日本調理科学会誌
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37 巻, 4 号
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  • 藤井 昭子
    2004 年37 巻4 号 p. 335
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
  • 上部 光子, 秋山 舞子, 西成 勝好
    2004 年37 巻4 号 p. 336-343
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    白玉粉調理の生地作りでは,水を白玉粉の80~90%加えて捏ねる. この混捏時は,水分の多少により,生地のひび割れやだれを生じ,生地の捏ね操作上で扱い難い欠点がある. 白玉粉生地の調理操作性改善方法としては,捏ねた生地の一部をゆで生地量の違いによる生地の取り扱いやすさや,生地のレオロジー特性値を検討した. さらに,元宵と白玉団子の食味の官能検査について検討し,以下のような結論を得た. 1)生地作り操作上の難易度の評価,および,ゆで後の食味の官能検査については,ゆで生地5%混入試料が捏ね時に操作しやすく,ゆで後の食味の官能検査結果から美味しいと認められた. 2)円柱形に成形した生地についてテクスチャー・プロフィールアナリシスの結果, (1) ゆで生地無混入試料は硬く,多少べたつき,ぼそぼそとまとまりが悪い生地で,圧縮応力が最高値を示し,硬かった. また,ゆで生地混入試料は,混入量が多くなるにつれ圧縮応力が小さくなり,生地が柔らかく,捏ね操作がやりやすくなった. しかし,ゆで生地7.5%以上の混入試料は生地が柔らかすぎて扱い難いことが示された. (2) ゆで生地5%混入試料ではゆで生地2.5%混入試料に比べ付着量が少なく,触感から見て粘り気をおびて扱いやすかった. 3)円盤形の生地の周縁を保持し,中心部を球形プランジャーで圧縮して引き伸ばす測定において,ゆで生地が増すにつれ,生地が柔らかく,粘り気が加わり伸びやすいことがわかった. ゆで生地5%混入試料は,荷重一変形曲線から見ても,生地作りの操作上で扱いやすい生地であることを見出した.
  • 下坂 智恵, 杉山 静代, 熊谷 佳代子, 木下 朋美, 市川 朝子, 下村 道子
    2004 年37 巻4 号 p. 344-351
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    カスタードプディングの基本的な配合割合にクリームを添加し,嗜好性の高いプディングの配合割合を検討した. 基本材料である鶏卵,牛乳,砂糖にクリームを加えてプディングを調製し,乳脂肱植物性脂肪のクリームがプディングの物性,食味に与える影響を調べようとした. その結果,次のことが明らかになった. 1.プディングは,牛乳の一部を乳脂肪クリームで代替することにより,破断荷重値が有意に低くなり,官能検査においても,基本と比べ,軟らかく,甘く,総合的においしいと評価された. 植物性脂肪クリームを加えたプディングは,代替量が増加することにより硬くなる傾向を示した. 鶏卵の一部をクリームで代替したプディングは,白く,やわらかく,甘く,なめらかなプディングとなり,総合的に好まれた. 2物性試験において,牛乳の一部を乳脂肪で代替すると破断荷重値が低下し,クリームの割合が高くなるにつれ,さらに低下した. 一方,植物性脂肪クリームで代替すると,少量の代替ではやや低下したが,代替割合を高くすると逆に破断荷重値が高くなった. クリープメータによる荷重曲線から,プディングの物性が材料配合の割合で異なり,水分よりもクリームの種類,牛乳及び鶏卵の割合が影響することが示された. すなわち,牛乳の一部を植物性脂肪クリームで代替したプディングは,基本プディングとほぼ同様の荷重曲線を示した. しかし,乳脂肪クリーム代替では,荷重曲線にみられたピークが低く,乳脂肪クリームと植物性脂肪クリームでは,プディングの物性に対する影響が異なった. また,鶏卵の一部をクリームで代替したプディングは,非常にゆるやかな,破断荷重値が低い曲線となり,乳脂肪クリームと植物性脂肪クリームとの違いはほとんどみられなかった. 3.プディングの組織を顕微鏡で観察すると,加えたクリームの種類により脂肪球の大きさが異なっていた. 乳脂肪クリームでは,脂肪球が大きくこれがたんぱく質の結合を阻害していると考えられた. 植物性脂肪クリームでは,均一な細かい脂肪球が全体に分散していた. 小さな脂肪球の多粒子が集まって凝集を起こし固化するために硬くなるものと推察した.
  • 綿貫 亜紀, 原 安夫, 新井 映子
    2004 年37 巻4 号 p. 352-359
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    水道水を弱電解処理して得られる電解生成水(酸性電解水およびアルカリ性電解水)と水道水を使用して,超微細米粉を原料とする米粉パンを調製した.官能検査および機器測定によるパンの特性評価を通して,米粉パンへの電解生成水の利用の可能性を検討した.酸性電解水およびアルカリ性電解水を使用すると,水道水を使用した場合よりいずれもパンの膨化性が向上して比容積が増加し,クラムは軟化した. これらの改変効果は,官能検査においても確認された. 酸性電解水による膨化性の向上はタンパク質の溶解性の変化,アルカリ性電解水による膨化性の向上はでんぷんの糊化特性の変化によることが示唆された. 砂糖を20%減量してバンを調製した場合にも,酸性電解水およびアルカリ性電解水による改変効果は確認された.また,酸性電解水の使用は,クラストの着色を促進した. 以上の結果より,電解生成水の使用は米粉バンの特性改変に有効であり,添加する砂糖の減量も可能であることから,米粉パンの品質向上に寄与できると結論した.
  • 永塚 規衣, 大野 隆司, 大川 佑輔, 松下 和弘, 仁科 正実, 峯木 眞知子, 長尾 慶子
    2004 年37 巻4 号 p. 360-365
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    煮こごりを始めとするゼラチン料理に加えられるアルコール量のゲル化に及ぼす影響をみるために低濃度から高濃度(1%,3%,5%,10%,20%)まで変化させたアルコール添加ゲルを調製し, 動粘度モニタリングシステム, 旋光度, 動的粘弾性, レオメーターによる力学特性及び170-NMRのスピンー格子緩和時間(T1)の測定, 電子顕微鏡によるゲル内部の組織観察を行い, 得られた結果を以下にまとめた. (1)アルコール添加濃度が高濃度になるほどゼラチン分子のゲル化特性(ゲル化温度, 旋光度, 粘性率及び弾性率の低下)に影響を及ぼし, 初期の架橋形成も遅れることが示唆された. つまり, 高濃度のアルコール添加はゲル化が阻害されることが明らかとなった. (2)10%以上の高濃度アルコール添加ゲルの物性は, 表面はゴム状の延性的性状を有したが, (1)の結果から内部は網目構造の少ない口どけの早いゲルを形成すると推測された. (3)ゾルのNMR測定及びゲル内部の組織観察から, 10%以上の高濃度アルコール添加はアルコールと溶媒の水との相互作用により, ゼラチン分子の網目形成が阻害され, ネットワークの少なく組織構造の変化したゲルを形成することが認められた.
  • (腸管出血性大腸菌O157に関連して)(第5報)フライパン使用時の場合
    安田 直子, 石村 哲代, 大島 英子, 大喜多 祥子, 阪上 愛子, 殿畑 操子, 中山 伊紗子, 中山 玲子, 樋上 純子, 福本 タミ ...
    2004 年37 巻4 号 p. 366-374
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    腸管出血性大腸菌0157食中毒を予防する目的で牛肉ハンバーグを焼成し,ふたの有無が内部温度に及ぼす影響について検討した. 試料は厚さ20mmとし,焼成にはフッ素樹脂加工のフライパンを用い,中火加熱1分後弱火とし,焼成開始6分で反転し計11分間の焼成条件とし,次の結果を得た. 1.ふたをして焼成した場合,ハンバーグ内部温度最低点は,反転時は底面より15mm点に,反転後は焼成膨化に伴いやや下部となり,焼成終了前は,試料中心付近やや下部(底面より12-151nm点)にあった. 従って焼き終わりの判断に竹串をさして肉汁状態を見る場合はフライパン焼成ハンバーグにおいて,ほぼ中心(やや深く)に竹串をさすとよい. 2.内部温度履歴を比較すると,ふたをした場合は焼成終了時に内部温度は75℃ に達し,反転後ふたをした場合は焼成後に余熱で75℃ に到達し,ふたをしない場合は75℃ に到達しなかった. フライパンでのハンバーグ焼成においてふたをすることは75℃ を確保するために必要であり,ふたをする時間は長い方が望ましいと思われた. 3.ふたの有無は75.C到達時間だけでなく,余熱へも影響した. ふたをすることは余熱最高温度を高く,75℃ 保持時間を長く保った. 4.ふたをしない場合,フライパン表面温度はふたをした場合より終始高くなるにもかかわらず,フライパン内空気温度は55℃ 前後と低く,ハンバーグ上面温度もふたをした場合より20-30℃ 低かった. ふたの有無によるフライパン表面温度は焼き色など性状に,フライパン内空気温度やハンバーグ上而温度の差はハンバーグの内部温度上昇に影響を及ぼしていると考えられた.
  • 中村 光良, 光田 佳代, 松田 秀喜
    2004 年37 巻4 号 p. 375-382
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    水,本みりん,煮切りみりん,ショ糖溶液及びエタノール溶液で小豆を下ゆでし,煮汁の分析を行い,小豆色素の溶出抑制効果の解明を行った. さらに,ショ糖溶液で蜜煮にした小豆のてりつやの測定によりてり・つや付与効果,胴割れ豆,軟化豆,軟化未了豆の割合,テクスチャーの測定を行い,煮崩れ防止効果について解明を行った. 1.下ゆで時の煮汁の濁度から,小豆の可溶性成分の溶出抑制効果は,溶液に含有する糖であることが示唆された. 豆に含まれる赤色色素の溶出抑制に関しては,加熱30分後までについては,糖を含有する区で溶出抑制効果が認められた. ショ糖,煮切りみりん,本みりんでは,本みりんが最も溶出抑制効果が高かった. エタノール及び水では,30分加熱以後,赤色度は増加しなかった. 濁度も同様に本みりん20%溶液,煮切りみりん20%溶液,92%ショ糖溶液の糖を含有する溶液は,2.8%エタノール溶液及び水よりも濁度が低く,可溶性成分の溶出を抑制している成分は糖であることが示唆された. 2,小豆の蜜煮に対するてり・つや付与効果は,本みりんを使用したものが最も高く,本みりんのてり・つや付与効果が確認された. 3.小豆の煮崩れ防止に寄与する成分は,糖であるが,糖は煮崩れ防止に寄与すると共に,軟化を抑制することがわかった. また,エタノールは軟化を促進するため,本みりんのように両成分を含有する調味料が煮崩れを防止し柔らかい豆を得ることが可能であることがわかった. 4.小豆蜜煮においては,柔らかさと食感の好ましさは一致しており,柔らかい小豆蜜煮を作ることがおいしさにつながることがわかった. 本みりんを用いた場合,予め水だけで10分間加熱してザルにあげて,渋切りを行い,その後,本みりん溶液で下ゆでをし,加熱調理することによって,柔らかい小豆蜜煮を得ることが可能である.
  • 飯島 久美子, 米田 千恵, 小西 史子, 綾部 園子, 香西 みどり, 畑江 敬子
    2004 年37 巻4 号 p. 383-389
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    A questionnaire survey was conducted on 1771 students in the age range of 15-23 years to investigate their fruit preference. The response to each question on fruit preference was rated on a scale of nine. The questionnaire also included the question on the ease of eating of 13 kinds of fruit, and the water content and content ratio of sugar and organic acids were also examined. Pear was most preferred, followed by peach and strawberry, while persimmon was most disliked, followed by summer-orange and grapefruit. Female students preferred pear, peach, strawberry and orange, while male students preferred grape, persimmon, melon and banana. A significant correlation was recognized between the ease of eating and the fruit preference. However, pear and peach were liked, although they are not easy to eat. The water content was lowest in persimmon, and highest in strawberry, pear and peach. The content ratio of sugar to organic acids was lowest in summer-orange and grapefruit, and highest in persimmon. The water content and content ratio of sugar to organic acids are therefore considered to affect the fruit preference.
  • 神田 知子, 安藤 真美, 五島 淑子, 櫻井 菜穂子, 花井 玲子
    2004 年37 巻4 号 p. 390-400
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    山口県の豆類といも類を用いた料理に関するアンケート調査および聞き取り調査を行い,山間部(阿東町)と海岸部(山陽町)における地域性を検討したところ,以下の知見が得られた. 1)阿東町は豆類やいも類の自家栽培が多く,平均6.4種類の作物を栽培していた. またきな粉,豆腐,こんにゃくなどの食品を手づくりしている世帯も多かった. 一方,山陽町では,平均2.8種類の作物が栽培されていた. 2)阿東町では,自家栽培の多い食材を用いた料理が多く,工夫して食されていることが明らかとなった. 一方,山陽町では出現した料理の種類が多く,とくにじゃがいもと木綿豆腐の料理が多かった. 3)行事に関連する料理は阿東町の方が多く,葬式の料理を地域で作るという風習も残されていた. 4)豆類を用いた郷土料理である「けんちょう」と「いとこ煮」について検討した結果,材料や作り方に両地域で違いが見られた. 本研究を行うにあたり,アンケート調査にご協力いただきました阿東町消費者連絡協議会と山陽消費者の会の皆様に深謝いたします. なお本研究は日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学」の一環として行った. また平成13年度日本調理科学会大会において発表した.
  • その実態と対策
    小川 正
    2004 年37 巻4 号 p. 401-409
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
  • 宮内 克之
    2004 年37 巻4 号 p. 410-418
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
  • 角野 猛
    2004 年37 巻4 号 p. 419-423
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
  • 吉村 葉子
    2004 年37 巻4 号 p. 424-428
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
  • 岡野 節子, 堀田 千津子
    2004 年37 巻4 号 p. 429-432
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    三重県を中心に滋賀県,愛知県など「毬もち」について聞き取り調査および文献収集を行った結果,次の回答が得られた. 1)餅の語源は4分類することができる. 2)餅の上面につけてある米粒の状態は4分類することができる. 3)形状は円形が最も多く,はまぐり形,扁平丸形,おひなさま形に分類される. 4)全国の分布は日本の中央の地域に多く広がっている.
  • 津田 淑江
    2004 年37 巻4 号 p. 433-434
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
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