジョンにし,同様に模擬食塊を調製して評価した。その結果,油脂系のスプレッド材を添加することで,模擬食塊の硬さと付着性が低下し,この効果は添加量を増加するとともに大きくなった。また,バターやマーガリンと比較して油脂の比率の少ないファットスプレッドが硬さと付着性の低減により有効であった。キャノーラ油と水を混合したエマルジョンを評価した結果については,キャノーラ油を添加することにより,水のみの場合と比較して模擬食塊の硬さ,凝集性,付着性のいずれもがより低下した。

  • 関本 美貴
    原稿種別: 報文
    2023 年 56 巻 5 号 p. 209-218
    発行日: 2023/10/05
    公開日: 2023/10/10
    ジャーナル 認証あり

     近代の日本の食生活において,ジャガイモがハレ食に定着していた地域の特徴およびその要因を明らかにすることを目的とした。『日本の食生活全集』を資料として,1930年前後の大正末期から昭和初期における全国的な傾向を調査した結果,東日本の寒高冷地などにおいて,主に煮物や汁物の材料としてジャガイモがハレ食に利用されていた。

     ハレ食が多くみられた山梨県および岐阜県の山間部の地域について,日記,紀行文,市町村誌,民俗調査報告書などを資料として詳細な調査を行った。いずれの地域でもジャガイモが江戸時代に導入され,絶えることなく盛んに栽培されてきたこと,様々なハレの場面にジャガイモが取り入れられていたことが分かった。長い間ジャガイモが利用されるなかで,地域の食文化に定着し,大切な食べ物として受け継がれ,ハレ食にも利用されるようになったと考えられた。

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