日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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3 巻, 2 号
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特別講演
シンポジウム2
原著
  • 長谷川 幹, 石原 享介, 坂本 廣子, 松本 久子, 冨岡 洋海, 岡崎 美樹, 片上 信之, 梅田 文一, 中井 準, 多田 公英, 岩 ...
    原稿種別: 原著
    1993 年3 巻2 号 p. 85-90
    発行日: 1993/12/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    在宅酸素療法施行後に死亡した107症例についてその死亡の実態を検討した.対象症例の平均年齢は67歳,平均生存期間は2.6年,COPD症例は他疾患に比べて高齢であった.86例(80%)が病院で死亡し,半年以上の長期入院の末に死亡した症例が27%を占めていた.人工呼吸は27例(25%)で施行され,施行例全例が病院で死亡していた.自宅死症例は病院死症例に比べて在宅率が良好で病態の安定した症例が多かった.

  • ―肺結核後遺症の再入院過程の分析から―
    深野木 智子, 関澤 康子, 石井 麻里, 川村 佐和子
    原稿種別: 原著
    1993 年3 巻2 号 p. 91-96
    発行日: 1993/12/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    在宅酸素療法(以下HOT)継続例の再入院にいたる過程および,その頻度に関連する要因ならびに,再入院を防ぐための看護ケアの明確化を目的に,成人HOT患者26名(男13名,女13名)の記録物および家庭訪問調査を行い,以下の知見を得た.

    1) 対象の全再入院回数は延べ59回で,HOT期間に相関してその回数が増していた.入院理由の74.6%は「気道感染による急性増悪」で,初回入院では94.7%を占めていた.

    2) 69.2%は再入院前に増悪兆候を捉え,39.0%が対処行動をとり,求めた援助では病院保健婦への電話相談が40.7%で最も多かった.

    3) 肺結核後遺症の延べ28回の再入院の分析から,再入院の頻度に関連する要因として,HOT導入時年齢,日常生活のセルフコントロール状態,日常行動範囲の関与が示唆された.

    4) 3) の対象の再入院過程のクラスター分析により,対症は4群に分割された.A群へは増悪兆候と受診のタイミングを本人・家族が判断でき,早期に受診できる看護を行うこと,B群へは家族を中心とした感染予防教育の強化,C群へは家庭訪問による継続的呼吸器リハビリと身体状況の観察などの看護,D群へは在宅と入院の橋渡しの看護ケアを行う,がおのおの再入院を予防する手段になりうると考えられた.

  • ―在宅酸素療法施行中患者の検討―
    西村 善博, 仲田 裕行, 松原 正秀, 恒成 徹, 筒泉 正春
    原稿種別: 原著
    1993 年3 巻2 号 p. 97-101
    発行日: 1993/12/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    慢性呼吸不全患者の体成分変化の有無を明らかにするために,近年開発された骨塩定量法であるdual energy X-ray absorptiometory (DXA) を用い,在宅酸素療法(HOT)中の慢性呼吸不全患者の体成分を検討した.当院においてHOT施行中の男性患者9例(72.7±8.0歳)および女性患者7例(72.0±5.6歳)を対象とし,健常男性9例,女性9例を対照群とした.DXAはNorland XR26 を用い,全身スキャンにより,骨塩量(BMC),脂肪量(FAT)および除脂肪体重(LEAN)を分離測定した.HOT群の体重は対照群と比較し,男女とも有意に低値を示した.体成分ではBMCは男女とも対照群より低値を,FATは女性で有意に低値を男性でも低値の傾向を示した.女性HOT群では,BMCと動脈血炭酸ガス分圧と有意な負の相関を認めた.以上より,HOT中の慢性呼吸不全患者には体重減少およびBMCの低下を認め,骨粗鬆症の進行との関連で,骨折の可能性について十分な注意が必要と考えられる.

臨床経験
  • 山本 昇, 有田 健一, 大道 和宏, 平田 知代, 江島 剛, 今岡 尚子, 平岩 健太郎
    原稿種別: 臨床経験
    1993 年3 巻2 号 p. 102-105
    発行日: 1993/12/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    症例は77歳男性で,陳旧性肺結核,慢性肺気腫による呼吸不全のためにICUへ入院となった.高CO2 血症があり,心不全を合併していたためPEEPを併用した呼吸管理を行うとともに,Swan-Ganzカテーテルが挿入された.第2病日にカテーテルを自己抜去しようとしたため盲目的にカテーテルをもとの位置まで推し進めたところ,上大静脈内にカテーテルのループ形成を生じた.ただちに抜去を試みたが,右内頸静脈内でカテーテルの結節形成をきたして抜去不能となった.このため内頸静脈切開を施行しカテーテルを抜去した.

    Swan-ganzカテーテルの結節形成は比較的まれな合併症であり,その成因などについて考察した.

  • 石原 享介, 長谷川 幹, 松本 久子, 富岡 洋海, 岡崎 美樹, 片上 信之, 坂本 廣子, 梅田 文一, 中井 準, 芝 久美, 楠 ...
    原稿種別: 臨床経験
    1993 年3 巻2 号 p. 106-108
    発行日: 1993/12/20
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    レチナ(高研(株))装着中で気管マスクにて酸素投与中の慢性呼吸不全患者5例に,レチナ孔を閉鎖しかつ酸素ライン接続管をもつ酸素投与ボタンを試作し臨床応用を行った.経鼻酸素投与にくらべ1/2~1/3の酸素流量で同程度の酸素化が可能であった.軽量であり,発声も保持され,容易に着脱が可能であり長期使用においても喀痰による閉塞もみられなかった.良好な気切孔管理が可能となれば末期呼吸不全・呼吸機能障害患者では気管切開法が有力な治療オプションとなる.

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