育種学雑誌
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24 巻, 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 桑田 晃
    1974 年 24 巻 5 号 p. 207-210
    発行日: 1974/10/31
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    A.tuberculatus(2n=58)とA.Manihot(2n=68)との相反交雑では,前者を母親にした場合にのみ,交雑に成功した。F1は著しく雑種強勢を示し,草丈は勿論,葉,花,等は両親よりも大きかった。F1の花粉稔性は著しく低く,種子は完全に不稔であった。F1植物の体細胞の染色体数は2n=63であり,成熟分裂では,大部分の細胞が63Iを示した。したがって,両親の問に相同のゲノムは存在しないことが判明した。
  • 生沼 忠夫, 吉田 徹
    1974 年 24 巻 5 号 p. 211-216
    発行日: 1974/10/31
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    最近の葯培養技術の進歩により,タバコでは容易に半数体を得ることができるようになり,半数体育種法が実用化されつつある。 しかしながら半数体から倍加して作成した2倍体(半数体倍加系統)は弱勢化する場合があると言われている(KAD0TANI and KUBO 1969,NAKATA 1971.1972,BURK et al.1972)。この弱勢化あるいはその他の遺伝的変異が,どの程度一般的に起こるのかを知るために,本実験を行なった。まず,ハーレー種タバコの3品種,Burley 21,Ky 1O,Harrow Velvetの各1個体を自殖して正常2倍体系統を作成するとともに,同一親個体の蒲を培養して半数体を育成し,根組織培養により倍加系統を作成した。 2年間にわたりこれらの半数体倍加系統と正常2倍体系統を比較したところ,供試した9系統中DH-1,DH-4,DH-7の3系統は明らかに正常2倍体系統よりも生育が不良で収量も低かったが,正常2倍体系統よりも多収の系統は見出されなかった。全葉数は一般に遺伝力の高い形質であるが,DH-6では約4枚増加していた。これらの結果はかなり高い頻度で半数体倍加系統問に遺伝的変異が生ずることを示唆している。同一半数体より作成した倍加系統間には差異が認められなかったので,ここでみられた半数体倍加系統間の変異は半数体育成中に生じた突然変異によるものであろうと推察される。
  • 山本 俊雄, 蒲生 草磨
    1974 年 24 巻 5 号 p. 217-225
    発行日: 1974/10/31
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    カイコにおける給桑量と育種効果との関係を究明することを目的とし,飽食飼育,飽食飼育の1/2および1/3の給桑量の3栄養条件のもとで,繭重,繭層重をそれぞれ20%および14%の選抜強度で数世代にわたり選抜し,給桑量とカイコの競争との関係,各世代における給桑量の諸形質に及ぼす影響ならびにその選抜効果について調査し,次の結果を得た。1)給桑量の制限により個体間変異は拡大されたが,その程度は形質により相違し,繭重では変異は小さかったが,繭層重では顕著であった。2)制限給桑飼育によりカイコの個体問で競争が起り,その結果最的形質の変異は個体間で拡大されるものと推論した。3)制限給桑飼育は当代ではカイコの成長に著しく影響し,諸形質を低下させたが,その影響は繭層重>繭重>経過日数>繭層歩合>生存率の順位で相違した。4)制限給桑飼育は夏蚕期のような高温多湿で葉質の劣る環境とは相乗して,形質を著しく低下させた。5)制限給桑飼育を行なって繭重および繭層重について数世代選抜を行なった後代においてその効果を比較したところ,飽食飼育により同様に選抜継代された対照系統との間に差異は認められなかった。6)幼虫の経過日数,生存率,産卵数,食下量,消化量,消化率,生糸量歩合,繭糸長などについて,後代における制限給桑の影響を調べたが,飽食飼育により継代された対照系統との間に差異はみられなかった。
  • 森島 啓子, 岡 彦一
    1974 年 24 巻 5 号 p. 226-236
    発行日: 1974/10/31
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    本研究の出発点は,序論に述べたように,成長は時間の関数であり「表現型=遺伝子型+環境」と言う統計遺伝学の基本的観念は収量決定のダイナミックスを理解するには機械的すぎることである。この見地から私達は品種間雑種F7系統の成長曲線の変異を分析し,その遺伝的支配と収量要因との関係を報告Lた(0KA et al.1970)。本報告は,この点をもっと詳しく検討するため,JIBP/UM班(班長松尾孝嶺)における適応性研究の一環として,国際稲適応性試験(I.R.A.E.;MATSUO et al.1972)の成績の一部を分析した結果である。 籾収量と通常の生産形質の他に,生育途中(4回測定)の乾物重とそれぞれの測定月日ならびに成熟時乾物重が記載されたデータは1968~70年(Phase A)における静岡農試(29品種)および1971~72年(Phase B)における新潟,埼玉,佐賀,宮崎,Beaumont(テキサス)各農試の成績(10品種)から得られた。それぞれ2反覆,2肥料条件の品種試験である。各区,各品種の乾物重のデータをPearl-Reed(二次)のロジスティック方程式にあてはめ,成長曲線の特徴を示す数値として出穂前25日,出穂当日および出穂10日後の成長率(それぞれR-25,およびR0),最大成長率(R10),最大成長率を示す日から出穂までの日数(Rmax),最大成長率を示す日から成長率がその半分になるまでの日数(Max-H),などを求めた(表1,2)。これらの変異の調査から次の結論が得られた。
  • 東城 功
    1974 年 24 巻 5 号 p. 237-240
    発行日: 1974/10/31
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    本研究は,剣持(2x)の雌花の減数分裂時にコルヒチン処理を行なって億加雌性配偶子をつくり,これに改良鼠返(2x)の正常花粉を交配して得られた三倍体と剣播(2x)の芽にコルヒチン処理を行なって得られた同質四倍体(剣播4x)と改良鼠返(2x)を交配して得られた三倍体との稔性について調査したところ,種予稔性,発芽率ともに前者が高かった。
  • 櫛淵 欽也
    1974 年 24 巻 5 号 p. 241-246
    発行日: 1974/10/31
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
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