日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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2 巻, 2 号
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特別講演
シンポジウム1
シンポジウム2
パネルディスカッション
原著
  • 渡辺 敏恵, 吉野 克樹, 片桐 佐和子, 竹宮 孝子, 北山 和貴, 鏑木 貴之, 井澤 裕, 吉村 章子, 山口 美沙子, 金野 公郎
    原稿種別: 原著
    1993 年 2 巻 2 号 p. 122-126
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    女子医大式体外式陰圧型人工呼吸器を動力源として用い,陰圧付加部位による換気効率の変化について検討し,さらに疾患モデルでその有効性について検討した.

    陰圧不可をかけるスーツの覆う体表面の範囲を,胸部のみの場合と胸部から上腹部までの場合を比較すると,前者では換気効率は悪く,後者ではより有効な換気が得られた.

  • ―在宅24時間の日常生活を対象として―
    奥山 俊, 桐山 裕二, 斉藤 元護, 柏木 美香, 岩田 祥吾, 一和多 俊男, 平岡 仁志, 浜島 吉男, 長尾 光修, 内山 照雄
    原稿種別: 原著
    1993 年 2 巻 2 号 p. 127-131
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    在宅酸素療法患者における酸素投与量の決定は,日常生活全般での低酸素状況を考慮する必要がある.在宅酸素療法施行中の7症例について24時間の在宅経皮酸素飽和度(SpO2)を測定し,うち2例に労作時の酸素増量を行った.7例の24時間平均SpO2は93.6%と良好であったが,食事,トイレ,入浴,運転,など労作時にSpO2の低下がみられた.労作時の酸素増量群ではSpO290%以下の時間帯は5.0~10.0%減少した.24時間のSpO2モニタリングは,よりきめ細かな酸素投与法の決定に有用かつ不可欠な検査法と考えられた.

  • ―人工呼吸器の種類と疾患―
    原野 政則, 原 直哉, 小川 一彦, 江口 信幸, 荒巻 晴美, 古賀 俊彦
    原稿種別: 原著
    1993 年 2 巻 2 号 p. 132-136
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    当院における在宅人工呼吸療法(Home care mechanical ventilation, HCMV)はこれまで12症例を経験した.われわれのHCMVの内訳は7名が従量式人工呼吸器,5名が従圧式人工呼吸器を使用し,機種選定には,1)患者の病態,2)コスト面,3)家族の受け入れ体制,4)病院・患者宅間距離などの因子を参考にした.HCMVを開始するにあたっては,患者と家族に人工呼吸器の使用方法,喀痰吸引訓練,消毒方法の指導を行った.また,診療報酬が不十分な現状では,病院側,患者側とも多大な経済的負担となるため,お互いに負担をできるだけ減らす工夫がきわめて重要であった.

  • 榊原 守, 猪狩 博, 金古 和子, 高倉 一夫
    原稿種別: 原著
    1993 年 2 巻 2 号 p. 137-141
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    過去4年間の人工呼吸器管理におけるトラブル発生の状況を検討し,現行の対策法の評価と今後の示唆を求めた.発生率は6.2%から3.2%と約半分に減少し,その主因は初歩的なものの減少であった.内容を分析すると教育のみで解決できたもの,操作者が主因と考えられるものが有意に低下しており,現行の対策法の効果が認められた.しかし病棟単位で比較すると,まだ高値を示す病棟があるため,重点的にアプローチしたい.

  • 亀井 三博, 鈴木 一正, 武藤 恵美子, 萱野 稔, 辻 正文, 中島 昭夫
    原稿種別: 原著
    1993 年 2 巻 2 号 p. 142-145
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    呼吸リハビリテーションの効果を肺機能,血液ガスの臨床指標と,運動耐容能,入院期間に対する影響の面より検討した.リハビリの前後で臨床指標は変化しなかったが6分間歩行距離(6 MD)により判定した運動耐容能は向上し,1年間の入院日数は短縮していた.呼吸リハビリテーションは息切れを主訴とする呼吸器疾患の病態,QOLを改善する有用な医療技術であると考える.

  • 大久保 圭子, 金森 一紀, 塩崎 晃平, 奈須田 鎮雄, 三船 順一郎
    原稿種別: 原著
    1993 年 2 巻 2 号 p. 146-151
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    慢性呼吸不全患者8例に対し,2ヵ月間の入院中の肺理学療法にひきつづき,退院後も週1~3回の外来通院および家庭でのリハビリテーションを6~12ヵ月間継続した.入院中の理学療法によって改善した運動耐容能は外来通院中も維持され,肺機能・血液ガスも変わらなかった.外来でのリハビリテーション継続にあたっては,患者自身の意欲とともに,家族の理解・協力,交通手段の獲得が必要であった.

  • 大賀 栄次郎, 岡村 樹, 工藤 翔二
    原稿種別: 原著
    1993 年 2 巻 2 号 p. 152-155
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    過去7年間の在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy=HOT)患者の急性増悪の頻度,原因,動脈血液ガス値,人工呼吸管理の実態について検討した.急性増悪の原因として下気道感染が圧倒的に多く,その予防と早期の対処が重要であると考えられた.急性増悪時の動脈血液ガス値では陳旧性肺結核,肺気腫ともに,低酸素血症と安定期より約20 TorrのPaCO2値の上昇および呼吸性アシドーシスを呈し,特に陳旧性肺結核においてより強い高CO2血症と呼吸アシドーシスが認められた.人工呼吸管理に関しては,離脱失敗例は離脱例に比べ挿管時のアルブミン値とpHが低値である傾向が認められた.また急性増悪時に人工呼吸管理を実施して必ずしも予後の改善に結びついていないことが示唆された.

  • 江澤 和江, 秋村 純江, 大野 ゆう子, 牛込 三和子, 近藤 紀子, 長沢 つるよ, 奥山 典子, 長谷川 美津子, 平田 宏子, 輪湖 ...
    原稿種別: 原著
    1993 年 2 巻 2 号 p. 156-160
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    呼吸障害のある在宅看護対象者18例に経皮動脈血酸素飽和度測定装置(パルスオキシメーター)を試用し,在宅看護への導入の有効性と普遍化のための課題を検討した.モニターの導入は,①呼吸状態の継続的観察,②看護行為時の酸素不足の予測・防止,③生活拡大のための動作訓練や行動開始期の状態の観察,を行ううえで有効であった.しかし,在宅と医療機関では使用条件が異なることから,さらに①機器の改善,②測定技術の訓練,③測定値の活用システム,④普及に関して課題があった.

  • 工藤 幸晴, 木村 久男, 黒田 衛, 斎藤 重雄, 矢野 南己男
    原稿種別: 原著
    1993 年 2 巻 2 号 p. 161-163
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    慢性呼吸不全患者10例を対象に日常生活動作および睡眠中の動脈血酸素飽和度(SpO2)の変化を検討した.その結果,日常生活動作および睡眠中には有意にSpO2が低下した.また,その低下度は安静時SpO2と有意な負の相関を示した.以上より慢性呼吸不全患者においては,日常生活動作や睡眠中には症例に応じた酸素流量の増量が必要と考えられた.

  • 深野木 智子, 川村 佐和子
    原稿種別: 原著
    1993 年 2 巻 2 号 p. 164-170
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    HOT患者と家族がHOT導入後の療養生活で経験した困難や問題の明確化および,HOT継続者への援助を示すことを目的に,家庭訪問による聞き取り,観察調査を行い以下の知見を得た.1. HOT患者の在宅療養上の困難経験率は78.4%で,バリマックス法による因子分析の結果5因子が抽出された.2. 介護者の困難経験率は53.1%で,介護疲労,健康障害が多い.3. 患者の困難経験を増す要因として,HOT期間,日常行動範囲の関与が示唆され,介護者の困難経験を増す要因は,患者の日常行動範囲であることが示唆された.4. 導入初期には酸素流出の不安について,継続期にはボンベの取扱いの再教育,およびカニューレ状態,行動制限,心理的拘束感,周囲の人目に対する患者の受けとめについてのアセスメントを行うことが重要である.

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