日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
34 巻, 3 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
学会賞受賞報告
  • 池内 智之, 一木 克之, 自見 勇郎, 河野 哲也, 加藤 香織, 中山 初美, 松田 和人, 末松 利加, 森槌 康貴, 井本 久紀, ...
    原稿種別: 学会賞受賞報告
    2025 年34 巻3 号 p. 195-202
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    1965年に津田稔が慢性閉塞性肺疾患(COPD)の呼吸リハビリテーションに関する論文を,わが国で初めて日本胸部臨床に報告した.40年以上が経過した2006年に,ようやく呼吸リハビリテーションは健康保険適用となった.当時の報告においても医師,理学療法士,作業療法士,看護師からなるチームでの介入が提唱されている.当院は現在でもチームで,セルフマネジメントによる行動変容,ブランディングを各職種がオーバーラップしながら連携を図り,地域で持続可能な包括ケア体制構築を目指している.

    病気の診断をされてもその人らしく過ごせるよう,多方面から支えるのが呼吸ケアの基本という考えのもと,介入から最終末期までシームレスなケアを継続するための取り組みとして,これまでに当院から発表してきた「地域包括ケア体制の構築」「非がん性呼吸器疾患の緩和ケア」「ソーシャルワーク・在宅医療・介護」を中心に報告する.

  • 大島 洋平, 佐藤 晋, 芳川 豊史, 大島 綾子, 中島 大輔, 池田 政樹, 吉岡 佑二, 濱田 涼太, 田辺 直也
    原稿種別: 学会賞受賞報告
    2025 年34 巻3 号 p. 203-207
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    京都大学肺移植呼吸リハビリチームは,進行性肺疾患患者における肺移植前後の生命予後やQOLの向上を目指し,2013年に多職種で発足した.術前から重度の骨格筋障害を持つ患者に対し,チーム医療と研究活動を展開してきた.特に骨格筋障害が移植後の生存率やQOLに影響することを明らかにし,胸部CT画像を用いた新たな評価法を開発して予後関連指標としての重要性を導くことができた.これらの成果は国内外で発表され,今回学会賞を受賞するに至った.今後は,更なる研究成果を発信するとともに,評価および治療法の標準化や地域連携を通じて,より多くの患者への貢献を目指せるかが課題である.

学会奨励賞受賞報告
  • 今戸 美奈子
    原稿種別: 学会奨励賞受賞報告
    2025 年34 巻3 号 p. 208-210
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    慢性呼吸器疾患患者の看護において,呼吸困難へのケア方法の確立は喫緊の課題である.呼吸困難は,患者の日常生活に密着して存在し,医療者の支援に関わらず何らかの対処が行われていることが多い.そこで,呼吸困難のセルフマネジメント能力を高める支援に着目し研究に取り組んだ.患者が実際に行う呼吸困難のセルフマネジメントを可視化及び類型化して報告し,呼吸困難のセルフマネジメントを評価する尺度開発を行った.その後,呼吸器疾患看護を専門とする研究者や専門看護師と協働し,呼吸困難のセルフマネジメントの実態と現状の課題を全国調査により明らかにし,その結果を基に呼吸困難のセルフマネジメントを支援する看護師教育プログラムの実施と評価の研究を行った.同時に自施設の看護外来でもセルフマネジメント支援を実践し,その評価を報告した.呼吸困難とともに生きる人々によりよいケアが届くよう,今後も研究を発展させていきたい.

  • ~持続陽圧呼吸療法からservo-ventilationまで~
    濱田 哲
    原稿種別: 学会奨励賞受賞報告
    2025 年34 巻3 号 p. 211-212
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    日々呼吸管理を実践していると患者が思いもよらない訴えをする場面に遭遇する.著者はそれらの訴えに注目し,持続陽圧呼吸(continuous positive airway pressure: CPAP)装置にバクテリアフィルター(以下フィルター)を装着することによる圧感覚や機器稼働記録の変化やCPAP装置やservo-ventilation(SV)装置を機種変更(Philips Respironics社製からResMed社製へ)することでの機器稼働記録の変化を検討した.結果,フィルター装着は,患者の圧感覚やCPAP治療に影響する可能性があり,CPAP治療やSVにおける機種変更は,無呼吸低呼吸指数のコントロールやアドヒアランスに影響する可能性があることが分かり報告した.以上の内容は,個々の症例に対応した形で呼吸管理を実践する上で重要となる新たなエビデンスの構築に寄与した.

  • 柳田 賴英
    原稿種別: 学会奨励賞受賞報告
    2025 年34 巻3 号 p. 213-218
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    超高齢社会である本邦において重要な疾患である誤嚥性肺炎について,入院患者の特徴や90日生存に影響を与える因子,歩行能力低下に関与する因子を検証した.本研究の対象は高齢者315症例で,栄養状態の悪化や身体・認知機能の低下が顕著であった.A-DROP,GNRI,性別が90日生存に,また,A-DROP,GNRI,初回離床日数が歩行能力維持に関与する因子として抽出された.疾患重症度に加えて,良好な栄養状態が生存率の向上や歩行能力の維持に不可欠であること,加えてADLの維持には早期離床を進めていくことの重要性が示唆される.本研究の結果から,低栄養状態やADL低下を伴う高齢者へのリハビリテーションと栄養ケアの統合的なアプローチが求められる.今後,さらなる高齢化が進む中で,誤嚥性肺炎患者の多面的な評価と多職種連携による適切な介入が必要不可欠である.

シンポジウム
  • 長谷川 智子
    原稿種別: シンポジウム
    2025 年34 巻3 号 p. 219-222
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    患者の意思決定については,患者の意思決定力が低下した場合に先立って,将来の病状変化に備え,今後の治療やケア・療養の意向,代理意思決定者などについて,患者と家族,および医療従事者が話し合いを重ねていく過程であるAdvance Care Planning: ACPという考えを広める動きがある.また,ACPは人生会議とも呼ばれ,健康なうちから家族などと人生において大切なことや,最期にやって欲しいこと・欲しくないことなどを,気軽に話し合うプロセスが推奨されている.

    呼吸器疾患患者のエンドオブライフにおいては,患者の判断能力の低下が起こる.加えて患者の多くが高齢者で認知機能の低下をきたしている場合も多いので,意思決定能力が著しく低下している可能性が高い.そのため,呼吸器疾患患者の意思決定支援は早期に多職種で関わっていく必要がある.

  • 福井 基成
    原稿種別: シンポジウム
    2025 年34 巻3 号 p. 223-226
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    ACPは,患者がどのような治療やケアを,どこで,誰から,どのような形で受けるのかについて,本人の価値観を尊重しつつ家族や医療者らと話し合いを進めていくプロセスである.日本でもACPが推進されているが,各医療機関におけるACPの理解も実践もまちまちである.また,患者の価値観をどのように記録し共有するかが課題である.さらに,慢性呼吸器疾患では予後予測が困難で,ACP導入のタイミングが難しい.その結果,期待されたほどの成果が出ておらず,欧米でも見直しの機運が高まっている.今後,我々はACPを具体的にどのように進めればよいのであろうか.まずは患者が限られた時間の中で何を希望し,何を実現したいかを語ってもらい,チーム全員でそれを共有し,患者の思い・希望の実現に向けて検討を重ねることが大切である.その延長上に終末期の対応がある.ただし,医療・介護の分業化の流れの中で,患者の思いや希望を地域全体で共有する仕組みづくりが必要である.

  • 竹川 幸恵, 鬼塚 真紀子, 渡部 妙子, 平田 聡子
    原稿種別: シンポジウム
    2025 年34 巻3 号 p. 227-232
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning: ACP)は,患者が自分らしく生きることを支える前向きな対話のプロセスであり,その人の価値観や希望を尊重する取り組みである.看護師は,意図的に対話を進める力を有し,ACPの推進において重要な役割を担っている.誠実な姿勢で患者と向き合い,対話を通じて患者の価値観を明確にし,医療やケアを含む生き方の最善の選択を共に見出すとともに,意思決定の実現に向けて倫理的視点を踏まえた合意形成や,多職種間のコーディネーターとしての支援を行う.

原著
  • ―標準化と対象者層別化の試み―
    新貝 和也, 池内 智之, 松尾 聡, 森 駿一朗, 森 大地, 井元 淳, 一木 克之, 自見 勇郎, 河野 哲也, 加藤 香織, 津田 ...
    原稿種別: 原著
    2025 年34 巻3 号 p. 233-240
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    [早期公開] 公開日: 2025/03/21
    ジャーナル フリー HTML

    呼吸リハビリテーション(PR)は慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において不可欠な治療介入である.しかしながら,その介入内容にはスタッフの経験によって差を認める.また,本邦のCOPD患者は欧米と比較して高齢・虚弱であることが多く,国際的なエビデンスベースのPRよりも個人の生活に焦点を当てたPRを優先すべき症例も少なくない.当院では,これらの問題点に対して,PRの標準化および対象患者の層別化を目的としたPRプロトコルを作成・導入した.本研究は,当該取り組みについて,その導入前後のPRの効果を比較することを目的とした.PRプロトコル導入前(CR群)および導入後(PC群)においてPR前後の各臨床指標の変化を比較した.その結果,PC群はCR群と比較して健康関連QOLの改善が大きかった.PR評価・介入の標準化および患者層別化を目的としたPRプロトコル導入は,COPD患者の健康関連QOL改善効果を高める可能性が示された.

  • 藪野 雄紀, 東 正徳, 井角 勇貴, 田中 翔太郎, 半崎 隼人, 三角 舞, 武井 紀代美, 北村 美華, 北川 怜奈, 戸谷 輝彦
    原稿種別: 原著
    2025 年34 巻3 号 p. 241-245
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    【背景】新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019; COVID-19)流行当初は非侵襲的陽圧換気(non-invasive positive pressure ventilation; NPPV)はウイルスの暴露リスクから推奨されていなかったが,心不全などでは COVID-19の併発にかかわらず急性期からの迅速なNPPV導入が推奨されている.

    【目的】新型コロナウイルス感染の有無を確認することによる治療介入の遅れを防ぐことを目的とした。

    【方法】2020年10月から感染対策などのスタッフ教育を行なった上で,新型コロナウイルス感染の有無が確定する前の患者に呼気ポートのないNon-Ventマスクならびにフィルター付人工鼻を装着したNPPVを導入した.

    【結果】176例にNPPVを導入し15例はCOVID-19であったが,職員への感染はなかった.

    【結語】COVID-19の併発にかかわらず感染対策を行いNPPV導入したことで,感染者を出さずに治療介入の遅れを防ぐことができた.

  • 宮森 匠, 梅村 武寛, 大城 徹也, 垣花 学, 徳重 明央, 渕上 竜也, 星野 宗勳, 嶺井 陽, 宮城 一也, 山本 和子
    原稿種別: 原著
    2025 年34 巻3 号 p. 246-252
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    目的:COVID-19入院患者のリハビリテーションに関して,オミクロン変異株の流行前後の特徴を明らかにする目的で行った単施設後方視的観察研究である.

    方法:2020年4月から2023年1月の間に琉球大学病院に入院したCOVID-19患者を2022年1月1日の前(A群)と以後(B群)に分類し,患者背景,臨床情報,リハビリテーション内容と経過を比較した.

    結果:A群81名(平均68歳),B群114名(平均72歳)であった.基礎疾患でB群に心(22%)・腎疾患(18%)が多く,A群ではCOVID-19重症者が多かった(56%).介入したリハビリテーションはA群で腹臥位(56%)・離床(57%),B群で自主練習(60%)が主体であった.A群でPerformance Status(PS)回復と歩行自立までの期間が長かったが(20日,15日),退院時PSの回復率は大きかった.

    結論:COVID-19患者のリハビリテーションは各流行期の臨床的特徴を認識し,身体機能の回復と廃用症候群の予防を使い分けた計画の立案が必要である.

  • 岩﨑 円, 瀬崎 学, 関川 清一, 佐々木 康介, 木賀 洋, 田平 一行, 沖 侑大郎, 玉木 彰
    原稿種別: 原著
    2025 年34 巻3 号 p. 253-259
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    【目的】本邦で実施されている呼吸理学療法評価の実態を明らかにすること.

    【対象と方法】対象は2023年2月20日時点の日本呼吸理学療法学会員1,295名とした.調査方法はGoogleフォームを用いたWebアンケートとし,臨床で行われている呼吸理学療法の評価項目や実施状況などについて選択式で回答を得た.

    【結果】過去3か月以内に実施した呼吸理学療法評価法として回答者の70%以上が経皮的動脈血酸素飽和度,フィジカルアセスメント,修正Borgスケール等を選択した.一方で日常生活活動や生活の質の疾患特異的評価法の使用頻度は少なかった.職場で実施する呼吸理学療法評価項目の統一の必要性については,「非常に重要」,「重要」の回答が98%を占めた.

    【結語】本邦における呼吸理学療法評価は項目や実施頻度にばらつきがあることや,臨床現場における評価内容の統一が重要課題として認識されていることが明らかとなった.

  • 小野 紘貴, 杉野 圭史, 齋藤 美加子, 関根 悠, 久保田 紘章, 馬上 修一, 須藤 美和, 八木田 裕治, 熊谷 幸枝, 坪井 永保
    原稿種別: 原著
    2025 年34 巻3 号 p. 260-264
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    間質性肺炎は慢性進行性の疾患であり,病勢進行によって生じる呼吸困難や不安感の増大に対する症状を緩和することは重要な課題であるが,有効な薬剤についての検討や報告は少ない,そこで当院で間質性肺炎に対して入院で緩和ケアを導入された28例について後方視的に検討を行った.呼吸困難に対してモルヒネ経口投与が9例,モルヒネ経口投与+抗精神病薬15例,モルヒネ経口投与+抗うつ薬3例,モルヒネ経口投与+抗精神病薬+抗うつ薬1例に導入され,介入前後のIPOSスコア平均値は3.0から1.61と改善を認めた.また不安に対して抗精神病薬9例(60%),抗精神病薬+睡眠導入剤4例(26.7%),抗うつ薬1例(6.7%),抗うつ薬+睡眠導入剤1例(6.7%)が導入されIPOSスコアの平均値2.91から1.27と改善が認められた.短期間での検討においてモルヒネ経口内服及び抗不安薬は間質性肺炎患者の呼吸困難や不安感の改善に寄与した.

  • 堀越 一孝, 大西 織帆, 武田 優子, 小林 直樹, 渡邊 宏樹
    原稿種別: 原著
    2025 年34 巻3 号 p. 265-271
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    【目的】慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease; COPD)や間質性肺疾患(interstitial lung disease; ILD)を中心とした高齢慢性呼吸器疾患患者の前頭葉機能に関連する要因を明らかにすることを目的とした.

    【方法】42名を分析対象者とし,Frontal Assessment Battery(FAB):14点以上を前頭葉機能維持群,FAB:13点以下を前頭葉機能低下群とし2群間で比較検討を行った.次に,従属変数をFABとして重回帰分析を行った.

    【結果】前頭葉機能低下群ではShort Physical Performance Battery(SPPB),日本語版軽度認知障害スクリーニング検査(Japanese Version Montreal Cognitive Assessment; MoCA-J),hospital anxiety and depression scale(HADS)の抑うつが有意に低値を示し,軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment; MCI)の有病率も高かった.重回帰分析の結果,FABに影響する項目は,年齢(β=0.12, p<0.05),SPPB(β=0.64, p<0.01)であった.

    【考察】高齢慢性呼吸器疾患患者の前頭葉機能低下は,認知機能や精神機能,運動機能の低下との関連が示唆された.高齢慢性呼吸器疾患患者の身体活動向上や行動変容を促すためには,前頭葉機能の評価と介入が重要である可能性が示唆された.

症例報告
研究報告
  • 木下 隆, 津田 徹, 神津 玲, 𠮷田 誠, 長谷川 智子, 佐野 裕子, 金子 教宏, 田中 貴子, 桂 秀樹, 川山 智隆
    原稿種別: 研究報告
    2025 年34 巻3 号 p. 281-287
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    2022年2月3日から4月2日まで学会員の国際学会への参加や興味の実態を把握する目的で,会員4,351名を対象にアンケートを行った.回答者は1,239名で全会員数の28.4%であった.国際学会に興味がある会員は全回答者の62.2%で,職種別では理学療法士,看護師,医師とその他で,それぞれ44.1%,16.7%,25.3%と13.9%であった.一方,コロナ禍前における参加数(全回答者に対する割合)は,全回答者の中で288名(23.2%)であり,職種別では理学療法士96名(7.7%),看護師20名(1.6%),医師152名(12.3%),その他20名(1.6%)であった.全体で実施した多変量解析では,国際学会に興味があったのは男性,大学院卒,および大学または大学病院勤務が独立した因子であった.今回の調査で医師以外の職種および比較的若年の学会員が国際学会に興味があっても参加できていない現状が浮き彫りになった.今回の結果は,今後の国内外の学会参加,さらには学会入会促進などの対策の参考になると考えられる.

  • 秋山 法恵, 林 久美子, 田代 貴大, 坂上 亜希子, 平田 奈穂美
    原稿種別: 研究報告
    2025 年34 巻3 号 p. 288-293
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    ジャーナル フリー HTML

    【目的】呼吸数は重症化を予測する重要なバイタルサインではあるものの,一般病棟における定着率は低い.今回,呼吸サポートチーム(respiratory support team: RST)の看護師への介入が呼吸数測定の定着に及ぼす効果を検討した.

    【方法】RSTが呼吸数の重要性を看護師へ教育・周知し,2019~2022年度の入院患者への呼吸数測定率を調査した.またRSTリンクナースにアンケート調査を行い,RST介入前後での呼吸管理の状況,一般病棟から集中治療室に予定外入室した患者について比較した.

    【結果】介入前後の呼吸数測定率は37%から98%へ上昇した.看護師は,呼吸数増加時に患者状態のアセスメントを行っていた.予定外入室した患者数は,入院患者1,000人/日あたり2019年0.55,2022年0.65であった.

    【結論】一般病棟における呼吸数測定は定着したが,予定外入室した患者数の変化はなかった.

用語集
査読協力者
奥付
feedback
Top