日本腹部救急医学会雑誌

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高度の低栄養と体重減少を示すストレプトゾトシン糖尿病ラットにおいて腸管内環境の変化を誘因にストレス後のbacterial translocation (BT) が起こることを証明した。実験には腸内細菌叢の同定に加え, 30%の熱傷負荷後経時的に門脈血, 腸間膜リンパ節, 肝, 肺, 大動脈血を採取し菌同定を行った。好中球の殺菌能は熱傷ストレス負荷後30分でDM群で有意に低下した (69.0±5.0%;対照群vs.51.9±6.0;DM群, p<0.01)。エンドスペシーはDM群で高値を示し, トキシカラーテストはDM群で有意に高かった (8.6±4.0pg/ml;対照群vs.16.1±13.4;DM群, p<0.05)。糖尿病におけるBTにはE, coli, K.pneumonie, Enterococcusspp.を中心とした腸内細菌叢の質的量的変化, 腸管粘膜防御機構の破綻, 生体の感染防御機構などの発症因子が複雑に関与していた。

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