キノコ粉末(ササクレヒトヨタケ,アンニンコウ,ヒメマツタケ)を添加した衛生ボーロを電子スピン共鳴(ESR)により分析した。各キノコ添加衛生ボーロ粉末のESRスペクトルは有機フリーラジカルと思われる
g値2.0の一本線信号が観測された。ヒメマツタケ添加衛生ボーロ粉末からは原材料由来のFe
3+に由来すると思われる弱い信号が
g=4.0の位置に観測された。対照の衛生ボーロ粉末とキノコ添加ボーロ粉末から観測された一本線信号の信号強度は異なる緩和挙動を示した。信号強度から計算した緩和時間(T
1とT
2)は各サンプルで違いが見られた。キノコを添加した衛生ボーロのラジカル成分は無添加の衛生ボーロとで違いが見られた。このことから,キノコ添加衛生ボーロ中にはキノコ成分由来の新たなラジカル成分が生じていることが示唆された。
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