15 wt%のコーンスターチゲル(澱粉乾燥重量で13.0 wt%)の力学特性に及ぼすショ糖添加効果について,DSC測定およびゲルの一軸圧縮測定により検討した。0~50 wt%のショ糖を,コーンスターチ分散液の加熱前または加熱中に添加した。ショ糖を澱粉に添加すると,澱粉の糊化温度は高温側へ移行し,糊化エンタルピーが高くなり,糊化は起こりにくくなった。しかし,ショ糖添加コーンスターチゲルは,コントロールと比べて破断するために大きな力を要し,また,大きな力をかけても壊れずに変形し,しなやかだった。この効果はショ糖を澱粉の加熱前に添加したほうが顕著だった。
また,ショ糖を添加したコーンスターチゲルを保存すると,コントロールと比べて力学特性の保存に伴う変化量および変化速度が大きかった。しかし,20 wt%を超えるショ糖を加熱前に添加した場合には,保存に伴う力学特性の変化量が小さく,老化の進行度合がゆるやかだった。また,ショ糖を澱粉の加熱中に添加したほうが,保存に伴う変化量および変化速度は小さかった。
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