(1)白菜の選択受精に関する一連の研究,とくに遺伝学的研究結果を基礎にして,選択受精を利用するF
1採種法を理論的に組み立て,また実用面についての2,3の実験をも行なった。(2)S遺伝子の種類によって,各種の採種法が組み立てられるが,単交雑(Fig.1),3系交雑(Fig.2)および複交雑(Fig.3)について,いくつかの例を示した。(3)F
1種子は大粒である傾向はあるが,小粒種子中にもF
1がかなり含まれている(Table1)。またF
1種子は品種内交雑種子より発芽が速く(Table2),幼苗期に間引きによって,F
1個体のみを残しうる可能性がある。(4)F
1の耐病性(バイラス・軟腐病)は現品種よ高い(Table3)。(5)花心白菜に対する混合受粉で,品種間交雑率は自家不和合個体より,自家和合体で高い(Table4)。
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