本研究の目的は,月経痛への選択的注意を測定する自己記入式質問票であるMenstrual Pain Vigilance and Awareness Questionnaire (M-PVAQ)を作成し,標準化することであった.女子大学生209名を対象に自己記入式の調査を行い,探索的因子分析を行った結果,M-PVAQは「痛みへの注意」「痛みの変化への気づき」の2因子構造であることが示された.また,M-PVAQの十分な内的整合性と,測定に使用する際に満足な併存的妥当性が確認された.このようにM-PVAQは高い信頼性と妥当性を有している尺度であることが確認された.今後,女子大学生を対象に月経痛に対する選択的注意を標的とした介入を施す際,本研究で標準化されたM-PVAQを活用することが望まれる.

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目的:関節リウマチ(RA)患者の約14〜42%は抑うつ傾向があり,一方infliximabはRA対する有効性が高く,RA患者の抑うつ状態も改善させることを報告した.その機序についてサイトカイン,ホルモンの測定も含めて検討した.方法:Infliximab治療RA患者20例に対し,治療開始前,開始14,30週後にself-rating depression scale (SDS)を施行し,治療開始前と比較した.RAの疾患活動性はdisease anxiety score 28 (DAS28ESR4),QOL評価はmodied health assessment questionnaire (mHAQ)を使用した.同時に抑うつ状態と関連のあるサイトカインとしてtumor necrosis factor (TNF)-α,interleukin (IL)-6,ホルモンはdehydroepiandrosterone-salfate (DHEA-S)を測定し,欧州リウマチ学会改善基準別に層別解析を行った.結果:Moderate response以上の反応群においては,無反応群と比較すると治療開始前のTNF-α,IL-6は高く,治療開始14,30週後のSDS,mHAQは改善,TNF-α,IL-6,DHEA-Sは低下傾向であった.しかし,無反応群では治療開始後のTNF-αは上昇し,IL-6は一定の傾向を示さず,SDS,mHAQ,DHEA-Sはほとんど変化しなかった.結論:Infliximab治療が有効なRA患者では,TNF-α,IL-6,DHEA-Sの低下を介して抑うつ状態が改善する可能性が考えられた.

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摂食障害を合併した1型糖尿病患者にヨーガと認知行動療法の併用を試みた.介入当初はアレキシシミア傾向が強く治療への動機づけが不安定であったため,感情の言語化を促しながら,ヨーガを用いて激しい感情と距離が置けるよう援助した.その後に,過食嘔吐の代替行動の形成や問題解決療法など摂食障害によく用いられる技法を導入した.さらに,母親に対して具体的なサポート方法を提案することで母子関係の調整を行い,長期的には1型糖尿病をセルフケアすることに対する患者の自立的態度の育成に貢献できた.

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