本研究では,大量調理施設における卵調理加工食品の緑変化によって引き起こされる品質低下抑制のため,還元糖類添加による効果について調査した。
還元糖類添加により卵調理加工食品の硫化水素生成抑制を達成できたが,緑変化抑制と同時にメイラード反応による褐変が認められた。硫化水素生成抑制効果と褐変について,還元糖間での比較を行った結果,五炭糖>六炭糖>二糖類の順であった。還元糖を添加した場合,五炭糖は硫化水素の生成を完全に抑制できたが,著しい褐変が生じ,品質上問題であった。六炭糖では硫化水素の生成を対照の半分程度に抑制でき,六炭糖間では褐変の程度が低いことからフルクトースよりグルコースの方が適していると考えられた。
またグルコースの添加濃度は,緑変化の抑制の程度,硫化水素の生成量,褐変の程度から判断すると,全卵溶液に対し,0.2 Mが最適であった。
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