日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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26 巻, 3 号
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総説
  • 一和多 俊男
    原稿種別: 総説
    2017 年 26 巻 3 号 p. 422-426
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    呼吸不全とは,呼吸器系障害により低酸素血症(PaO2≦60 Torr)をきたし,また,時に高二酸化炭素血症(PaCO2>45 Torr)をともなう状態で,生体が正常な機能を営み得ない状態である.一方,呼吸不全を広い概念でとらえると,呼吸器障害による動脈血液ガスの異常に加えて,循環障害,酸素輸送障害や末梢組織での酸素利用障害による組織低酸素も含まれる.

    呼吸不全は,発症形式により急性呼吸不全・慢性呼吸不全・慢性呼吸不全の急性増悪に分類される.また,病態によりⅠ型呼吸不全(低酸素性呼吸不全;PaO2≦60 Torr,PaCO2≦45 Torr)Ⅱ型呼吸不全(換気不全;PaO2≦60 Torr,PaCO2>45 Torr)に分類され,さらにⅡ型呼吸不全は,肺胞気動脈血酸素分圧較差(AaDO2)の正常な群と開大する群に分類される.一般にⅠ型呼吸不全は,Ⅱ型呼吸不全より予後不良である.

  • 横山 俊樹, 寺町 涼
    原稿種別: 総説
    2017 年 26 巻 3 号 p. 427-432
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    呼吸ケアにおいては急性期から慢性期にかけてのシームレスな管理が重要である.急性期を管理する医療者にとって回復期のリハビリテーションや環境整備が重要であるのと同様に,慢性期を管理する医療者においても急性呼吸不全をいかに管理するかについて理解しておくことは重要である.第2回呼吸ケア指導士スキルアップセミナーでは急性呼吸不全をいかに理解し,管理するかについて着目し,本パートではNPPVを含む人工呼吸管理を症例提示を通じて講義を行った.実際のセミナーでは計10の設問を途中で設定しつつ,進行をすすめた.

  • 田中 弥生
    原稿種別: 総説
    2017 年 26 巻 3 号 p. 433-437
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    ARDS (acute respiratory distress syndrome)で代表される急性呼吸不全や慢性呼吸不全増悪患者に対する管理において,栄養管理は重要な治療と認知されている.侵襲度の高い重症患者で,人工呼吸で換気とガス交換を維持し,疾患に対する根本的な治療を行い,患者が回復するまでの間,適切な栄養管理を施行することが重要である.組織の修復,免疫能力の安定,ガス交換の改善,炎症の軽減,感染自己防御などの維持・賦活も期待されている.回復に至るまでの間,栄養状態を安定させることが生死を左右させるといっても過言ではない.また,人工呼吸管理チームは医師,看護師,管理栄養士,薬剤師,臨床工学技士,理学療法士,など多職種により構成されることが望ましい.

  • 石川 朗, 沖 侑大郎, 藤本 由香里
    原稿種別: 総説
    2017 年 26 巻 3 号 p. 438-445
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    COPDの急性増悪を想定した症例で,呼吸ケア・リハビリテーションの一連の流れを解説する.症例は,COPDを原疾患とし,慢性的な誤嚥の繰り返しから誤嚥性肺炎重症化のARDSである.ICU滞在中の筋力低下(ICU-AW),無気肺,排痰障害,せん妄,酸素化不良が混在している.ICUにおける呼吸ケア・リハビリテーションは,呼吸器合併症とICU-AWの予防が主となり,Early mobilizationとしてコンディショニング,体位管理,排痰,離床などを実践する.より早期に介入した方が効果は高い.ICUより一般病棟へ転棟後は,コンディショニング,6分間歩行試験などによる運動耐容能評価,ADL評価,筋力および運動耐容能改善を目的とした運動療法,栄養指導,身体活動量向上に向けての指導,在宅に向けたサービス再検討を実施する.特に運動療法は,運動能力の増大,自覚的呼吸困難間の軽減,健康関連QOLの向上,うつ気分や不安の軽減,増悪による入院後の回復促進に関し,エビデンスが確立されている.

  • 若林 律子
    原稿種別: 総説
    2017 年 26 巻 3 号 p. 446-450
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    慢性疾患では,疾患増悪に関わる生活習慣を改善し,健康維持・改善のために運動療法や栄養療法など取り入れ,自己管理を継続していかなければならない.増悪を起こした患者は増悪を繰り返すといわれており,増悪入院をした患者へは,在宅で疾患を自己管理できるよう増悪予防を含めた教育を行う必要がある.自己管理教育では,知識・技術の提供だけではアウトカムは改善しない.患者がなぜ,増悪を起こしてしまったのか,自己管理継続に障害となる要因があるかなどのアセスメントを行いながら一人ひとりに合った自己管理教育が行われることが望ましい.また,自己管理教育を進めていく上では,「患者のできる」体験を増やし,自己効力感を得られるよう関わっていくことが重要である.患者自身の生活は,さまざまな要因によって変化していくため,その都度,よりよい生活を送れるようさまざまな方法を一緒に模索しながら,実施していくことが必要となる.

  • 黒澤 一
    原稿種別: 総説
    2017 年 26 巻 3 号 p. 451-455
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    息切れ(呼吸困難)により身体活動性の低下と全身の廃用性変化の悪循環となる.呼吸器疾患の骨格筋の廃用性変化は少なくとも一部は可逆的であり,運動療法を中心とする呼吸リハビリテーションが有効である.ただし,一般に効果は一時的で,維持は容易ではない.骨格筋のバイオロジーについての理解が進んだこともあり,身体活動性が運動耐容能よりも生命予後に関係するとして注目を浴びている.運動耐容能が能力指標であることに対して,身体活動性は,いわば,生活習慣そのものである.したがって,その向上と維持のためには,行動変容を導く動機付けや強化といった行動科学的なアプローチが必要である.歩数計の毎日の記録,スポーツイベントなどの試み,など身体活動性に対するアプローチが今後注目を浴びていくことになると思われる.

  • 武知 由佳子
    原稿種別: 総説
    2017 年 26 巻 3 号 p. 456-463
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    在宅における多面的包括的呼吸ケア・リハビリテーションは,今や多くの専門職で担えるようになった.少ない職種でなんでも行ってきたケアから,専門性を高めた質の高いケアを提供するべく,スキルアップが必要である.ここでは,効果的な在宅呼吸ケア・リハビリテーションについて実際の症例をまじえ,解説する.COPDでは肺の局所の炎症と全身性炎症が身体活動性の低下と関連すると言われ,急性増悪を回避し慢性安定期を確立した上に、抗炎症効果のある呼吸リハビリテーション=効果的なトータルマネジメントを行い,さらに我々が生活環境でしっかり伴走し行動変容まで導くことの必要性について,前半で述べる.後半は効果的な人工呼吸療法について述べる.決して人工呼吸器設定不全による拘束性換気障害を招いてはならないこと,呼吸不全を治療すべく人工呼吸器を設定すべきである.

教育講演Ⅴ
  • ―経皮炭酸ガスモニタを用いたグローバルな標準化
    石川 悠加
    原稿種別: 教育講演
    2017 年 26 巻 3 号 p. 464-468
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    神経筋疾患では,酸素飽和度は正常でも特に睡眠時に高炭酸ガス血症が増強しやすく,経皮CO2モニタを用いて,睡眠時だけでなく,進行や加齢に伴い,覚醒時にもマウスピースや鼻ピローによる非侵襲的陽圧換気療法(noninvasive positive pressure ventilation=NPPV)を追加して,常にCO2を正常に維持できるようにする.咳機能低下に対しては,咳のピークフロー(cough peak flow=CPF)を指標として,徒手や機械による咳介助の適応を判断し,条件調整の目安とする.

コーヒーブレイクセミナーⅤ
  • 福家 聡
    原稿種別: コーヒーブレイクセミナー
    2017 年 26 巻 3 号 p. 469-474
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    適切な呼吸管理に欠かせないPaCO2 のモニタリングにおいては,動脈内留置カテーテルを用いた方法が主に用いられているが,侵襲的であることや継時的変化をリアルタイムに捉えることができないなどの問題がある.我々はこれまで非侵襲的かつリアルタイムのモニタリングが可能な,経皮的動脈血二酸化炭素分圧(PtcCO2 )装置(TOSCA®)について基礎的検討と臨床応用についての検証をしてきた.

    まずTOSCA®の精度を基礎的な条件下で検討した.被験者の動脈血二酸化炭素分圧を任意にコントロールし,経皮的に測定したPtcCO2 が個人内でのPaCO2 変化を変化させたところ,良好な相関を認めた.また急性変化に対するPtcCO2 の追随性も良好であった.

    臨床での使用経験として急性期における症例では,気管支喘息重積発作やCOPD増悪,肺結核後遺症患者での急性期NPPV導入について検討した.これらの症例では,呼吸不全が進行した際にはNPPVの設定変更や挿管人工呼吸管理が必要となる場合もあり,刻々と変化していく病態を把握し評価するという点において,経時的なPaCO2 のモニタリングが必須である.また慢性期の症例においては,一般呼吸器科病棟における管理を想定した.慢性呼吸不全とくにII型呼吸不全では,酸素療法中にCO2 ナルコーシスをきたす懸念があり,常にそのモニタリングを行うことが重要である.一方,高齢者が多い肺結核後遺症やCOPD患者における呼吸管理では人工呼吸器は適応外であることも多く,NPPVによる呼吸管理を一般病棟で行う.II型呼吸不全を呈しNPPVによる呼吸管理を行った症例について経皮CO2 モニターの使用経験,在宅NPPV使用患者の急性悪化時におけるモニタリング,肺結核後遺症による慢性II型呼吸不全に対する慢性期NPPV導入のいずれにおいても,経皮CO2 モニターにより患者の病態に則したNPPV管理が可能であった.

    TOSCA®によるモニタリングは,医療者および患者の両者にとっての負担が少なく,マンパワーが十分ではない病棟や夜間においては特に本装置の有用性が期待される.

原著
  • ―院内連携の実際―
    安藤 守秀
    原稿種別: 原著
    2017 年 26 巻 3 号 p. 475-480
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    私たちの施設では,呼吸リハビリテーション専従の理学療法士8名が呼吸リハチームを形成し,それぞれ集中治療室/救命救急病棟,呼吸器内科病棟,外来専従にわかれつつ患者を共有し,急性期から慢性期へと患者を受け渡していく体制を構築している.これにより年間およそ1,500例の新規患者のリハビリテーションを引き受けつつ,常時160例前後の患者に対して外来でのリハビリテーションを継続実施している.呼吸リハビリテーション専従理学療法士はそれぞれの病棟で病棟スタッフの一員となるとともに,呼吸ケアの専門スタッフとして主治医や病棟スタッフのサポートも行っている.こうした体制は連続性のある呼吸ケアの提供に寄与していると考えられるが,多職種による呼吸ケアチームとしての体制作り,さらに病院の枠をこえた地域での呼吸ケアチーム体制の構築が今後の課題であると考えられる.

  • 佐藤 善信, 明石 史翔, 星井 輝之, 岩﨑 洋一
    原稿種別: 原著
    2017 年 26 巻 3 号 p. 481-484
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    気管切開下陽圧換気(TPPV)で長期間管理された神経筋疾患患者の静的肺胸郭コンプライアンス(Cstat)と無気肺の発症に影響を与える要因を探ることを目的とした.対象は,当院入院中でリハビリテーションを受けたTPPV管理の神経筋疾患患者34例である.研究デザインは後ろ向き観察研究とし,主要評価項目であるCstatのほか,画像所見などの項目を診療録より後方視的に調査した.重回帰分析の結果,Cstatに影響を与えていた要因として,ALS群では身長,筋ジス群ではBMIが抽出された.一方,無気肺の合併率は64.7%と多くの患者に認めた.また,無気肺があると呼吸器感染による発熱回数が有意に多くなっていた.Cstatは経時的に低下してきたと推定されたが,体格が最も影響していた.無気肺に影響を与える要因としては,因果関係については言及できないが,呼吸器感染との関連性が示唆された.

  • 城石 涼太, 角野 直, 小栁 春美, 山下 はるか, 北川 知佳, 出川 聡, 力富 直人, 神津 玲
    原稿種別: 原著
    2017 年 26 巻 3 号 p. 485-490
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    特発性間質性肺炎(IIPs)患者14名に6分間歩行試験(6MWT)を行い,運動前後における心拍数および経皮的酸素飽和度(SpO2)の変化を測定し,これらと身体的,精神的機能との関連を検討した.6MWT中のSpO2 低下は著明で(平均84.3%),運動後の回復には心拍数と比較し時間を要した(回復時間:SpO2 3分,心拍2分).運動中の心拍数上昇(CRI; chronotropic response index)は運動後の心拍数回復(HRR; heart rate recovery)と正の相関を(r=0.683, p=0.007),SpO2 の運動後の回復とは負の相関(r=-0.589, p=0.027)を認めた.心拍数変化やSpO2 の変化と他の項目とは関連がなかった.IIPsは運動中に著明な低酸素血症を呈し,運動後のSpO2 回復は心拍数より遅延する.そのため,酸素投与を含めた対策が必要である.

  • 梶原 浩太郎, 甲田 拓之, 加藤 高英, 濱口 直彦, 牧野 英記, 兼松 貴則
    原稿種別: 原著
    2017 年 26 巻 3 号 p. 491-494
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    【背景】COPDや気管支喘息の吸入新薬は投与日数の制限があり,総合病院への頻回な通院が負担となり継続できないことがある.

    【目的】総合病院において吸入新薬を継続できない患者背景を明らかにする.

    【方法】2013年11月から2015年10月に当科で,1回14日分の投与制限のある吸入新薬を投与されたCOPDまたは気管支喘息患者を対象とした.診療録を用いて患者背景を評価した.ROC曲線を用いて居住区への距離のカットオフ値を解析した.吸入新薬の継続可否を目的変数とし,患者背景を説明変数として重回帰分析を行った.

    【結果】全33例を解析し,継続可能は61.7%であった.吸入新薬を継続できない患者背景は,ROC曲線では居住区から当院までの距離が 7.9 km以上であり,重回帰分析では,かかりつけ内科なし,居住区から当院までの距離が 7.9 km以上であった.(Adjusted R2=0.36, F(9, 23)=3.01, P=0.02).

    【結語】吸入新薬を継続できないリスクは社会的要因が大きく,近医との地域連携が一つの解決策と考えられた.

  • 青田 絵里, 伊藤 健一, 奥田 みゆき, 濃添 建男, 堀江 淳, 石原 英樹
    原稿種別: 原著
    2017 年 26 巻 3 号 p. 495-501
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    慢性呼吸器疾患患者50例を対象にPhysical Activity Scale for the Elderly(以下PASE)日本版の再現性および妥当性を検討した.1回目PASEを自記式にて回答してもらい回収した後,3次元加速度計を2週間装着し,うち連続7日の平均値から消費エネルギー量を計測した.また,1回目調査1週間後に2回目PASEを実施し郵送にて回収した.1回目PASEスコアは104.7±71.1点,活動消費カロリーは 375.6±161.6 kcal/dayであった.PASEスコアと活動消費カロリーの相関(r=0.51,p<0.01)および,1回目と2回目のPASEスコアの相関(ICC=0.61,p<0.01)は共に高い相関関係が認められ,慢性呼吸器疾患においてPASEの使用が可能であることが示唆された.さらに,身体特性による違いでは,息切れの重症度が高く生活活動が身体活動の主体となっている群において,より再現性・妥当性が高い傾向が認められた.慢性呼吸器疾患において再現性・妥当性が確認された質問紙は今のところ国内には皆無であり,このPASEは身体活動定量化の一手法として有用であると考えられた.

  • 安藤 守秀
    原稿種別: 原著
    2017 年 26 巻 3 号 p. 502-507
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    私達は2012年度より大垣市において特定健診にのせた形でCOPD検診を毎年実施している.今回私達は一般住民に対するその啓発効果をCOPDの認知度を経年的に追跡することで前向きに検証した.COPD検診受診者は2012年度が6,306人,2013年度が6,313人,2014年度が5,886人であった.COPDの認知度は,初年度の23.5%が2年目は45.0%,3年目は53.7%と向上していた.一部抽出群の検討では,検診既体験群の認知率は60%.初回体験群では27%で,COPD検診は大きなインパクトを与えていた.以上よりCOPD検診COPDの認知率向上に対して有効であると考えられた.

  • 近藤 哲理, 小島 香奈, 谷垣 俊守, 日比野 真, 横山 晴子, 増尾 昌則, 田尻 さくら子, 赤澤 賢一郎
    原稿種別: 原著
    2017 年 26 巻 3 号 p. 508-512
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    【目的】カプセル運動で薬物放出を促すユニークな特性のBreezhaler(BZH)とHandihaler(HDH)の薬物放出を解析して臨床的意義を考察する.

    【方法】吸気シミュレーターを最大吸気速度(PIF)到達時間0.5秒とし,多様な最大吸気速度(PIF)で吸入を反復して,薬物放出,吸気パターン,マウスピース内圧,カプセル運動を記録し,COPD患者の測定をも行った.

    【結果】いずれのDPIも,薬物放出は吸入開始直後にカプセル運動と一致して開始し,吸気ピークより早期に最大値に達した.薬物放出にはPIFの閾値が存在し(HDH=15 L/分,BZH=20 L/分),閾値以上ではPIFが増加しても放出は増加しなかった.患者でもシミュレーション同様に,低いPIFで吸入早期の薬物放出が観察された.

    【考察】カプセル型DPIはPIF非依存性に薬物を放出し,低い吸気圧で吸入早期に放出が行われる.

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