当院で開設した「札幌いびきネットワーク」は睡眠時無呼吸症候群(SAS)に関するクリティカルパスの病診連携を用いた院外への拡大である.連携医療機関でSAS を疑い,当院地域連携室に連絡して検査入院日を決定する.当科で検査と持続陽圧呼吸(CPAP)療法導入を行う.当科外来でSAS 担当医が指導・調整し,治療状況が良好になるまでは当科に通院する.良好になって連携医療機関に逆紹介した後でも,問題があれば当科に再紹介し専門医師が対策を講じる.
これにより10年間でCPAP 導入患者が1000人を超え,しかも8割の患者を適切に逆紹介して当院外来通院患者を200人程度に減らすことで問題症例に診療時間を集中できた.逆紹介までに要した期間は中央値3.9ヵ月であった.
このシステムにより限られた専門医師数と診療時間であってもきめ細かな指導管理ができた.患者・診療所・当院ともに利点があり,円滑な地域連携に貢献した.
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