日本調理科学会誌
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51 巻 , 3 号
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総説
報文
  • 阿部 真紀, 澤山 茂, 秋田 修
    2018 年 51 巻 3 号 p. 142-150
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/22
    ジャーナル フリー
     本研究は,豚肉の塩麹漬け調理における塩麹中の酵素や食塩の効果を調査する目的で行った。組成の異なる塩麹で漬け込みした豚ロース肉を湿熱加熱した試料の食感についての官能評価では,塩麹にタンパク質分解酵素を1.2%添加したものが最もやわらかいと評価された。塩麹試料に漬けた肉では,すべての官能評価項目において漬け込みしない対照肉よりも高評価であった。やわらかさについての官能評価結果と機器測定結果には相関が認められた。肉の遊離アミノ酸総量は,塩麹と酵素1.2%添加した塩麹に漬けた試料で対照に比べて2~3倍増加し,グルタミン酸量は対照の2倍以上となった。アミノ酸の増加は,塩麹中のタンパク質分解酵素の効果によるものと考えられた。また,塩麹中の塩分には酵素の肉中への浸透を促進することで酵素作用を高め,さらに肉の保水性を高め加熱損失を低下させることなどの複合的な効果によって,塩麹が肉の食味性を向上させていることが示唆された。
  • 村田 美穂子, 前田 ひろみ, 塩田 良子, 政田 圭子
    2018 年 51 巻 3 号 p. 151-164
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/22
    ジャーナル フリー
     昭和30年代から40年代頃に広島県西部地域に定着していた家庭料理と暮らしの背景を聞き書き調査した結果から,家庭料理のあり方と今後の展望について提言する。対象者は4地区(広島市西区井口・佐伯区湯来,廿日市市地御前,大竹市南栄)で30年以上居住した60代以上の人とした。日常食は「ご飯,味噌汁,漬物」を基本に主にだしはいりこだしを用いた。家庭料理を工夫し,カレーライスやコロッケなどの洋風献立も食べた。ハレの日は家庭で行事食を手作りし,御逮夜(おたんや)では煮ごめを食べた。間食は農作物を使ったもの,駄菓子類(チョコレートやガム)やバナナ,手作りの菓子であった。伝え継ぎたい家庭料理は,寿司,鯛そうめん,煮ごめ,刺身こんにゃく(山ふぐ),ちまき,のっぺ汁,もぶりであった。現代は食の外部依存が進んでおり,家庭料理のあり方が変化しているが,家庭料理は家族を結びつけるとともに先人の知恵を次世代に伝え,家庭の味を伝承する役割をもつ。家庭料理には家族を大切に思う人々の思いが現れていた。家庭料理の役割を再認識し,家庭での料理作りを実践してほしいものである。
  • 佐藤 瑶子, 入山 明日香, 香西 みどり
    2018 年 51 巻 3 号 p. 165-172
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/22
    ジャーナル フリー
     湿式加熱における品質制御の視点から,蒸し加熱及びゆで加熱の軟化の速度定数を測定し,試料内部の温度及び硬さの変化を予測し,官能評価を行った。軟化の速度定数は,85℃付近ではゆで加熱が,100℃付近では蒸し加熱の方が大きかった。しかし,蒸し加熱とゆで加熱の硬さの平均値から求めた軟化速度を用いて加熱時間を予測し,実際に試料を加熱して官能評価を行ったところ,加熱法によって硬さの評価に有意な差は認められなかった。よって,硬さの測定結果より,蒸し加熱とゆで加熱では温度域によって軟化速度にわずかな差はあるものの,加熱時間を同じとしても,ほぼ同程度の硬さに仕上がることを官能評価の結果から確認した。
ノート
  • 真部 真里子
    2018 年 51 巻 3 号 p. 173-179
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/22
    ジャーナル フリー
     鰹だしについて,これまでに,鰹だしに含まれるうま味以外の呈味物質が塩味増強効果を示すことが報告されているが,その原因物質は未だ特定されていない。そこで,本研究では,鰹だしの主要な呈味成分であるヒスチジン(His),乳酸,カルノシン(Car)に着目し,その塩味増強効果について官能評価によって検討した。
     プロビット法で解析した結果,三者の中で,Hisにのみ明確な塩味増強効果が認められた。また,乳酸とCarがHisの塩味増強効果に補足的に作用しないかについても,同様に官能評価によって検討したところ,いずれの物質にもHisの塩味増強効果を上昇させる作用は認められなかった。以上のことから,鰹だしに認められた塩味増強効果は,主にHisに起因すると考えられた。
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