当院における在宅人工呼吸療法(Home care mechanical ventilation, HCMV)はこれまで12症例を経験した.われわれのHCMVの内訳は7名が従量式人工呼吸器,5名が従圧式人工呼吸器を使用し,機種選定には,1)患者の病態,2)コスト面,3)家族の受け入れ体制,4)病院・患者宅間距離などの因子を参考にした.HCMVを開始するにあたっては,患者と家族に人工呼吸器の使用方法,喀痰吸引訓練,消毒方法の指導を行った.また,診療報酬が不十分な現状では,病院側,患者側とも多大な経済的負担となるため,お互いに負担をできるだけ減らす工夫がきわめて重要であった.
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